113話
お風呂へ入り生を実感した。うん、生きてる。
その後のお食事。うん、美味しい。
食後もお腹いっぱいになった事に生を実感していた。
……コレ何のお肉だろう。まぁ良いか、美味しいんだから。
「では、この後少し登録しにいくから着いて来なされ」
……はて、登録って何だろう。
とりあえず着いていくとそこには1つの銅像があり、その銅像は結構大きめの何か、供えられる様な空間がぽっこりと開いていた。
「……此処が供物を捧げる場所じゃ。コレが終わったら、数日間眠ると良いぞ」
クルッと振り返るイトウさんに私は腕を切られた。
しかし、叫ぶ間もなく意識を失い私は深い眠りに落ちた。
何処かで何かが地面に落ちる音が聞こえた…………気がした。
何だろう、コレ…………。
何かと何かがくっついて、重なり合わさってゆくよ。
私じゃ無い物が取り込まれてゆく――――――――――。
『お前は私と共存した…………』
カチッ、ガチャン、トントン。
改造されていく自分。
そんな――――――――夢を見た。
なんとなく目が開いた。だけど恐ろしいほどに眠い――――――――まだ寝ていよう。
「……………………こ、ここは――――――――あれ」
目が覚めた。何か、凄く…………眠っていた気がするね。
「ああよく寝た……………………」
あれ、此処は何処だっけ。
ううーんと…………私は昨日は何していたっけ?
ええと――――――――――――――――あ。
ああっ。う、腕っ!
「――――は、あるよ? …………はて?」
夢、変な夢を見ていたのかしら…………。
何か、記憶が混乱しているね。
でも此処はあのダンジョンの地下…………それは間違いない。
何がどうしたんだっけ?
「…………………………あ」
思い出した。イトウさんに私、左腕を切られた……よね?
…………でも左腕あるね。
うん? うーん。おかしいなぁー。
顔でも洗ってこよう。
おトイレと洗面所へ向かいさっぱり。
あー何か、良く寝たーって感じ。
こんなに寝たの久しぶりぐらいよく寝たなぁ。
「お、起きたかの?」
「あ、イトウさん。おはよう御座います」
「ふむ…………たった3日か、恐ろしいのぅ……」
「んん? 何が3日なんですか?」
「……お主が寝ていた日数じゃよ」
「ほへ?」
…………私。3日も寝ていたんだ。へぇー。
「…………イトウさん。もしかして私の左腕斬り飛ばしました?」
「…………正確には切り落としたじゃの」
「いやいや、そういう事を聞いているのでは無くってですね」
「切り落としてから儂が治したよ」
「そうそう、ソレを聞きたかったのじゃーなくってね。何故斬ったしからの治してくれてありがとうって言うのも変だしなぁ……」
「付いてくるがええ……」
と言うとイトウさんは歩き出した。
むぅーと思ったけどそのまま付いていくと、そうそうこの前?
何時か見た風景。
此処で私は腕を切られたんだ。
で目の前に銅像があって空間に……………………あ。
「……………………あれ…………私の腕ですよね?」
「――――そうじゃの」
「……つまり?」
「お前さんの腕を一本供えたのじゃよ。理由はあっての、このダンジョンで死ななくなるというか『死んでも此処で生き返る』が正しいかのう」
死んでも此処で生き返る。
そうイトウさんは私に話した。
私はこの前イトウさんに此処へはどうやって来たのかを話した。
『身代わりの代償』を失ったことも。
確かに死んでも生き返るというのは凄く凄い(語彙力)
でも何か……うーん。何だかなぁって感じがした。
そう伝えると、イトウさんは「どうせお主はもうこのダンジョンの一部から成り立っておるのじゃから儂から見れば、何を今更という感じじゃよ?」
「……そんな感じですか?」
「ああ。そんな感じじゃのう……だからの、明日から安心して採取してこい――――とは言っても死にすぎると最終的にはダンジョンに完全に取り込まれるから程々には気を付けるのじゃぞ」
「つまり……手は抜くなと?」
「そんな感じじゃのう……ふぉふぉふぉふぉ」
「さいですか……」
私の腕は依代になり、このダンジョンの一部ともなり様々な恩恵も得られるとか――――。
ソレもイトウさんに聞いたら、「無粋じゃのう。自分で体感しなされ」と言われた。
そうか、つまり粋な女に。
イキるぐらいが丁度良いと……。うん。解ったゾと適当に解釈する私。
「じゃあ明日から採取は頼んだぞ」
「…………解りました」
とりあえず、進もう。少しでもね。




