チート魔法その6 自分ルールII
~アユムの視点~
「あーっとフェルマー選手! 今度はもろに腹に一撃! 押してるのはフェルマー選手なのに攻撃を受け流しながら的確にダメージを与えているのはレーグル選手だー!」
「フェルマーのあの攻撃を受け切るとは……それに何か背後から攻撃が……」
「なーにしやがってるのフェルマー(# ゜Д゜)」
ぶち切れてるエイリスがステラに掴みかかろうとするも、ステラはエイリスの両手を掴んでガードしてるのが面白い。
「あの攻撃は一体……」
「壁に弾が刺さってやがるわ。あれを使いやがったみたいでやがるわね」
「え?」
「え? じゃないでやがるわ(# ゜Д゜)」
「弾の反射……ですか? あんなところを狙うなんて、出来るんですか?」
「まさか……」
強い。
アユムは素直にそう思った。
でも。
だからこそフェルマーに勝って欲しい。
あの少年がどんな戦い方でこの状況を切り抜けるのか。
分からない。
さっきの肩に当たった攻撃は何だ?
動きながら後ろを振り返る。
誰かがいる様子は無い。
すかさずレーグルは発砲してくる。
避けながら距離を取る。
後ろからまた銃弾が俺のこめかみの傍を通り過ぎる。
……まただ。
後ろを見る。
フィールドの壁に埋まった銃弾がわずかに見える。
……まさかあれを狙って?
跳弾ってやつか?
壁にめり込んだ弾を利用して?
撃った弾と同じサイズの弾に当てる?
とんでもない精密射撃。
再びの発砲を今度は横に大きく避ける。
でもさっきの攻撃の正体は分かった。
それなら。
距離を詰め、レーグルの発砲を避ける。
左ストレートのフェイントからすかさず後ろに回り込む。
右のハイキックをレーグルの頬に当てる。
跳弾で来るなら後ろに回り込むだけ。
跳弾が狙い通りレーグルの左肩を掠め、ダメージを受ける。
レーグルの振り向き様、すかさず距離を詰め、今度は飛び膝のフェイントからのタックルを取りに行く。
~アユムの視点~
「おおーっとフェルマー選手が今度はレーグル選手を倒しにかかった! 実に多彩な攻めを展開するフェルマー選手!」
「さあ決めやがりなさいフェルマー(# ゜Д゜)」
「暴れるのを止めなさいあなたは(# ゜Д゜)」
「武器を取れさえすれば……」
アユムは無意識の内に拳を握り、決闘を食い入るように見ていた。
テイクダウンが決まり、レーグルを寝かす事に成功。
左足でレーグルの右手を抑え、パウンドに持ち込む。
両手のパウンドを片手だけでガードは出来ない。
レーグルが俺の左足から右手を外す。
その瞬間にパウンドを止め、レーグルの右手を取りに行く。
取ったと同時に両足で素早く右手を挟み、レーグルの腕を伸ばしに行く。
いわゆる腕ひしぎ逆十字固めでレーグルの肘、手首を固める。
完全に決まった状態だ。
「ストーップ!」
レーグルのタップ前に審判からストップがかかる。
「決まったー! 何と言う展開だ! 下馬評をことごとく覆し完全勝利をもぎ取ったーキングオブレーン! 勝者ノーザン・フェルマー!」
「おっしゃーーーー(# ゜Д゜)」
「キングオブレーン! キングオブレーン! キングオブレーン!」
観客の大歓声の中、俺は耳栓を地面に投げつけ、絶叫した。
「なるほど……道理で効かなかったわけか……」
落ちた耳栓を見て、納得したように呟くレーグル。
「やりやがったわ(゜▽゜)」
「何でこっぢまでぎでぐびじめるの(;´Д`)」
「この相手にも勝ちましたか……」
一通り手を振り終え、起き上がったレーグルに礼をしながら手を差し出す。
レーグルはその手をしっかりと握り返して来た。
「最後まで気付けなかったこちらの負けだ」
「いえ、あの跳弾はヤバかったです……」
「トーナメントでまた会おう」
「はい!」
観客からの拍手の渦。
「全勝同士の素晴らしい予選ラスト! さあ、決勝トーナメント進出を決めたのが現在なーんと6名!」




