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138話

それからも私にとっては強敵。


一戦一戦が重い戦いが続いた。

何度か結構、致命傷気味な攻撃を食らったけどもイトウさんの魔法?

により正常な状態に戻された。


腕がスパッと取れても数秒後には元通りになっていた。

立て続けに腕と足を片方ずつ斬られた時は恐怖を感じたがその時はイトウさんが倒してくれた。

後々で聞いたら、影法師という敵で風を操る敵だったみたい。


黒い影みたいなフォルムに白い帽子。

シンプルなつるんとした感じのヤバい奴だった。


私の片腕と片足はつるんと斬られた。

そのまま倒れた私は自分の斬られた足の切り口を見て、何時の間にか目の前にいた影法師の目みたいな器官と深淵を覗くかの様な目が合った時は漏らしそうになった。


全ての力が抜けるほどに。

私にトラウマが一つ増えた瞬間だった。


でも難なくイトウさんは倒しているんだ。これが弱肉強食。

弱きは肉に強きは食らう。

弱い者の肉は強い者の食になる。それが当たり前の世界。



そんな世界に、前に一度だけ戦った事が有る敵が現れた。


その名もマンティス。

カマキリの大きい奴。通称忍者大カマキリ。

あの時に地下5階でショウワンズレッグスと戦った敵が此処で現れた。



特別敵は隠れていない。

確か前に戦った時、始めは迷彩で見えにくかった。


私がジリジリと近づくとカマキリは羽根を鳴らした。

そして私の方を見て…………羽根を振るわせてシュン。


軽い音と共に真空刃が私へ飛んできた。


確か、この真空刃結構避けるの難しいんだよね。

剣で弾こうとしたけど微妙に危なかった。


忍者大カマキリの真空刃は剣に絡みつきクルクルと剣を中心に廻り変な動きになって怖かった。

どっちに飛ぶのか解らなくなり余計に危険だよコレ。


取りあえず受け流す事には成功したけど次はちょっと自信ないなぁ。

そっちに意識も使っちゃうと後手になるし。


中々大きい自慢の鎌を上へと掲げて羽根を鳴らし威嚇している。

目を見ると凄く怖かった。


でも、どちらかと言うと怯えているからこその顔な気もした。

……確かに私は攻撃の意思を示したのかも知れない。


そしてそれを感じ取ったと。



あの時はパーティ戦だった。

しかし、今回はソロ。


イトウさんのサポートはあるにはあるけど基本一人で何とかしろとのスパルタ的指導。

難敵、強い敵に対し私のアドバンテージは何だろうと考えたとき、やっぱり経験だと直ぐに頭に浮かんだ。

そりゃ敵も同じだろうけど、それでも勝ちをイメージする。



私が一人でパーティ分の動きをすれば勝てるんだろうね。

そんな事を考えていたら再び真空刃が飛んできた。


羽根が小刻みに震えている。

今度は次々に飛んでくる真空刃。


真空刃の独特のフォルムからも軌道も分かり辛く受けるのは難しい。

確か避けるのも。と考えたときに2つ、試していない方法が頭に浮かんだ。


上へ飛ぶか、前へ進むかの二択。

私は空中では歩けないし小回りも効かない。


慣性に従って落ちるとか少し身体を捻るとかしか出来ない。

前しか無い。よし…………。



攻めよう!



しかし私へ次々と飛んでくる真空刃。

ええと幾つ飛んでる? 向かってきている?

と考えたけど私にはもうこの真空刃をどうにかする術が何も無かった。


仕方なく剣を構えてそのまま進んでみた。

半分は自棄っぽく、もう半分はカンとか感覚で。


真空刃は進む私の動きを避けるように……何故か私を躱して後方へと飛んでいった。

「か、躱せた…………の?」



私の目の前にはおっきな鎌が待ち構えていた。

「わわっ……」

なんとかその目の前で振るわれた鎌を躱して横にずれた。

忍者大カマキリは瞬間、私を見失ったのか首が左右に動いていた。


試しにやってみたハイド。

その効果がほんの少し出たみたい。


鎌を躱した時に発動して横へずれる動き。

効果はあった。

ほんの1秒ぐらい?

間違いなく私を見失った。


これでいこう思い同じ様な動きから同じタイミングでハイドを発動。

一呼吸後に忍者大カマキリの懐へ入り込む。



すかさず頑丈な銅の剣を一振り。

大きなカマキリのお腹は私の剣の一振りによってスパッと切られた。


――――残心。


私も斬ったとき、動きが止まってしまった。

背後から振るわれたカマキリの鎌は私の足首を片方切り落とした。

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