82話
その者、我が儘に。
唯、己の欲する行動のみをコレとし、好きなままに空を飛び、欲望のままに喰らい、自由に暴れる。
暴星龍ティアマト。それがその龍の名。
平均活動日数1000日。平均被害レベルAA。災害レベルSA+
大昔、記録によると500年ほど前に我が神聖スティービア公国に現れ好き勝手に暴れる事420日。
王都が半壊したと記録には残る。
だがその当時の人々が今も生きている訳では無い為、記録上の知識、出来事となる。
ティアマトは空から振ってきた隕石の中から生まれたと当時の記録には残っていた。
圧倒的な力と強力な魔法。
人に抗う術は無いのかも知れない。
3ヶ月前、ここ数十年では見たことが無い程の記録的な大雨が観測された。
その雨は公国内に収まりはするが、約1ヶ月間もの間、降り続けた。
そして、雨が止むと同時に空から小石が降ってきた。
その石は大きくは無かったが、雨が止んだというのに空で雷が鳴り出した。
そんな状態が約1ヶ月ほど続いたある日の事。
大きな雷が王都へと落ちた。
それが暴星龍ティアマトの現れる合図となった。
ティアマトは首都からは離れる素振りを見せたが、周回するようにグルグルと王都を旋回している。
落雷を3時間に1回落とす。
そして約2時間に20分ほど休むためか地上、王都の外付近へと降下し羽を休める。
また王都にいる家畜を狙い時折襲い食料としていた。
その繰り返し。
昼夜問わずに永遠と。
我が国の猛者。
名のある戦士、国の優れた騎士、凄腕の魔法使い。
誰もがティアマトに挑んだが有効打を、上手く攻撃することが中々出来なかった。
その動きは巨体にしては速く、知能も高く冷静でありながら状況判断に優れていた。
日を追う毎に被害も増えていた。
ギルドを主体とした大がかりな討伐も行われたが失敗に終わった。
そういう状況なので、国も動き世代の英雄も参加するが空を掛けるモノに対し有効な攻撃を当てる事が中々出来ない。
しかし、反撃の雷は毎回数人が受け怪我人が増えていく。
今までの文献によると平均では約1000日。
それを過ぎればティアマトは活動を止め何処かへと行ってしまう事までは解っているのだがまだ1ヶ月。
後2ヶ月以上この状況を甘んじるしかないことに誰もが悩み、困っていた。
可及的に速やかに何とかしたい状況であった。
その光は突然に我が領土を駆けた。
一直線にティアマトへ向けて駆ける高密度なエネルギーの塊。
それがティアマトを貫いた。
何故ティアマトがそのエネルギーの塊を避けなかったのかは誰も分からない。
単に休んでいた為か避けられなかったのかも知れない。
そして、そのエネルギーは観測するに雷の属性である事が解った。
暴星龍ティアマト。
その龍の属性は雷。
普通ではあり得ない、というか、考えないのだがその龍は己が使う属性、雷が弱点であった。
そう結論付けた。
その攻撃をモロに受けたティアマトは一撃の下に活動を停止し倒れた。
そして神聖スティービア公国に平和が訪れた。
更にはティアマトという莫大な素材などの益を残して。
しかし、あのエネルギーの塊は何だったのかという話しになった。
直ぐさま調査が行われ、あのエネルギーは休んでいたティアマトを貫いた後、公国内領土のワビシーニス山の山火事を風圧で消し去り更には天空から落ちてきた少年を助けたとの報告を受けた。
なお天空から落ちてきた少年に付いては理由があり、それ以上は秘匿とする事が直ぐに決定された。
我が国には有益な事だけをして飛んでいったあのエネルギーの塊に付いては今後も調査していく方針。




