80話
最近何時も良く来る場所。
此処はチーズレアの街の冒険者ギルド。
でも今日は何時もと違う目的が有るのだ。じゃじゃーん。
ええと5番カウンターだったっけ?
そいえばあのカウンター使ったこと無いし誰かが座っているのも見たことが無い気がするね。
ううーん。
良いのかしら、って思っても仕方が無い。向かおう。
誰も近づかない場所かも知れない所。
5番カウンターへと私は向かい、近くからギルドの人に聞いてみた。
「あの、すみません。私、さらっちと言います。昨日此処に来てくれってラオーアさんという人に言われたのですが、何か聞いていませんか?」
「――――はい。承っています、少しそこの5番カウンターでお待ち下さい」
「はい…………」
と、とりあえず話は通っているみたい。
言われた通りに5番カウンターの椅子に座って待っていたら何か…………気のせいでは無い位の視線を感じる。
…………気がする。
いや、見られている。しかも結構な人数に。
………………私、何かしちゃった感じ?
此処って、そういう席なの?
お誕生日席にお座りするわたし。
ううー居心地が……。
見られてる感が気になるよう。
待つこと10分程。ジロジロ。ジー。
なめ回す様にぺろぺろという視線を全身に受けているさらお。
私、そんなに見られるのに慣れていないのでご遠慮下さいオーラで視線を押し返すのを試しているケド跳ね返らないっぽい。
配信なら良いんだけど現実は困る。
時間が経過すると共に人も増え私を見る人も増えもう見世物みたいになってきている気がするプルプル。
そろそろこの空気感に限界なのですが。
とギルド店員さんに話そうか迷っている所にラオーアさんが来た。
「よう…………待ったか?」
「…………いいえ」
「あっはっはっは。そうか、じゃあもう少し待つか?」
「…………ラオーアさんって意地悪ですね」
「そうだな。俺は少しばかり意地が悪いかも知れない」
と言いつつこっちへ来いと言ってくれた。
膨れていた私は飴と鞭を貰っている気にされた。
ホント意地悪。
でもあぁ、この視線の集中砲火から開放されるホッとした開放感ことブルブルっと、いや何でも無いよ。
ラオーアさんに案内されるがままギルドの裏へと向かった。
へぇー。あのカウンターの奥はこうなっているんだ。
っていう単なる好奇心からキョロキョロとしてしまうよね。
少し廊下を歩く。一番奥の扉を開けている前を行くラオーアさん。多分偉い人いそうだよね。一番奥だし。
振り返り手招きしているのでついていく私。部屋へ入ると応接室の様な作りの部屋だった。
多分ギルド長とかが仕事している場所だろうね。
中を見渡すと私を含めて計3人のみ。
私とラオーアさんと……知らない女性。
ラオーアさんは奥の一番偉そうな人がいかにも座りそうな場所へと座った。
この部屋にいた女性が私をこちらへどうぞとソファーへ誘う。
うん…………女性はうーん。
お仕事出来そうな感じな…………秘書さんとか? それとももしかしてやり手さん?
ラオーアさんはこの部屋で一番良い所に座っている気がする。
あれ…………。
私は言われるがままにソファーへと座ってラオーアさんに聞いてみた。
「……もしかしてラオーアさんって凄く偉い人なんですか?」
私の問いに対しラオーアさんは女性に目配せして顎も更に促すように動かしている。
「…………私は此処の冒険者ギルドの副ギルドマスターのノエスタと申します。そして今、質問された此方がギルドマスターのラオーアです」
「俺が此処、チーズレアの街でギルドマスターをしているラオーアだ。よろしくさらっち」




