52話
僕の姉は『遠江さらお』と言い、年齢は一つ上となる。
もう一人年齢の離れた姉がいるのだが、もう家を出ている。
隣の部屋にいる姉、さらおは家族、姉にしては良い姉だ。
もう1人が酷いからか比べると、どうしてもとても良い姉という事になってしまう。
時折、僕に自己流のラップを投げかける所以外さらおはとても良い姉ではある。
さて、始めますか。
「……………………」
画面越しに彼女『綾姫』は突然に生成された。
彼女は突然のこの状況に戸惑っているのか色々な所を見ている。
その様子を僕はジッと見ていた。流石、僕の作った子だ。
黒髪に長めのロングでゆで卵のような輪郭に清楚な感じの顔。
大きめの瞳。
名前通りお姫様の様な容姿。
長めの足にスラッとした体躯。
控えめだが主張する形の良さそうな胸。
丁度良いおしり…………いや、可愛らしいおしり。
どのパーツを取っても僕の好きをリアルに体現しているなんて。
本当に神の…………奇跡。
完璧に僕の……好みの容姿だ。
『この子で良いですか? Y/N』
『起動しますか? Y/N』
すかさずYESをクリックするとWEBカメラが起動した。
一挙一動、彼女から目が離せない。
彼女を僕は360℃どの角度からも見ることが出来る。
はぁ……………………。
しっかし可愛い。
こんな子…………ホントに存在するんだ。
そうなんだ。
何処かにこの子は存在する。
そう認識した時、僕は嬉しさと空しさを瞬間的に味わった。
この世界の何処かにこんな子が存在する。
良いなぁ。凄いなぁ。
なんで僕の幼なじみでは無いんだ? 友達では無いんだ?
世の中は全くもって上手く出来ていない。
糞っ。悔しい。
考え事をしていたら、彼女、あやひめと目が合った。
モニター越しの彼女は僕のことをマジマジと見つめている。
真っ直ぐな黒い瞳が見ている。
見えているのだろうか? 試しにウエブカメラを遮ってみた。
「真っ暗だよー。おーい見えないよー。暗いよー怖いよ、せま…………あっと、わーい明るくなったー」
「………………」
突然話し出した。
しかも、見えているのか? やっぱり……。
え、どういう事なんだ?
「ねぇねぇ。キミはだあれ?」
「………………」
僕に………………僕に話しかけている? そんな……。
僕は見られている? こんな、可愛い彼女に…………。
やば、顔、恥ずかし……い。
ええと、ど、どうすれば…………良いんだ。
「………………」
「おーい。聞こえてるー? ねぇねぇ。何か……話してよお。もう………………ソコのキミだぞ!」
「………………僕?」
…………試しに話してみた。凄く……ドキドキしながら。
こんなに、こんなにも好みの子が僕を見ている? ホントか?
「……そうそうキミだよ。やっと話してくれた。キミは……だあれ?」
「…………僕は………………………………五次郎」
「……格好いい名前だね。うん。私は、私の名前はね……あやと言うよ。よろしくね!」
………………か、彼女は……あやひめでは無いのか? ええと、警戒している? 嘘を付いている?
た、試してみるか?
「か、可愛い名前だね………………あやひめちゃん」
「………………………………えー。どうして…………の?」
目の前の彼女、あやひめはビックリしている。
少しだけ焦っている彼女も凄く……良い。
「で………………でも残念でしたっ。わたしの名前は『綾姫』とかいて『あや』と読むのだーーーーふっふっふー」
「………………え、そうなの? ごめん。そうなんだ……」
「ソウナノダーえへへ。でもなんでそう思ったのかなぁ?」
「え………………ええと、そう思ったんだよ! いや、そうだと良いなー的な……」
………………くっそ、我ながら苦しい言い訳だ。
何か、何か無いのか……。
「ううーん。まぁ、……良いです。私は信じるよ。キミを運命を…………うん」
「あ、ありがとう。あやちゃん」
「うんうん。キミは……年齢は………………幾つかな? あ、えと、当てる、当ててみるね」
そう彼女は言いうーんうーんと悩んでいる。
かわいい。
そして明るそうな性格。
人差し指を立たせて彼女は可愛らしく16歳と言った。
「………………残念。僕は15歳だよ、でも惜しかったね。半年後に16歳だよ」
「それならニアピンだ。わーい。……あ、じゃあ、私とタメだね。うん。良き良き」
もう僕の顔はニヤけているかも知れない。
恥ずかしいけどキミと話をしていたい。
キミを見ていたい。
凄すぎる。
コレ…………本当にゲームなのか?
あり得なすぎて瞬間そう思った。
だって、これ、この肉感、CGでは無いよな?
一体、どんな技術なんだ?
もう区別は全く付かない。コレは人間だよな?
…………確かに同じ人が存在するという話し。
設定だったけれども…………。
どうなっているんだ? 一体。
それからと言うもの。
僕は毎日の様に彼女と話し、どんどん親密に。
さらに更に好きが溢れてゆく。
もう彼女のいない人生なんて、とても考えられないという位に好きになっている。
彼女、綾姫に惚れていた。
もう僕は彼女の虜だった。




