136話
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――――――――――――――――』
…………コレは、地震……なのか?
この場所でこういう揺れを観測するのは始めてだな。
まぁ何も代わり映えの無い毎日よりかは少しでも変化は欲しいもんじゃがの……。
後どれ位の時間が掛かるか、何故ワシが一人でこんな事をせにゃいかんのかのう。
もう半分隠居の身なのだが……。
人使いが荒いというか、何というか。
もう一人か二人ほど……後進を育てておくべきじゃった。
こんな所に来られるのはこの世界でも多くて2、3人じゃろうからの。
はぁー。今となっては仕方が無いか。
……今日もまた――――――――――採取を始めるとするかの。
「……………………はぁ?」
人の……気配がする……………………。
いやいや、此処を何処だと?
……儂もかなりもうろくしてきたかのぉ。
でも――――――――この感覚は、人の……いや、ダンジョンの意思?
まさか集合体か?
もう入り口辺りにいる。
先ずは見てみるか。
『サーチ……』
うーむ。
……………………ええと。
夢でも見ているのかのぉ……ワシ。
確かにこんな所に長くいると人恋しくもなるが……。
あの服装は町娘…………ほぅ。可愛らしいおなごじゃの。年はかなり若いか?
って、いやいやいやいや、こんな所で見るのはおかしい。
迷い込むにも程があるじやろうて…………。
此処はその辺にある街の近くなどの場所では無いのだからのう。
……いや、もしかして強さは…………流石に目の前に行かないと解らんか。
ううむ…………見逃すとか無視するという選択肢は――――――――無いの。
仕方ない、行くか。
やはり見間違えでは無い。
…………まやかし等ではない事を願っておくか。
「いよっ……と」
よし――――――掴んだ。後は……引っ張ってぇーっと。
「うへぇっ……」
ソレッと!
「……………………」
やはりサーチで見たまんまだの。
やはり集合体か?
いや、しかし…………。
「………………」
「…………お前は人か?」
「……多分、そうだとは思いますけど」
「此処が何処だと思ってるんじゃ! お前みたいな小娘が簡単に来られるような場所じゃあ無いぞ!」
「そ、そうですよねー。…………で因みに此処は何処なんですか?」
「…………飛ばされてきたのか? お主」
「に、似たような感じだと思います。ええと……地上に帰りたいんですけど、どうすれば帰れますか?」
まぁ話せるし、大丈夫じゃろうか。
「此処はカプルスという場所じゃ。通常が異常なんじゃが、通常は此処に来るには何回か死なないと来られないぐらいの所じゃよ」
「そ、そうなんですか。私はパーティの人に騙されてカプリスダンジョンからマグマに落ちて此処へ来ました」
目の前の彼女はそう話している。
じゃが、普通の人間はマグマに落ちたら溶けて終わりなんじゃよ?
ここへ来る道としては正しい道のりというのはある意味で狂っているがのぅ。
――――そう。
普通の人間にはそんな芸当は出来ない。
騙されようと何をしようと。
「私はさらっちと言います。帰り方を知っていたら教えて欲しいのですが……」
「帰り方は…………ちと難しいかの。有るにはあるが……」
此奴、本当に帰りたいだけなのか?
それが本心だったとしても無闇に帰らせる訳にもいかんな。
ここは簡単に帰れる場所でも無いしの。
「ふむ…………解った。お前ワシの弟子になれ。ワシの仕事を手伝って終わったらお前も一緒に連れて帰ってやる」
「わっ、解りました! あ、でも私に出来ることですか?」
「うむー。そうじゃの……。ちょっと待っておれ」
ロックも掛けてないし、少し覗かせてもらうとするか。
ステータス閲覧…………。
っておいおいおいおい…………これは、何かの冗談か?
名前 さらっち
LV 55
HP F
STR D
INT F
WIS F
DEX F
AGL F
CHR F
MGR F
KLM SSSS
スキル 【実況者】【隠蔽編集】【ライトニング】【あほ毛】【+5】
【第六感】【剣術(大)】【高位魔術展開】『最適化』【マグマ(属性)】
【結界】【※※※※※※※】
…………弱い。
いや、才能は恐ろしい程に強いが…………此処へ来られるレベルでは無いのぅ。
――――しかも、儂の知らないスキルを持っている。
……つまり、この世界で此奴を…………いや、この世界の中で単に異質だ。
そう判断されるであろう。
追随する者共には。
……そして、業持ちか。
これは、長生きせんか…………まあ、コレぐらいの負は丁度良いかもしれんか、儂の弟子としては。
しかも此処へ来られる資格持ち。おやおや…………。
足し引きでトントンか。ちょっとさじ加減次第で……ふむ。
――――――――面白い。
そろそろ後継も考えないといかんしのぅ。
『無限』だけでは荷が重かろうて。
『悠久』は200年休みだし。
『冥王』と『鮮血』は気まぐれ過ぎる。
――――上手く育てれば冥王……いや、悠久ぐらいに並べるか?
少し魔法使いの数が足りていないのは元々の問題じゃしのぅ。
そじゃの、適当に……育ててみるか。
折角地の果てにいるのだし。
此処はある程度時間が止まったダンジョン空間だから育てるには都合が良すぎる。
普通はこんな所、あんな低レベルでは来られないのだが。
それも含めて色々と丁度良いじゃろうて……。




