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122話

このフロアー目一杯に宝箱が置いてある。

此処は地下100階の宝物庫。



正確な数は解らない。でも人の顔と同じぐらい多様性を持った宝箱がここに存在した。

しかし、開けられるのは1つだけ。

そして殆ど全てがこの世界に於いても希少な宝とされる物しか入ってないらしい。


そんな無数の宝箱から気になる箱を私は見つけた。

その数は4個。


十字を描いた宝箱の真ん中には異質な輝きを保った宝箱があったんだ。


私はこの子に決めた。


意を決して宝箱を開けるとそこには――――――――。

宝箱が入っていた。


「……………………ええと、まと……まとりょー?」


ロシアの民芸品。

人形の入れ物の中に人形が入っているというマトリョーシカ。


いや、まさかね……………………。

もう一回。宝箱を開けると1つのカギが入っていた。


「…………試されているのかしら?」


宝箱の中にカギが入っている。

しかもこのカギ……この宝箱を開け閉め出来るし。


どおいうことなの?


「…………いとーさん。この宝箱……何でしょう?」


「はて…………恐らくじゃが途方も無い物だとは思うのだがのお……箱が出て来た時、儂はピュアミミックかとも思ったのだが……」


「ソレは何ですか?」


「結構有名な幻級の生き物じゃよ……でも違うみたいだのお」


うーん。何か、価値があるものだとは思うんだけど、どう何に使うのかとか含めて勝手がサッパリ分からない。


とりあえず隠蔽編集の中にしまっておこうかしら。




……後で教えてもらって解るんだけど「バタン」と箱を閉めたときこの中に私の成分が入り込んだみたい。成分とは言わないか、髪の毛ね。




 ◇◇◇◇




「此処にはもう用も無いし、次に行くとするかえ?」


「次は一気にカプリスダンジョンの地下7階ですか? イトウさん」


「……本当は刻んだ方が安全なのじゃが……お前さんなら大丈夫じゃろお」


「私なら大丈夫?」


変なお墨付きを貰ったさらお。

ある意味逆に不安になった。


逆にね……。


「じゃあお主、依代を出せ。何でも良い、ソレを飛ばしてソコへ合流するからの」


「…………あぁ、なるほど。そういう感じで行くのですか」


何でもと言われると困るよね。

逆に私の下着を寄越せとか言われても困るケド。


「そんな物はいらん……」


「……イトウさん…………実は読めたりします?」

「……………………さての。……良いから出すのじゃ」


仕方ない。

この前使った髪の毛の余りでも良いかしら? まだあるし。


「コレでも良いですか?」

「…………だめじゃな」


……この前使ったからもう少し時間を置かないと依代には使えないってさ。


そんな制約もあるのかぁ。

面倒だね。


じゃあ…………。


「下の毛なんて要らないぞ?」


「…………いやいや、そんなコト考えても無いよっ? セクハラじじいめ」


「ふぉっふおっふおっ……そうか、まだ無かったか」

「ええい、うるさい!」


何でも良いと言う事なので隠蔽編集の中に入っていた飲みかけのお水(木の水筒付き)にした。


「…………ツマランのう」

「つまる!」


というコトで依代となった水筒はイトウさんに飛ばされた。

「じゃあ行くぞ! 先程の水筒をイメージして唱えなされ」



指輪に願いを乗せて、水筒をイメージ。そして祈った。


「祈りよ! 始まりの聖者に届け」


文言を放ち頭の中でカプリスダンジョン地下7階を願い私とイトウさんは虚空へと飛んだ。

※次話で一旦お休みです。

姉の話を数話、挟む予定です。

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