転移した=人間を襲う?
~翌日の朝~
準備オーケー。
宿はすげー豪華で、魔法のギミックが沢山あった。
現実世界で言う冷蔵庫とかコンロみたいなもの。
お湯を沸かして、黒い粉末を加えたらあっという間にコーヒーのようなものが出来上がったり。
冷蔵庫には酒もあった。
……飲みたかった(´・ω・`)
「おはようフェルマー」
宿の外には既にマイルが来ていた。
「遅くなってごめん。向かおう」
マイルと仕事をするのは孤児院振りだ。
でも、決闘での戦いぶりでかなり色んな事をやって来たんだろうなって思う。
「フェルマーは傭兵ギルドでどんな事をしてるの?」
「貴族の護衛とか、簡単なクエストを冒険者と一緒にしたりとか……かな?」
色々突っ込みどころが多かったのは見栄を張りたいから伏せとく(´・ω・`)
「へー、凄いね! 僕は基本的に町の魔法設備の修復とか、そう言うのが多いよ」
あー……。
確かにあれだけ規模が大きいと色々大変そうだ。
研究者と工事作業員が合わさったみたいな職業なんだなぁ。
「でも、他の町もシェラみたいにすれば良いのにって思うくらいに凄いよね」
「あはは。それは無理だよ。あれはMr.ヴォルセブが作った永久魔法機関があるからだもん」
「永久?」
「魔力によって発生したものを使って魔力を生み出して、それを繰り返して少しずつ魔力を増幅させるって技法があるみたいなんだけど、僕はまだ分からないんだよね」
……すげーな。
魔力切れが起こらないって事なのかな?
その魔力があらゆるエネルギーになって、しかもそれが枯渇しない。
夢みたいな町だな。
「でも、完全じゃないみたいでさ。たまにどこかが壊れちゃったりするから、それを僕らが直して、また魔力を入れてあげるんだ」
「凄い設備を考えるもんだね……Mr.ヴォルセブは」
シェラの凄さに驚いてる内に、例の場所に到着。
Mr.ヴォルセブが言ってた洞窟。
マイルは通行石を取り出し、封印が解除。
ランタンにファイアを灯し、中に入る。
入り口は幅2m、高さが3m……ってとこだろう。
モンスターの気配を探りながら慎重に。
「僕がシェラに来るちょっと前に、ここからオーガロードが出たらしいんだ」
やっぱりおかしい。
洞窟の高さ的に言って、物理的にオーガロードが出て来れない。
やっぱり何かしてる人がいるんだな。
広い場所に出る。
モンスターは……ゴーストくらいしかいないみたいだ。
だけど俺達を見て隠れてしまう。
意外と可愛いモンスターもいるんだな。
って殲滅されたなら人間を怖いと感じても無理ないか。
「何か見つかれば良いんだけど……」
「痕跡……かぁ」
例えば何だ?
転移の痕跡なんて見つかるか?
転移の魔法は多分上位魔法。
って事は詠唱が必須。
そんな痕跡、アユムが目撃してない限り証拠として成り立たないよな?
……うーん。
とりあえずモンスターが危害を加えなさそうなのを確認し、マイルと2手に分かれて色々探して回る。
魔法攻撃による穴がいくつもあるのは、ここでモンスターを殲滅した時のものだろう。
近くを通りかかると、こっちをのぞき込むように見てたゴーストが再び隠れる。
襲って来ない限り、危害は加えない。
……ん?
立ち止まる。
ちょっと待てよ?
オーガロードが転移によって地上に出たと仮定するのは良い。
さっきのゴーストは別に俺達を襲ってはこなかった。
モンスターがおびえる事もある。
だから地上に出た=人や町を襲うって言うのは必ずしもそうだっては言えないんじゃないか?
って事は。
転移させられる前に何かをされてるんじゃないか?




