140話
「っはぁ……はぁ…………」
あ、やば……意識っ…………切れ………………。
「―――――ぁ」
……ドサッとそのまま地面に突っ伏した。
片足の無い私がそんなに歩ける筈も無く…………恐らく数メートル?
そして、そのまま意識を失いかけて起きるというギリギリを保っていた。
あっちの方向を見据えながら……。
「…………マっ………………マ……………………」
…………何かの声が聞こえた気がした。
何者かがズリズリと地を這う小さい音と共に。
「……………………」
――――――――どれぐらい時間が経過したのか。
あれから数分か。若しくは30分とか?
何か…………ぬめぬめとするものが私の身体を触っている?
やだあ、触らないでよお…………
◇◇◇◇
「あっ…………」
状況を思い出し暗闇の中上半身を起こそうとすると思い切り頭をぶつけた。
ドカッと。
「―――――いったぁーーーい」
ほへぇ? あふぁ? こ、此処どこぉ?
真っ暗な中、周囲を触ると、とても狭い場所にいる私。
「な、何ここ…………」
な、何かに閉じ込められているの?
自分の身体も縮こまって動けない。
動かすと何かにぶつかる。
周囲を触るが余りに感覚に覚えが無い。
「はぁ? …………え。此処何処なの?」
もう一度、周囲を隈無く触っていると何処からか笑い声が聞こえた。
「ふぁ、っっあっはっは、ははははははっはぁー」
「……ど、どうしたんじゃ? いきなり……」
バカンという音と共に何かが開き――――突然に、私は開放された。
というか、何かから追い出された?
そして、目を開けて周りを見るとイトウさんとナルちゃんが私を見ていた。
「おはよう、さらちゃん」
「……ほっほ。いや、大丈夫みたいじゃのう」
「……………………はぁ」
一体何がどーしてどうなったのか?
聞いてみると、ナルちゃんが異変を察して助けてくれたみたい。
何時も家みたいにしている宝箱の中へ入れてくれたと。
……っと、そこで思い出し足を見てみると何事も無かったかの様に治っている。
「…………」
「…………あぁ、治しておいたよ? あんよ」
「……あ、ありがとぉーナルちゃんー」
ナルちゃんに抱きついたけど今はくすぐったいと離れられた……あん。
状況が全く解らなかったから何があったのか二人に聞いてみた。
「わ、ワシはちょっと呼ばれてのぅ。……………………スマンな」
「……………………えー」
「ボクはさっき話した通りだよ?」
「……………………あのさナルちゃん」
「ん?」
「まわりに何か…………いなかった?」
「…………………………………………うんうん? 何にもいなかったよ?」
あ、何か死んでるカマキリくんいたねとか話してくれた。
あ、あの最悪は…………一体。
「………………………………ま、まさか?」
「ん? どうかしたのかの?」
………………もしかして私の中に? いや、そんな事。
何となくお腹に手を当てて意識を集中してみたけど何も感じないし変わんない……はず。
何処も痛くないし。
いやでも………………コレってどう確かめれば?
「っあ…………あの、ですね……………………」
「…………?」
「どーしたの? さらちゃん」
「凄く……言いにくいんですけどあの場で私、カマキリと戦いまして…………」
恥ずかしいケド話してみた。
手遅れにはなりたくなかったし。ま、まだ間に合うかもとか思ったし……思ったし…………。
一部始終を二人に話すとイトウさんが。
「ああハリガネムシの事じゃよの? …………人間に寄生した例もあるにはあるが、馴染むまでのたうち回る筈じゃのう」
「…………そ、そうですか」
「……なんなら見てやろうか? ホレ、尻を出せ尻を……」
イトウさんは手をウニウニと握る仕草をしながらとても……酷い顔をしている。
「だっ、誰が出すかぁ! こっ、このエロ仙人め!」
「好意で言ってやってるのにのお…………うひひひひ」
こんのえろじじいめ。見せるか! 全くもおおおおおおお。
…………っでも治してやるとか…………言われてたらすんごく困ったかも知れないよう。
見て貰ってたかもしんないよう。
………………あー恥ずかし。
はぁー。ホント、最悪の敵だった。
……一応水たまりを見に行ったけど何もいなかったし。
で、でも…………何処に行ったんだろう? おお怖っ。
その後時々だけど「まま…………」って言葉が空耳のように聞こえる気がするのはもの凄く怖いのです。
「気のせい…………だよね?」




