117話
その扉は今までの扉とは違い漆黒の扉だった。
その行く先を暗示しているかの様な、そんな雰囲気がその扉にはあった。
私は一息付き扉を開ける。
中まで暗かったらとか思ったけど中はそうでも無かった。
ここ以降はイトウさんに教えて貰っていない。
「お主が自分で倒せ」と中に居る黒死鳥の事を少しだけ教えて貰った。
扉の先には黒死鳥が群れでいる。
そして一匹だけ、別の何かの個体もいるという話だった。
『それらを倒せ!』とイトウさんは言った。
殲滅しろと。
幸いなことに、回収は考えなくて良いという話で兎に角、最終目的は殲滅という事らしい。
「よし!」
気合いを入れ直し空間を進む。少しづつ。
時折、バサッバサッと羽根を振っている音や、何か、聞いたことが無い言葉。
というか、聞いたことが無い日本語を話している。
そしてそれらは言葉になっていない。
少なくとも私には理解出来ない日本語だった。
鳴き声は解る「ギャー」とか「ギャア」という言葉。
私も反発して鳴こうかと思ったけど止めた。
そして聞いていた通り、結構な数がいる事も解る。
この空を飛ぶ敵がどれ位連携してくるのか。倒すためにはどれ位のダメージを負わせれば良いのか。
一つ一つ覚えていかないと此処はクリアーできないだろう。
そんな予感はした。
まだ敵は見えない。
しかし私は敵に認識された。
ああそうだハイドでも良かったか。
と相変わらずなさらお。ワンテンポ遅いよね。
その一つの思考は次の展開を変える力を持っている。
慣れないとね。
無音だったが多分攻撃を受けた。
……その攻撃は不思議な攻撃だった。
単純な物理では無かったんだ。音…………いや、風かな……ううん。少し何かが違う気がする。
しかし確実に体力を削られた。
一体どんな攻撃なんだろう?
すぐにまた攻撃を受けた。……多分。
何かの攻撃で体力が減った。
違和感を探す。ソコに神経を集中させてひとつ解った。
少し、臭いがしたよ、甘ったるくとても嫌な臭い。
この臭いは……凄く嫌いだ。
風が身体に当たる。
この場所自体は結構風が吹いているんだけど、その中に紛れて風の攻撃を受けている気がした。
しかし紛れているので躱すのは難しい。
しかも風を避けるって……そんな事出来るのだろうか?
他を考えるが思いつかない。
そしてその内に体力は削られて私はそのまま死んだ。
今までと違ったのは、死んだ後というか、ギリギリ生きているレベルの生命活動をしている私はゆっくりと、トドメをさされていた。大きな嘴で。代わる代わるにつつくんだ、啄むんだ。私の身体や頭を。早くトドメをさしてくれない。恐ろしく長い時間。
これは精神をやられる。
此処ではもう死にたくない。
体力はある一定の値を削られると私の身体はグンと動きが鈍くなったんだ。
そうしたら敵の別の攻撃が始まって。
そこからはもうあっという間に私は無力になりゆっくりと長い時間を掛けてトドメをさされる。
そして私はやっと死んで祭壇へと戻ってきた。
最後に何処からかの声が、沢山の声が聞こえた気がした。
喜ぶ声とか笑い声が。
結構全力で警戒していたつもりだったんだけど駄目だった。
敵の姿すら禄に見えなかった。
解った事は幾つかある。
羽根の音。良く解らない日本語。臭いと風、何かの攻撃。
体力を一定数削られると動きが鈍くなること。
…………次、いってみよう。
漆黒の扉の前にきた。今度は此処でハイドを使った。
恐らく私は見つかりにくい感じになっているはず。
自分からは解らないけどね。
これでバレていたら唯の間抜けになるのかしら。
まぁ良いや、行こう。
扉を開けて進む。
先程とはやはり違う展開になった。
見えてないからね、うん。
進みながら上を見上げると時折黒い物体が見えた。
恐らくアレが黒死鳥。
扉を開けた先の空間は荒れ地のフィールドだった。
朽ちている木々が所々に見えてその一本一本に何かというか黒い物体が見える。
そう、黒死鳥だ。
黒死鳥はその木は私のと主張しているのか、一本の木には1羽という感じでキッチリとしている。
しかし、その中でも大きい木には数匹が止まっていて、この木は自分のだという口喧嘩をしている…………様に見えた。
この空間を一週し数を数えると全部で100羽の黒死鳥がいた。
と言っても偶に動く鳥の数なんて数えられないから大体なんだけどね。
うーん。一番良いのは敵が私を認識しない所からの遠距離攻撃。
それが出来れば私はダメージを受けない。
でも私がソレを使用とすると弓とか使えないから、魔法の攻撃となる。
問題は何処まで大勢の敵に見つからないように倒す事が出来るか。
何体倒せるかで以降の展開も変わる。
まぁ試してみようかな。
丁度良い魔法が無いからその場で覚えた。
基本四種の魔法ファイア。
結構な遠目から狙いを定めて放ってみたら黒死鳥は避けもせずに私のファイアの魔法を食らい「ギャアギャア」といいながら燃えて落ちた。




