100話
空を飛びながらの攻撃をしかけてくる敵マンティス。
真空刃による攻撃はある意味全体攻撃でありとても効果的な攻撃だった。
それ位にチート過ぎる攻撃。
……しかし此方のパーティの面々も中々な人々が揃っている。
そんなチート級の攻撃に対し、各々の被害を最小限に留め尚且つ回復役のジャッジさんが効率よく皆の回復に努めている。
いまの私はきっと無駄の無い無駄な動きをしているかも知れない。
さてどうしよう。もう少し見ていようかしら。
とか考えていたらマンティスこと忍者大カマキリの羽根がブレた。
空中で。
そんな動きを見て一体何枚の羽根を持っているんだろう? とか考えてしまった。
その羽根は小刻みに動きその動きにより音が、ヴヴヴヴという羽根が擦れるおとがドンドンと大きく響く。
そんな音が一定のリズムで響いた後にやがて音は…………止まった。
あれれ、止まっていない?
何処かで鳴っている音。
あれ? まだ鳴っているんだ、音。
忍者大カマキリの羽根を見ると動きを止めている。
しかし耳元の音は鳴り止まない。
そして――――――――私の世界がグラついた。
あれ…………あれれ。地面がグニャる……うわ。立ってらんない。
危な。揺れる。地震だ……酔いが凄い。
そんな状態の私は立っていられなくてへたり込んでしまった。
ペタンと……。
前方からは何時の間にか真空刃が大量に、あちこちに飛んできている。
あわわわ。
どっ、どうしよ……。考えが纏まらない私に影が被さった。
「気を付けろ……」
背中が語る。
その人はエクスパンドさんだった。彼は真空刃の攻撃を盾で防ぎきっている。
あの盾って不思議でね。
範囲を超えようとする攻撃も防いでいる時があるんだよね。
へんなの。
私はふらつきながらそんな事を考えていた。
多分、コレが三半規管を乱すという攻撃なのかしら。
もうぐわんぐわん。
駄目だこれ、そんな時、「目を閉じろ」と声が聞こえた。
他の人は…………大丈夫そう。
よし、10秒だけ……目を閉じよう。
1、私の世界は暗くなった。
2、音が聞こえる。攻撃する音とか弾く音とか。音がうるさい。
3、微かだけど羽根の音が聞こえる。
4、まだ目が回る。
5、私は呼吸をしている。
6、息をして、血が通っている。私は生きている。
7、手は握れる。地面もある。
8、足は地に着いている。もう大丈夫。
9、私の世界は正常に戻った。うん、いける。
10っ。目を開くと先程と同じ、エクスパンドさんの大きい背中が見えた。彼は膝を付いている。しかしその先にサマーさんが見えた。
勢いのある素早いジャンプ。
そして敵、マンティスの首筋へ綺麗に剣を貫いていた。
――――遠目から見えた彼女の顔には鬼が宿っている様な。
鬼気迫るというか、笑っているというか。楽しんでいた。
そのまま敵を首筋から地面へと倒している。
戦闘は終了した。




