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15話

今日も彼女は朝が早い。




「おはよう遠江さん」

「おおう――――――――おはよう南沢さん」


私も今日は結構早かったのだが、南沢さんはもっと早かった。



しかし何だろう? えっとね、向きが逆なのだが?


お昼時とかならまだ解る。

休憩時間とかでもわかるわかる。

まぁ良いか。


だから、彼女は私を待ち構えるかの様に挨拶をしてくれた。

なので私はおおうとなった。


私は席に座り、バッグの中身を幾つか机の引き出しに移していたのを見ながら南沢さんは話した。


「……昨日の配信も面白かったわ」

「っと、ああ、うん。ありがと」


「おしりから顔バレ……ふふ」

「…………あれ、南沢さんじゃないの?」


「違うわよ。他のコメントはしたけど」

「ええーっ。ど、どれだろう」

「……ふふふふ。当分秘密」


今日の授業は現国に数学に世界史……。

ああ今日は5時間目の最後は体育かぁ。


今日の授業を頭でなんとなく考えていると南沢さんはこう言った。


「今日は世界史でテストがあったわね」

「…………え。そ、そうだっけ?」


「うん、確か今日のはず」

「うぁ。何にも勉強してないよぉー。出題範囲何処だっけ?」


「ええと…………南北朝ぐらいまでだったかしら」

「さ、三国志?」


「…………も出題はされるかもね」

「あーもー。呂布と貂蝉と馬謖しか知らないよー」


「……それはツッコミ所が多いわね。何故その3にん。しかも一人は架空…………」


「え? そうなんだ。だって3にんで誓い合うって……なんだっけ、ほら、桃…………あ、桃ちゃんだ」


「……桃園の誓い。ね、さらお。おはよう二人とも」

「あらおはよう、ももちゃん」


「昨日はありがとう、桃ちゃん。また付き合ってね」

「…………それは良いけど。……アレは強敵だよ?」

「…………アレ?」


背を向けた状態で彼、鬼山田くんの座る方向を親指で指さす桃ちゃん……。


彼ももう席に座っている。


「ち、ちょっと……も」

「………………ははぁ」


南沢さんはそんなやり取りだけで感づいてしまった様だ。


「桃ちゃんー。もー」

「え、あぁそっか……ごめん。さらお」


「…………ごめんなさい。気が付いてしまったわ。そういう事だったのね、昨日のも」


「ううううー。まぁ良いよう。南沢さんなら」


「…………ありがとう。誓っても良い。邪魔はしないわ、寧ろ協力するわよ」


「いや、大丈夫なの。もう少し、ゆっくりと、ねっ……」


「……恋はスピードなんだけどね。ごめんね、さらお。私も協力するわ」


此処に桃園の誓いならぬ鬼山田の誓いがなされた。

杯は牛乳での乾杯。

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