46話
二人でバスに乗って駅前に着いた。
待ち合わせはこの前も行ったデパートというか商業施設の屋上。
ももちゃんは知っていそうだったから付いていく様に私は歩幅を合わせた。
エレベーターに乗って最上階へ。
そこから屋上は徒歩で階段という感じらしい。
屋上の扉を開けると風が吹き一瞬だけ目をつむる。
もう夕方近い時間なんだけどまだギリギリ日が差している。
少しだけ眩しい。
「何処で待とうか……」
ももちゃんは私に話すというより独り言の様にそんな言葉を発し、一つのベンチが目に入りそちらへ向かう。
私も付いていくように一歩遅れて進んだ。
屋上は色々なお店が並んでいたけどもう良い時間なのか、開いているお店は少ない。
子供向けの動物の乗り物とかアイスクリームとかクレープが売っていそうなお店など、小さい遊園地を私に連想させる。
「そこに座って待とうか」
その前に飲み物買ってくるとそのまま行ってしまうももちゃん。
私はそんなに喉が渇いていなかったのとペットボトルのお茶をバッグに持っていた為、まぁ良いかと待つ事にした。
屋上は恐らく時間帯なのか、人は少ない気がした。
もう少し晴れていればとか時間が早ければ子供連れの人とかいそうな雰囲気のある場所だった。
ももちゃんは中々戻ってこない。
遅いなと考えていて屋上のこと、一つの噂話をお思い出した。
ええと確か……屋上に小さな露天があってそこで小物とかのアクセサリーとかを買う事が出来ると良い事が起きる……だったっけ?
いや、運命の人に…………あれ。
うーん。多分、此処のことだと思うんだけど、どんな話しだったかなぁ。
誰から聞いたのかも忘れるぐらいのちょっとした噂話。そんな話があった気がする。
あ、ももちゃんとあおばさんだ。
二人は話しながら此方へ向かって歩いている。
「おまたせ、えっちゃん」
「……………………」
あおばさんを見ると何時も以上に……そう。
何かを覗かれている感覚に囚われた。
…………やっぱこの人は違う。本当に…………同じ人間なのだろうか?
「ももちゃん、何処まで聞いたの?」
「……いや、まだ聞いていないよ」
「…………それじゃあ始めましょうか……なんて大層にするつもりは無いのだけれど状況が状況だから仕方が無いわね」
「――――まず、さらおは無事?」
「……………………ええ。恐らく」
「あおばさんもそこまで解っていない状態なの?」
「いいえ、私が解らないのは幾つかあって、状況はわかるけど今現在、何処にどうしているかって質問になると此処にいるの――――という範囲が広いのよ」
「……………それは――――例えば、東京都……みたいな感じですか?」
「そうね…………でももっと広いの。その感じで言うとなるとこの地球とか、大きい大陸の何処かっていう話しになってしまうわ」
「少し、分かり辛いですね」
「ちょっと…………いや、あなたたちにはもう話さないと駄目みたいね。……もう部外者では無いみたいだから」
あおばさんはそう話すと少し、付き合ってねと私たちを近くの露天へと誘った。
その露天は外にあるのだが、古いシートで覆われている所が多く外から見ても中がどうなっているのか解らない。
中へ入ると大きめのガラスのショーケースがありその中には色々な小物が沢山置いてあり、そういうアクセサリーを売っているお店に見えた。
あれ…………コレって。噂話の状況に結構似ている気がする。
買えた人は良いことがあるって――――。
「……どうかしら?」
「ふむ。おることはおるの…………」
「そう……」
あおばさんは露天のお店の人? おばあさんと何か良く解らない事を話している。
ももちゃんを見るとショーケースに目を奪われているのかこの露天に来てからずっと一点を見つめている。
「二人とも……気になった物を選んでみてくれない?」
あおばさんはそうショーケースに幾つも入った小物を見ながらそう話す。
余り見ていなかった私もそう言われてちょっとだけ見てみる事にした。
うん。中には小物、アクセサリーとかが所狭しと並んでいて一つ一つが…………おかしいわね。
何で気が付かなかったんだろう。
このアクセサリー。
殆どが意思を持っている……というか、正確には意思が宿っているね。
目眩がする。
私には強すぎる。
この集合体を見つめてはいられないわ。
昔から祖父の影響で石に携わる事が多く「何かある」物には結構敏感だった。事象が幾つも重なって見えるんだ。でも我慢して…………。
………………一番、私に、私を呼びかける意思。
――――――――――アレね。
わたしを呼びかける意思。
それは鳥の様な絵が描いてある長方形の物。
あれは確か…………麻雀の牌かしら。




