110話
……でも度々思い出してしまう。
あの出来事を。
彼等のことを考えるとお尻が疼く。
ホントに酷いことをされた。
トラウマ級の出来事だよあれは。
いや、実際は死んでいたからそれ以上なんだけどね。
寝たら夢も見た。
あの時の夢を。
私は崖の上から落ちた所、サマーさんが私を抱きしめて助けてくれた。
サマーさんは飛んでいて、私はお姫様だっこされている。
みんなの所へと辿り着き、皆が私を祝福してくれている。
「よくやった!」
「おつかれさま。頑張ったわね、流石さらお」
「へっへっへ。オンステージ、良かったぜ! コレ俺の上着だ、とりあえず羽織れ」
「お前なら出来ると信じていた。ありがとう」
みんなが私を、私のした事に対して喜んでいる。
私も嬉しい。
このパーティに必要とされるぐらいの出来事が出来たんだ。
「みんなからの意見なんだが……是非、このパーティのメンバーになって欲しいんだ、どうかな? さらお」
「あははは、夢みたい。こんな私で本当に良いんですか? わたし、皆さんと比べたら弱々ですよ、ちんちくりんだし」
「いや、それで良いんだ。なんたってこれは夢だからなア――――――――――」
そこで私は目覚める。
あはは。こういうのを悪夢って言うのかしら。
そろそろ今日も探索に行きますかと最悪な寝起きの頭で考えていたら、胸の辺りから何か音がしている。
んん? 首筋から下へ胸元を覗いて見るとペンダントから音がしている。
『キュィキュィキュィキュィ』って感じ。
多分、泣いているね。
ああ…………もしかしたら、二つで一つだったのかしら。
ペンダント。
それは悪い事をしたなぁ。
私から見れば彼等なんだけど、ペンダントから見たら私になるのかしら。
「絶対に取り戻すから、ごめんね。もう少し待っててね」
そうペンダント『夢幻の朧石』に語りかけると程なくして泣かなくなった。
先へ進もう。マグマの思いと共に。
ハイドにてダンジョン内を進む私。
此処に来てから、始めて気配を感じた。
気配の方へとゆっくり、気が付かれないように進むと突然気配が消えた。
「あれ?」
この辺だったんだけどなぁ。
とダンジョンの壁を見ていたら壁から腕がにょっと出て来て掴まれた。
「うへぇっ……」
咄嗟の事でへんな声が出てしまった。
ええと……………………いま、私は壁の中にいる……の?
私の腕を掴んでいる方向を見ると人がいた。
ええと結構年配な……おじいさん?
「……………………」
「………………」
「…………お前は人か?」
「……多分、そうだとは思いますけど」
「此処が何処だと思ってるんじゃ! お前みたいな小娘が簡単に来られるような場所じゃあ無いぞ!」
「そ、そうですよねー。…………で因みに此処は何処なんですか?」
「…………飛ばされてきたのか? お主」
「に、似たような感じだと思います。ええと……地上に帰りたいんですけど、どうすれば帰れますか?」
変な、原住民というか、おじいさんに出会った。
まだ人っぽいから良かったよう。




