130話
「うぉりゃあ!」
少しだけ力任せに今のメインの武器木刀を振るい木のお化け、別名トレントから素材を回収した。
此処はカプルスダンジョン地下101階層。
トレントの森というらしくダンジョン内なのに森がある階層だった。
この階層の目的はトレントの小枝10本と森の最奥にいる羊を被ったシマウマの毛の採取。
この上の階層の宝箱から宝箱を手に入れたのはもう何ヶ月前だっけ?
最近は日付の感覚が無いのでサッパリ分からない。
地下200階層の採取を終えた私は次のミッションに明け暮れていた。
イトウさんの手伝いをして此処のダンジョンから抜け出すために。
このカプルスダンジョンでは基本的に下へ行くと敵が強くなっていく。
私は今一人で地下160階層迄は行ける。上は101階層迄。
イトウさんは地下170階層から下の階層の採取をしている。
私一人の持ち分は後10階層分でソレが終わったらイトウさんに合流して地下199階層迄の採取を終わらせたら地上へと帰れるらしい。
後1年で終わるかしら、もしかしたらもっと掛かる?
時間の感覚が全然無い為にサッパリ分からなかった。
しかし、与えられたミッションをこなしていく私は間違いなく地上へ近づいている。
そんな思いだけで今を頑張れた。
いや、違うか……私を動かしている物は復讐心と五次郎。
その二つのみ。
ああ、お尻が疼く。
何故こんなにも疼くのだろうと思ってたんだけど理由があった。
私のお尻には何時の間にか痣が出来ていた。
いや、何時の間にかでは無く間違いなくあの時の痣だ。火傷の跡。
イトウさんに一度見られてしまった。お風呂の時に。
あのじじい。「ふぉっふおっふぉっ、コレはコレは良い物を見せて貰ったのう。あの伝説のらっきーすけべぇじゃのお」
とか言っていた為に死ねじじい。乙女の敵とばかりにバンジーの絶叫をしつつの全力攻撃を食らわせた。
私に全治3日の怪我をさせられた自業自得のイトウさんは変な事を口ずさんでいた。
「まさか…………聖痕っ……いやいや…………」
敵が強くて更に面倒な敵に今日もイラついた。ちっ。
ああ、お尻が疼く。
彼女達の事を思い出す度に私のお尻は疼きに疼いた。
ヒリヒリ、チクチク。ズキズキ、シクシク。
何でこんなことになったのだよう。しくしく。
心はまぁ泣いている事が多かったけど復讐心に支えられていた。
それと宝箱。
私が地下100階層で開けた宝箱の中身の宝箱は大当たりだった。
彼女の名前は『エターナル』。
今日も私の相棒として戦いに力を貸してくれている。
気まぐれかも知れないけど。
暗闇に何かを察知したと同時に私の横から「行ってくるよ」とナルちゃんが飛び出した。
数メートル先の敵に先制攻撃をしかけるエターナルちゃん。
敵はミノタウロスだった。
ガシャンガシャンと飛び跳ねる様にミノタウロスの近くまで最速で進みパカッと宝箱が開く。
そこからナルちゃんの本体が顕現する。
「うしさんさよならバイバイねー」
宝箱から飛び出た本体はミノタウロスを私の木刀で一閃。
ズパッと胴から真っ二つ。ミノタウロスはモーとも泣けずに沈黙。倒された。
敵を倒すと彼女は私の元に戻ってきた。
「この木刀今のボクに丁度良いから頂戴ね、さらおっち」
「えー。それ私の使い慣れた武器なのにー」
彼女、ピュアミミックエターナル。
姿はとても人間に近い。
普通のかわいい女の子にしか見えないし、着ている物も何か……その辺の服屋さん(安売り)
で買ったような……今時の小学生か中学生かぐらいの容姿。
しかも薄着。
別名ピュアの女王様であられる彼女は少しだけ我が儘だった。
しかし、その強さは本物でもあったんだ。




