107話
おおさらお。
こんなところで終わるとは、ほんとうになさけない。
私は騙された。ミスをした。失敗した。騙される方が悪いと人は言う。
騙されて死んだ人は何も話さない。
生きている人の世界。
死んだら終わり。
はいおしまい。
熱さは一瞬だった。
骨まで溶けた。まぁそうだよねー。
マグマだもん。
人間が触って良い物では無い。骨も溶けるって。とろっとね。感覚は無かったけど。
最後にアクセサリとブレスレットが残り呪いが、呪いという名の奇跡が発動した。
瞬間私は何事も無かったかの様に生き返る。
しかし此処はマグマの中だ。直ぐにとろっととける。
奇跡が発動とろっととける。
奇跡が発動とろっととける。
奇跡が発動とろっととける。
奇跡が発動とろっととける。
奇跡が発動とろっととける。
永遠にその繰り返し。
どれぐら私、死んだかしら。時間はどれだけ経過したの?
ここは何処なんだろう。私の意識は生きているの?
全く、解らないなぁ。
何なんだろうね。ああぷかぷか。
マグマの底へと揺蕩った時。私の首に掛かるペンダントが咆哮を上げた。
そして、ブレスレットが砕け散った――――――――――――――――。
わたしはいまじめんにいる。
気が付くとじめんにいた。何故か生きているみたい。
ひんやりとした感触がある。もう此処には、私をあれだけ苦しめたあつさは無い。
しかし何も無い。
私ははだかで持ち物は首に掛かったペンダント、さっき咆哮を上げていた『夢幻の朧石』のみ。
もう少しだけ、つめたい地面で寝ていよう。
私に何が起きたのか、とろけきった頭で整理する為に。
彼等に復讐するために。
やられたらやりかえすのはあたりまえのしんり。
学校で習わなかったのかな。まったくもう。
私がしっかりと教えてあげよう。人に酷いことをしたらどうなるのか。
でも人が良い私は更に考える。
ソコまでして私からペンダントを手に入れた理由を。
理由があれば正当なの?
いやいや無い無い違うでしょ。理由があっても駄目な物は駄目。彼等は自ら手を汚した。
私が洗ってあげるよ。そのおてて。ごしごしとマグマでね。
ねっ。きもちいいでしょー。もう……みんなとろけちゃえ。
五次郎ごめん。お姉ちゃんやることができちゃった。
ちょっとまっててね。ふふふふ。あははは。
よし、整理できた。ヘラるのもおしまい。
此処は何処だろう。純粋に考えるなら、カプリスダンジョンの最下層の何処か?
で良いのかしら。
でもでも私はまだはだか。ああそうだ、収納に替えの下着と町娘一式があったね。
良かった。うん。流石にはだかのまんまは今の私でも少し恥ずかしいし。
着替えも完了。とりあえず周囲を探索しますか。
意外にクレバーなさらお。
奇跡は何時も信じているタイプの私。
そういえばジャッジさんが言ってたっけ?
ええとね確かね『どんな状況だろうと諦めるな』だったね。
彼は、どんな状況だったら諦めてくれるかしら? ふふっ。
いけない、いけない。ヘラってる。方向性変えないと。あはは。
…………身体は修復しても心は簡単に修復しない私だった。




