37話
「…………アレって白龍王の胆石よね?」
「………………はて? そうじゃったかの?」
「……誤魔化さないで」
「そうだよ、青葉姉さん。…………彼女はソレを選んだ。だから対にアレ……夢幻の朧石を渡したのよ」
「…………上手く、上手く出来るかしら?」
「姉さんって…………人に依っては過保護だよね?」
「そうかも知れないわね。だけどそんな都合良く現れるかしら?」
「……それこそ神のみぞ知るって奴なんじゃない?」
さらおが帰った後、そんな会話が露天でされていた。
まだ夕方迄には時間が少しある。
そんな大きいビルの屋上の一角。
そこに数分後、神のみぞ知る人物が現れる事も知らずに。
◇◇◇◇
一体あのゲームって何なんだろう?
私の知る限り、今の所では五次郎とともくんと穂美香ちゃんが関わっている。そして私もこれから関わるのだろう。
多分、何かの目的でゲームしているんだよね?
みんなね。
今の所私の目的は変わらない。
五次郎を助ける事。
なんだけど何か、こう……雲を掴む様な、んー。
実体の無い何かを……違う、現実味の無い何か……なんだよね。
多分私はまだ理解していないんだ。
これから私が何に関わって行くのかを。
結局、そんな感じで家に着き、次に何処へ行くのかを考えないまま、取りあえずゲームを起動させ、街の中心部で私の分身。
キャラクターのさらおは目覚めた。
ともくんがそういう状態? なのを知った私が次に取る行動はラップでようよ…………いや、アレにしよう。
ええと、東西南北だったっけ?
確かこの辺に…………うん、あったあった。
机の引き出しの奥の方からソレは現れた。
私が手にしているのは一本の鉛筆。
この鉛筆の凄い所は何でも神任せにでっきるのだーよう。
ようよう。
おういえー。
じゃかじゃん。
っと、でもでもへいよう。
しっかし私は知っている。
かみ合わないのがさらおのラップ。
神に任せて、合わせても、上手くは行かないよーお。
1番が東で2番が西で3番が南4番が北っと。
いっくぞー。えいっ!
サイコロよろしく鉛筆を転がすと2番。ええと行き先はチーズレアに決まった。
おしおし。美味しそうだ。
私は目的も無いまま次の街チーズレアへと向かう事にした。
否、目的は美味しいものを探しに。
色々と情報を集めた結果。
行き方は幾つかあって一番簡単なのが、相乗りの馬車。
次が徒歩でギルドとかでパーティを組んでいく。
若しくはソロで行く。そして誰かを雇うとか、種類は幾つかあるんだ。
ううーん。
と悩んだ私が取った行動は自分に一番そぐわないもの。
折角だし、自分らしくない事もしてみよう。
てな感じでギルドに行って登録してチーズレアに行く人を募集することにした。
『求む、チーズレアへ行きませんか? 当方、レベル12の初心者です。街から殆ど出たこと無いです。護衛でも散歩でも暇つぶしでも何でも来たれ。早いもの順で3人ぐらいを募集するよ。日時は明日の今頃に此処から出発で』
…………これで良いかな。
集まらなかったら、か弱い女子アピして痛そうな子で行こう。
将来あー。……あの子ねって言われるぐらいの。
……うふふ。良い趣味が一つ増えた。リアルで知られたらさらお怖っ。って言われそうだケド。
私はまだ気が付いていない。
自分で自分らしくない事をする人のことを。
あの石は色々と変えるんだ。持ち主の日常をも。そんな副作用があるなんて知らない私。
資格を得るとはそういうものだった。
『トミエクマ』へ行くための。




