102話
皆が集まりサマーさんから話があった。
目的地の『辛辣なる愚か者』迄はもう少し。
次の階層で少しやることがあるから先に進んでいてという話しだった。
やっぱりもうこの先の目的地迄は敵は現れない筈なんだって。
という事はもうすぐ私はモザイクにならないとイケナイみたいだね。
心構えをしておかないとってもうソレどんな心構えよ。
順々に6階層へと降りた。
ダンジョンって作りが結構変わっていると思うんだけど、この階層も中々だった。
ダンジョン内に花が目一杯咲いていたんだ。
うーん……何の花だろう?
不思議。綺麗な花と思うし、可愛らしいとも思う。
逆に怖いとか、汚いとかの変な感想も浮かぶ。
なにコレ。
…………そんな花が沢山、咲いていた。進む道を飾るように。
「綺麗だろ…………この花たち」
突然、そう話すのはジャッジさんだった。
「……そうですね。でも何か……ソレだけでは無い何かを感じます」
「へぇ…………そうなのか」
「何か……有るんですか? この花に」
「そうだな。あると言えばある。無いと言えばもう無いのだろうな」
皆でそんな彩られた道を進みながらジャッジさんと話していたら途中でサマーさんが脇道へと進む。
「エクス、皆と先へ行っててくれ……」
「ああ…………分かった」
そんな会話が聞こえサマーさんのみ脇道へと行ってしまった。
と思ったら静かにジルさんもついて行っている。
「……何か。用事があるんですかね? サマーさん……とジルさん」
「…………そうだな。……あの先にはこの階層のボスがいるんだ」
「――――――――えっ?」
「もう倒されているけどな……」
「なぁんだー。ビックリしたじゃないですか」
「そうだな……………………なぁ、さらお……一つ質問して良いか?」
「はい?」
「もしも…………正しくない行いがあり、しかし、方法がそれしかない時。お前ならどうする?」
「え、ええと…………それだけじゃ判断つきませんよう」
「……それもそうだな。……じゃあお前には何か、冒険者をしている目的はあるのか?」
「そりゃ、ありますよ。人並みには……」
「……人並みか?」
「――――いや、嘘です。人並みでは無いかもですね」
「ほぅ。――――じゃあその目的を達成するためにという前提での先程の話はどうだ?」
「そうですね……私が手を汚すだけで済む問題ならば、私の場合。その手段を選ぶと思います」
「そうか、悪いな。俺の求めていた回答に限りなく近いぜ……因みにお前の目的は何だ? 大ざっぱでも良いから話してくれないか?」
「あ、うん……………………大ざっぱですよ? ――――――――弟を助ける事です」
「……………………っ、そ、そうか。悪い。変な事聞いたな。もうこの話は止めよう。済まなかったな、変な話しして」
「いきなり真面目な話はズルいですよ? ジャッジさんが分からなくなります」
「……そ、そうだな。ま………俺もそういう所があるんだよ。スマンな!」
「そういう所ですよ! 全くもう」
「じゃあついでという訳でも無いが……俺からは何も無いから…………んーそうだな。言葉をやろう!」
「…………何の話ですか?」
「いや、旦那に何か貰っていただろう? 俺からは『どんな状況だろうと諦めるな』という言葉をお前にやる」
「それはどんな状況よ?」
「いやいや、モノの例えだよ。ああついでに、夜店で買った指輪をお前にやる。……これは『どんな状況だろうと諦めるな』という名前の指輪だ」
「……それ今、名前。取って付けましたよね?」
「ん、……勿論だが」
「はぁ…………分かりました。諦めなければ良いんですね?」
「あ、ああ、そうだな! 希望や、絶望にすがるのもアリだ。憎しみも良いかもしれん」
「……………………分かりました。覚えておきます」
そうジャッジさんは話し前を行くエクスパンドさんの所へと行ってしまった。
何か、変だったなぁ。ジャッジさん。何時もと違う……いや、でもでもそういう人か。
……まぁ良いや。
彼等も何か、運命を背負っているのだろうか。これだけ強いんだ。大きなモノを背負っていても可笑しくないだろうね。
多分、彼等は私にも色々と隠し事をしている。
それだけ色々なモノも背負っているし、これからも背負っていくのだろう。
私に手伝える事なら今回みたいに手伝いたいけど。
これは彼等次第だね。私が入り込む程に彼等との接点が無いし見ている景色も違う。
でも、もっと強く、もっともっと強くならないとそんな彼等の助けにもならない。
五次郎は元気かな。
あ、他にも、桃ちゃんとえちかもそうだし。
はぁーあ。早く目的、というか、五次郎助けないと!




