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3話

「え、あ、あの…………」

「おっ、お弁当、自分で作ってるの? 凄いねー」


もう勢いが凄いんだ。

きっと彼女と私では生きる時間の概念が違うと思う。


私も裏では中々なんだが表に出すとなると色々挟んでフィルターを通すので今の3倍は時間掛かるようん残念。


「え、あ、と、今日は……マー、お母さんが作ってくれてて……」


「あぁ、そっかそっか……私は何時も購買部のパンなんだけど、今日は学校に来るとき先にコンビニでパンを買ってきていてね」


ほら、コレとらんちーなパック的なパンとあんのぱん的なパンが机に並んだ。


南沢さんはニッコニコで封を開けてがぶりと大っきく口を開けてらんちーにかぶりつく。


そのお顔はニッコニコ。


美味しい美味しいと召し上がっている。

そんなお顔は美味しそうに見えるよホラそこの男子見逃さないで。


しかし一体、何かの用事でも有るのかしらと雰囲気を合わせつつ鯖を良く噛み飲み込んでいた。


そんな私に彼女、南沢さんは突然にも爆弾を投下した。


「あのさぁ、遠江さん……もしかしてSNSの配信してる?」


「ぐはっ!」


別に喉に鯖の骨は引っかかっていないけれども、私に飲み込まれていた鯖は勢い良く爆弾を投下した南沢さんの方へ放出された。


……しかし、意に介さないのかサバサバした性格なのかは解らないが彼女は放出された鯖を素早くティッシュで包みコンビニの袋へ。


「…………あ、ごめんなさい」


「ん? でどうなの? あれ遠江さんでしょ? ……さらっち」


「ぐはっ…………」


なんだろう。


ソコまで気にすることでも無いのだけれど、この教室のこの場所で、その質問という何か整っている場所で聞かれるともう逃げ場も無い私にはクリティカルにヒットしている。


「絶対そうだよね? さらっちぃー」


ねぇねぇと聞いてくるきっとそんなに悪意は無い彼女。

しかし、まだ顔は結構な感じで気を遣って隠しているんだけどどうやって私を特定したのかが疑問になった、気になった。


うん、凄く。とっても。


「ええと、何で…………そう、思ったの?」


「え…………だってあんな綺麗な……………………」


…………え。もしかして実は私ってけっこーな美人さんだった? 目の前の南沢さんはクラスでもというか、学年でも数本の指に入るぐらいの美人さん。


…………そんな彼女に綺麗って。

おうおう。何かが私の中で超回復したゾ。

いあいあ、レベルもアップだし。


アイデンティティがこれもう凄い事に!


「…………ほどよいお尻の持ち主そーそーいないわよ?」

「……………………ぶへっ」


私の口からは食べても無い鯖のはらわたの様な物が南沢さんの手の甲へ飛んでぺしゃっと落ちた。


……すかさず南沢さんはティッシュを手の甲へ。

サッと拭きポイっとしてる。


そうだよそうだよそうだった。

私は顔を出していないんだ。


もう私の心は順番が解らなくなり泣いていた。

謝るのが先かお尻への返答が先か。


卵が先か鶏がってもう困ったぴよぴよこけーこっこ。


「……ねぇねぇ。何で始めようと思ったの? 遠江さん学校では静かだから意外で……」


「………………ははは」

「ははは?」


「は、母の勧めで……」


「お母さんに勧められたんだ。……何か珍しい始め方だね」


どうしようどうしよう。わたしのおしり。

どうしようどうしよう私のおしりがクラスにバレてまう。


どうしよお私がおしりから特定されてしまう。

コレこそまさに頭隠してなんとやら。ええい誰が上手いことを。んー75てん。


もうコレ良く解らない思考に陥っている。

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