僅かな違和感
……試されてるような感覚。
そう言えばエイリスから貰った紙には店の名前だけが書いてあるだけだった。
って事はそうか。
もしかして俺がどうやってここに辿り着いたかを聞いてるのか?
「傭兵ギルドの副長から、魔法ギルドはその存在を誰も知らないって話を聞いてました。最初は大通りを探してましたけど、それを思い出してちょっとした裏通りに入って探したらたまたま見つけたって感じです」
「ほう……」
「ヴォルセブの予想より早く見つけられたのは偶然ですね(;^ω^)」
「いえ。そうでは無いですよ」
「はい?」
「大通りを歩いて違和感を感じ、すぐに裏通りに入るとつくような場所にあるので。そして最速であればもっと遅くここに入って来たはずと。私はそう予想していました」
「どゆ事ですかね(;^ω^)」
「予想以上の早さで来た事に思考の素直さ、深さ。そして大胆さを持ってる事が分かりました。それに、油断をせずに決闘で見せたサンダーを纏って来たのかとたった今思いましたがいかがでしょう?」
「……」
何だこの良く分からない頭脳戦。
「さて。フェルマー君の能力の高さが分かったので、そろそろ本題に入りましょう」
ヴォルセブは空になったカップを下げると同時にカップが宙を舞い、食器棚に収まる。
そして壁に触れるヴォルセブ。
壁が無くなり、地下への階段が見える。
……こんな風になってるのか。
これが魔法ギルドか。
「さあ。ここからの話はこちらで」
地下へ促すヴォルセブ。
「後、お願いで恐縮なのですが、ここをくぐってからはMr.ヴォルセブと読んで頂ければ」
「分かりました。Mr.ヴォルセブ」
地下への階段は薄暗く、ところどころにランタンがあるだけ。
秘密基地って印象。
「こちらにある魔法書は私がここに入れた事のある者に限り、自由に閲覧が可能になってます。なのでフェルマー君ももういつでもここに来て閲覧が出来ますので」
「あ、ありがとうございます?」
長い階段を降り、広い場所に出る。
うっわ……。
「こちらがシェラの魔法ギルド。その研究所です」
本の量が尋常じゃない。
魔法書ってこんなに必要!?
ってレベルの量あるんですけど。
研究所って言うか図書館やん。
「話は私の部屋で。こちらです」
「そう言えば、マイルは今いるんですか? Mr.ヴォルセブ」
「マイル君には別途仕事をお願いしています。フェルマー君の依頼にも関わる事なので。詳しい事はそこでお話しましょう。話の途中で戻って来ると思いますので」
「なるほど……」
この人、何か怖いな(´・ω・`)
全てを見透かされてる感が半端無い。
Mr.ヴォルセブの部屋には本が1冊も置いてなかった。
代わりに魔法グッズっぽいのが目茶目茶置いてある。
正直使用用途が分からないものだらけだ。
Mr.ヴォルセブは漏斗のようなものに葉っぱを入れる。
すると漏斗が光り、カップに液体が注がれる。
「どうぞ」
今度は紅茶っぽいものを出される。
「フェルマー君はオーガロードと2度戦っていますね? 地上と洞窟で」
「1回目はステラに倒して貰いましたけど、まぁ、そうですね」
世界で不穏な動きがあるのは事実。
だからギルド長がこうして動いてるのを実感する。
「何かおかしな点はありませんでしたか?」
「おかしな点?」
「何でも良い。どんな細かい事でも」
何かあったか?
1回目は孤児院を襲って来た。
この時は正直それどころじゃなかったんだよね。
んで、2回目は冒険者と一緒に行った討伐クエスト。
オーガロードの出所と推測された場所がクエスト依頼としてギルドから出た。
それを受けて行ったら狭い洞窟の最奥の開けた場所に、本当にオーガロードいて、そして戦った。
……ん?




