29話
「はいはーい。いらっしゃ…………」
「…………あ」
「……………………誰」
そこには知らない女性、女の子がいた。
年の頃は……12歳とか前後かなぁ。
可愛らしいケド……少し変わった服を着ている。
何だろうあの……棒……杖?
「…………通りすがりの○○と言います」
「……えっ…………はい?」
「ええとですね。コレ、貰って下さい」
「…………はぁ。あ、ありがとう?」
「じゃあ、お待ちしています」
そう言うと頭を下げてから逃げるように女の子は去って行った。
「……………………え? ちょちょちょちょーっとお!」
ついわたしはその女の子を追いかけた。
つい、ね。意味が解らなかったし、良く解らない物をもらってしまった。……知らない人に。
女の子はパタパタしながら逃げるように動いている。
意外に早…………角を……曲がった。
私も曲がる――――――――っとわ! きっ
「おわっ…………」
「――――キャ」
「…………大丈夫ですか――――って、さらお?」
「……っは。あ…………と、ともくん――い、いっ、今、此処に女の子がいなかった?」
「お、女の子…………んん? いないけど?」
「えぇー。き、消えた?」
ホントにいない…………どういうコト? 幻では無い。
手には女の子から貰った物が存在する。
訳が分からなかった。
見える範囲にはやはりさっきの女の子は何処にもいない。
「ともくん。とりあえず部屋に行こうか……」
「お、おう。大丈夫か? さらお」
「…………う、うん」
とね、そういう訳なのよう。
と従兄妹のともくんにさっきの経緯を話した。
「ふーん。良く解らないねってさ、それで何貰ったの?」
「え? ああ…………コレだけど……わっ?」
「…………あれ、それって確か……」
私の手、開いた手にはさっきの女の子から貰ったブレスレットがあった。んん? ってなり腕を見るとそちらにもある。
形状、デザイン共に同じ…………はて。
「ともくん……ふえたよう」
ええと、どんな感じの子に貰ったの? とともくんに聞かれた為、もう少し細かくその子の容姿などを話した。
「なるほど、いや解らないけどね。……ちょっと並べてみてよ」
私は頷いてもう片方を腕から外して隣、くっつけるように並べた。
「ふーむ。やっぱり同じ物だね――――って」
「あれ」
並べた物がくっついて…………重なろうとしている?
どゆこと?
二人でその様子を見ていると1分ほどで二つはくっつき同化した。吸収かな?
「ともくん……コレって…………」
「…………ああ、取り込んだな」
「……取り込む?」
「んー。解らないけどね」
「…………あ、そういえばこのゲームを貰った人、たけのさんから腕輪に関して聞いてて、確か……イミテーションが変化するって言っていた気がするよ」
「まぁつまりはパワーアップしたって認識で良いんじゃ無いかな?」
「そうなの?」
あの女の子は誰だったんだろう?
という疑問に答えは出ないけど貰った物に関しては繋がりを見せたんだ。
と言う事は……。
「五次郎と繋がっている可能性があるね」
「そうかも……知れないね」
「とりあえずこれ以上は今の所解らないしさ、ゲームをインストールさせようか」
PCを起動させてたけのさんから貰ったゲーム『トミエクマ』のディスクを入れた。
それからセットアップに30分程は掛かりゲームスタート。
「先ずはキャラメイクからだね」
「どうすれば良いかな?」
「うーん。さらおの好きに作ると良いよ」
好きに作れば良いんだけどと言われても良く解らないよう。
キャラクターの身長、肌の色、腕の太さとか結構な感じで細かく決められるみたい。
名前は、さらおで、年齢は――あれ。固定かな。
「ともくん。年齢って固定なの?」
「……いや、確か0歳から100歳とか行けた気がするけど」
「無理。年齢が12歳と固定になってるよう」
「そうなのか。まぁ、良いじゃ無いか。別に困らないと思うよ、12歳でも」
「ううーん。じゃあそんな年齢の容姿にしておこう」
「……そうすると良い」
それからたっぷり1時間程でキャラクターが完成した。




