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チート魔法の攻略法~俺は異世界でも事前準備で無双する~  作者: 広田香保里
1章~デュエロス・パートル編~
8/175

少女を救って異世界へ

こんばんは。

時間が結構空きましたが異世界での第2弾(第3弾)の投稿開始です。

毎週火曜日~木曜日に2回分投稿予定です。

時間は0時以降予定。


宜しくお願い致します!

 救急車の中。

酸素マスクを付けられ、意識不明の重体となった格闘家がいた。


松山直人その人である。



「松山さん、聞こえますか?」



隊員の言葉も、今は松山には届いてはいなかった。


松山は翌日にタイトルマッチを控える総合格闘家だ。


きつい減量を終え、試合に備えていた。


そんな中でさえ、トラックに跳ねられそうな女の子を助けるような心優しい青年でもある。


女の子を助けたまでは良かった。

だが、倒れたトラックの下敷きになってしまった。



 「松山さんが助けて下さった女の子は無傷でしたよ! だから松山さんも頑張りましょう!」



 隊員の懸命な呼びかけ。


ピー。


無情な音が鳴り響く。



「くそ! 今から心肺蘇生に入る!」



 車内がより緊迫した。







 ……んん……。


ゆっくりと目を開ける。


見慣れない木製の天井だった。


いつの間にか寝てしまったのかと、前の事を思い出す。


そう言えば女の子を助けようとして、トラックが倒れてそれから……。


あの子、無事だったかなぁ……。



「ってそうじゃねえ!」



ガバっと起き上がる。


試合! タイトルマッチ! 念願のメインイベント!


毛布を跳ね除け、着替えのために……。


違和感に気付く。


病院じゃない……。


それどころか自分の家ですらなかった。


いやケガしてんのに自分の家にいるわけ……ってそうじゃねえ!


ここ、どこ?


挙動不審者のようにおどおどし、カーテンがある事に今更気付く。


もしかしたら誘拐などと訳の分からない事を考える。


そうだったら犯人に蹴りを入れてそれから……。


まあ、犯人には悪いけど格闘家をこうして誘拐したんだ。


どうなっても知らないよって事を知って貰おう。


と最悪のケースを想定しながらカーテンを開ける。


そこには……。



広大な森。


湖? 海?


どっちか分からないけどでっかい水溜り。


とりあえずここは2階らしい。


って何か見た事無い鳥が飛んでる!?



都会で見慣れたビルや道路。


何てものは何一つ無く。


……いやいや何だこれおかしいだろ。


試合が決まった時の対戦相手を見るように、考察する。


姑息にも強かに勝ってきた俺だ。


まずは現状を知る事が大事。


両頬を叩くけど痛いだけだった。


夢……だったら良かったのになぁ。


コンコン。


急な音に意味も無くビビる。



「フェルマー? 起きているのですか?」



 フェルマー?


誰?


無言でいると、静かに扉が開く。


ってか扉もでかいな……何mあるんだろうか。


入って来た人物は。


スラっとした金髪の髪。


顔は……結構美人だな。


胸元は寂しいけど、スタイルは良いだろう。



「……って身長でか!」



 このお姉さん、どんだけでかいの!


軽く2m超えてるんですけど!



「? どうかしたのですかフェルマー」



 ああ、さっき呼んでたフェルマーって俺の事……なの!?



「さ、顔を洗って来て下さい。今日は忙しくなりますよ。決して無理をせず……ね」



 お姉さんの心配そうな表情が気になった。


勿論洗面所の場所なんて分からないから適当にごまかして聞き出し、部屋を出る。


広い廊下に部屋がいくつもある。


何の施設かは分からないけど、他にも人はいるんだろう。


教えて貰った洗面所。


鏡を見……。


見た事もない弱そうなヒョロガキが映っていた。


ファンタジーでしか見ないようなよれた服。


……。


両手を上げてみる。


鏡の中の人物は、見事にそれを返してみせる。


お姉さんがでかかったんじゃなく、俺が小さかったのか。


……ハハハ。


渇いた笑いしか出なかった。


夢に見たベルトが、頭の中からガラガラと崩れていくのが分かった。



俺、松山直人は。


異世界の別の誰かに転生してしまったらしい。

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