そして束の間の日常へ
観客からのどよめき。
そりゃそうだろう。
トーナメント進出者は8名なんだから。
「4勝の中から皆様の投票で決める形となります! ですが、その中の決闘で唯一勝者が出なかった決闘があります!」
観客からの『おおー』の声。
もしかして……。
「そうです! マイル選手VSルサルカ選手の決闘で、引き分けとなった両者! あの決闘に異論を唱える方はいらっしゃいますでしょうか!?」
観客の拍手が物凄い事になってる。
盛り上げうめーな……。
「異論は無し! よってマイル選手、ルサルカ選手が決勝トーナメントに進出となります!」
うおおお!
俺はここに来てるだろう人物を探す。
その人物は最前列にいた。
走って行き、5mはあろうかって壁を飛び越え、握手する。
「やったねマイル!」
やっぱりマイルは泣いていた。
「うん! おまけみたいだけど嬉しいよそれでも!」
「おめでとう。マイル君」
「ありがとうございます! Mr.ヴォルセブ!」
ヴォルセブと呼ばれた紳士は、マイルの肩に手を置く。
「そしてフェルマー君。君もおめでとう」
「あ、ありがとう、ございます」
『キーングオブレーン』コールが鳴りやまぬ中。
この人がマイルの師匠……。
そしてエイリスやステラが言ってた魔術師……。
「いずれどこかでお会い出来たら。さ、マイル君。行きましょう」
「またね。フェルマー」
ヴォルセブの後を追い、マイルは帰って行った。
「さあトーナメントは1か月後! 皆さん長期に渡ってありがとうございました! この間、選手がどう言った進化を遂げるのか! 楽しみにしててください!」
観客の温かい拍手に包まれ、予選は終了となった。
~翌日~
散々騒ぎ、気持ち良く寝てたらエイリスに蹴り起こされ、町の入り口前にいる。
先程ステラと別れ、ラズリに帰って来た。
久し振りだなぁ……。
門をくぐり、のどかな町中に懐かしさを感じながら歩いて行く。
生誕祭もすっかり終わったって感じだ。
デュエロス・パートルが華やかな舞台だったんだなとしみじみ思う。
「明日から、また傭兵としての仕事と訓練に励みやがりなさい!」
傭兵ギルドに着くなり、エイリスは仕事があるからとどこかへ行ってしまう。
「では、私もここらで」
傭兵ギルドのトップが、わざわざ俺のサポートをしてくれた事に感謝。
決勝トーナメントまでに、またアユムから情報を聞くだろうけど。
荷物を部屋に置き、俺は訓練場に向かう。
傭兵の皆が練習してるのが見える。
「フェルマーじゃねーか」
振り返ると、荷物を持ったアグリスがいた。
「戻りました」
「で、デュエロス・パートル、どうだったんだ?」
「お。帰って来たなフェルマー」
「サナル! さっき帰って来ました」
あっという間に傭兵仲間に囲まれる。
俺からの言葉を待ってる様子。
無駄に緊張するな(;^ω^)
「トーナメント出場、決めて来ました!」
おおーの声と同時に俺はあっという間に担がれ、胴上げされる。
展開が速い速い速い(;^ω^)
「やりやがったなこん畜生!」
「おめでとう!」
胴上げは俺が降ろして(;^ω^)って言うまで続いた。




