103話
ゆっくりと先へ進む私たち。
といっても今はエクスパンドさんにジャッジさんと私という3人だった。
そして花畑はずっと続いている。
どれ位の時間進んだのか……時間の感覚も良く解らなくなってきたよと考えていたらいきなり前を行く二人は歩くのを止めて立ち止まっている。
急にだったから、前を行くエクスパンドさんの背中に顔をぶつけた。
私も下を向いていたからね。
「っと、ど、どうしました?」
「……………………いや、到着だ。この階層は終わりだ」
気が付くと一面に見渡す限り咲いていた花は無くなり、6階層の最奥へと辿り着いていた。
此処にあるのは真っ赤な石像が一つ。
その後ろに続くように、扉があった。恐らく7階層への道が続いているのだろうか。
「少し休憩して2人を待つか……」
エクスパンドさんがそう話していると人影が遠目に見えた。
2人いるのでサマーさんとジルさんが追いついてきたみたいだった。
「後はお前の出番だな……」
何とも言えない顔をしているジャッジさんに私は『そういうこと』だと思い逆に茶化すように絶対に私のないすばでーを見ないでくださいねと念を押した。
すると彼は思ってもいない返答だったのか目をパチクリとし「…………いやいや見るだろオンステージは。へっへっへ……」という感じでケダモノの真似をしている。
ムラムラしたらおひねり飛ばすからな!
とか意味分かんない事まで言い出している始末。
そんなジャッジさんを見て、おお神よもとい狼よと天を仰いでいたら寄り道をしていた2人が追いつき合流した。
「じゃあ降りるよ」
サマーさんに皆が続き7階層へと進んだ。
降り立った瞬間から、いや、少し前からかな。
熱かった、この階層。
山とかの火山がとかマグマがとかいう感じ。
とか思っているとマグマが見えた。真っ赤だようわ暑そう。
ジャッジさんは脱いでも寒くないからな、良かったな。
とか私に言っている。
ニヤニヤしながら。
思わず、んべっとジャッジさんに舌を出した。
でもまぁそうだね。此処は熱い。
何度ぐらいあるんだろうとか思うほど、家族旅行の時にあったサウナとかと同等いや、それ以上の暑さに感じた。
むぁっとする空気感。
こんな所にはモンスターもいないよねと納得した。
理由は違うかも知れないけど。
「此処はやっぱ熱いわね」「ああ、暑いな」という会話をジャッジさんとジルさんが涼しそうな顔でしている。
サマーさんとエクスパンドさんは普段通り。
動きも変わらなかった。
私はもう結構暑い。
どうせなら早く脱がせて欲しいとかそんな脱ぎたいお年頃思考になっていたなんじゃそりゃー。
とは言っても私は多分この中では薄着な方なのだ。
その状態でこんなにも暑いんだからほぼフルアーマーのエクスパンドさんとかもう意味分かんないもん。
多分、あの鎧の中はドロドロのベトベトで……。
怖い物知りたさってあるよね。
怖い物見たさって言葉はよく使うけど知りたさって言葉は何で使わないんだろうとか考えていた。
いやーとか言いながら触ってみたいとか思う私は中々の変態なのかしらいやいや無い無い。
――――もうそろそろ私の思考はとろけそうだった。
「ソフィー、この辺で頼む」
「分かったわ」
ジルさんはサマーさんに何かを頼まれて呪文を構築している。
んー。でもソフィーって呼んでいたね。
「ジャッジさん、ジルさんはソフィーさんなの?」
「…………え、ああ…………そうだな。…………ジルは家名でジルベスタ家って言うんだ」
「……そうなんだ」
なるほどね。
皆々呼び名と本名が違うって事は結構有りそうだね。
「よし、出来たわ……10分ね」
「…………じゃあみんな、この結界で最終の打ち合わせを行うよ」
サマーさんの話しにジルさんが構築した結界へとみんなが入った。
「…………あ、暑くない」
「ここに温度を調整する結界を張ったわ。効果は約10分だから、急ぐわよ」
ジルさんに魔法って便利ですねと話すと、使い方次第ねという言葉が返ってきた。
便利だけど万能では無い。
まぁまぁ斬れるハサミぐらいに思っておくぐらいが良いわよと。
なるほど。
心構えも凄いねってジルさんに思った。
そして、皆が円を組む様に座り打ち合わせが始まった。




