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51話

偶然は誰かが仕組んだ必然であり、運命は現実と奇跡が織りなす悪戯である。




玄関の方でチャイムが鳴った。時間指定の届け物が届いたのだろうか?


階段を降りてインターホンで話をすると宅配だった。

お金を持ち玄関の鍵を開ける。


「――――宅配です。此方ですがよろしいですか?」


荷物、ダンボールの上に伝票が付いている『(株)リアル志向』


送り先『遠江五次郎様』


「はい」

「では此方にサインをお願いします」

「はい。これで良いですか?」


「はい。では後は……代金引換決済ですのでええと……30万円となります」


「――――此方です。お願いします」


「では確認します――――――――はい。確かに。ありがとうございました」



僕は宅配の人が帰るのを見送り玄関を閉めるとダンボールを抱えて二階の自分の部屋へと急いだ。


部屋に着き鍵を閉めてから椅子に座りダンボールに付いている伝票を丁寧にはがして机の引き出しにしまう。


それからダンボールを開封。

ぷちぷち、緩衝材が大量に入っている。

取り出して纏めておく。後で姉の部屋にでも置いておこう。


中身が出てきた。

よし。コレを待ち望んでいたんだ――――――――。



正式名称『リアル彼女』通称リアカノ。



このゲームはとあるサイトのゲームレビューで3年間もの間。

1位をキープしている。


ふと、興味をもって調べた結果。

普通にお店とか量販店などで売っているゲームと違って受注生産であること。


そして、抽選であること。金額が30万円と高額なこと。

中々に敷居が高いゲームだという事が解った。


だが、このゲームを買ってプレイした人のレビューを何件も見て更に興味を持った。


どんなゲームかと言うと説明書にはこんな感じで書いてあった。



・貴方の設定した彼女が生まれます。

・年齢、顔のパーツや身長、体重なども設定して下さい。

・モニター越しに彼女と会話が出来ます。

・設定に関しては、80億通り。いま現在の人類、人口ほどの組み合わせが作れます。



詳しく言うと、この設定した彼女は何処かに存在します。

※存在しない設定は作れない事になっています。


何時でもモニター越しの彼女に会って話して下さい。

時には眠いときや、機嫌が悪いときも有るかも知れません。


貴方の友達、彼女、親友。好きな存在として接して下さい。


貴方の真摯な思いが彼女に伝われば一生の友人以上の存在になってくれるでしょう。


このAIはIQを始めとする頭の良さや判断基準なども事細かに選べる様になっています。


ある程度作り込んでいくと、彼女の設定は絞られてきます。


例えば――――――――日本人。20歳。女性。顔、性格。などなどと選んでいくとドンドンと数が減っていきます。


仮に、いなくなったらそんな人間は存在しませんという事で作れません。


そんな人間がいる。

そこがこのゲームのスタートであり始まりです。


先ずは彼女と話して下さい。

友達になってください。

一杯お話して時間を共有してください。

その先は貴方の自由です。



最後に。このゲームは楽しむことを目的として作られました。

どんな結末になろうとも楽しんで、人生を歩んでください。


それが、このゲームを作った開発者の望みです。

ゲームとは人生とは楽しむべきものです。



このゲームの凄いところ…………何が凄いって、存在する所までしか作れないと言うこと。


仮に作れた人物はこの世界の何処かに存在すると言うこと。

試しにアイドルの人物で作った所、そのアイドルが生成されたというレビューがあった。


そんな凄いゲームに僕が興味を持ち買うまで一年間という時間が掛かったが、抽選に当選した。


当選確率は2パーセント。


そんな難関に僕は当選した。お金は小さい頃から貯めていたお金と、一年間のアルバイトで貯めたお金でなんとか揃えた。


何が凄いってこれから僕の知らないとんでもないゲームがプレイ出来るということ。


誰かが言っていたが、このリアル。

人生が一番に楽しいゲームだと。


それはそうかも知れない。否定はしない。

リアルなんて糞ゲーだとかも言う人もいる。

ソレも否定はしない。


しかし、コミュ症の僕にとって自分の好きな女性と友達以上の関係になれると考えるとそれはとっても素晴らしい事なんだ。

という結論に達した。


早速、ゲームをインストール。

起動させてゲームスタート。


始めに自分好みの容姿や性格、年齢とか体重身長などを事細かに記入、設定を打ち込んでいく。


どんどんと減っていく僕の好きな人。

ふるいに掛けられて残った最初で最後の僕の人類。


そして彼女が出来上がった。


名前は『綾姫』というみたいだ。

名前を設定する項目は無かったのでもしかしたら、本当にそういう人物がいるのかも。


というか、本人の名前なのかも知れない。



試しに始めに姉の設定で作ってみると名前は『さらお』と姉の名前が出てきた。


僕の目の前にはとんでもないゲームが存在している。

試しに作っただけで姉と疑似恋愛しても仕方が無いし別に好みでも無い。


まぁ家族だから好きだけどね。

という事で試した設定をデリートした。


数分後、隣の部屋から「存在がー消されるよう。ようよー」


という謎のラップが聞こえた気がして罪悪感が生まれた。

もう学校から帰って来ているみたいだ。

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