決闘前ルーティーン
~デュエロス・パートル最終戦2日目当日~
ふぁーあ……。
大きく欠伸をし、起き上がりながら伸びをする。
トイレを済ませ、室内で軽く体を動かす。
サナルとの戦いの時に、前日寝ないで2日分寝るようにしてから当日の調子が良い。
朝食を取ってから着替える。
そして昨日のうちに洗っておいたバンテージ。
マイル、本当にありがとう。
感謝を忘れず、包帯に触れる。
包帯が光り、あっという間に手に巻かれた状態になる。
モノマキアに向かう。
「フェルマー! ぶったおせー!」
「応援してます!」
「キーングオブレーン!」
「フェルマーさん頑張って下さーい!」
モノマキアに向かう途中に人だかりが出来てる。
少しずつ多くなってるのは分かったけど、こんな量になってるのは驚きだ。
「声援に応えてやりなさい」
合流したエイリスに促されるように、俺は両手を上げて応える。
「頑張れよー!」
「キャーかわいー!」
かわいいは止めて(;^ω^)
転生前は自分で言うのもなんだけどブサイクだったからむず痒い(´・ω・`)
そんな観客に紛れ、マイルの姿を見つける。
俺は何も言わず、マイルに向かって親指を立てる。
マイルも俺に親指を立て返して来る。
マイルとルサルカの決闘を思い出す。
あの決闘以上の感動と衝撃を。
モノマキアの会場は物凄い数の人。
20万人を収容できる建物。
エイリスが近付いて来る観客から俺を遠ざけてくれる。
選手用ゲートから入り、控室へ。
モノマキアに入るのが大体昼くらい。
この間、アユムには俺の分析のために朝から決闘を観戦して貰ってる。
ストレッチを行い、作戦を頭で反復させながらのシャドー。
そんな俺の様子をエイリスは静かに見てる。
「調子はどうでやがる?」
「ばっちりです」
決闘前にエイリスからアドバイスは基本的に無い。
でも、決闘前に散々教えて貰った俺自身の弱点。
それを頭で反芻する。
アップが終わり、両耳に耳栓をする。
そして両足にサンダー、両手にファイアを纏う。
自分に対する魔法は決闘前にかけてもルール違反にならない。
最初から全力で。
「さー! 予選もいよいよ最後となりました! 観客が望む決闘カード! 全勝同士の死闘間違い無し! 観客を湧きあがらせる戦い! キングオブレーン! ノーザン・フェルマー! 対するは最強の自己主張! モイメ・レーグルの戦いだー!」
解説、観客の声援が木霊する。
解説の声は多分魔法で拡声されてる状態だから聞こえるんだろう。
耳栓をしたところで歓声のでかさはさほど変わらない。
地震のような揺れさえ起きるこの声。
気持ちが上がる。
エイリスに背中を思い切り叩かれる。
聞こえないけど、多分『さあ! 勝って来やがりなさい(# ゜Д゜)』とか言われてるんだろう。
「っしゃー(# ゜Д゜)」
叫んで自分に喝を入れ、ゲートをくぐる。
ゲートによって両手足にかけた魔法が消える事は無かった。
「おおーっとフェルマー選手すでに本気モードだー! この選手は戦う前にも様々な策を考慮する! 流石キングオブレーン!」
「キングオブレーン! キーングオブレーン!」
両手を上げて応える。
正面から歩いて来るレーグル。
自分の身長ほどある鉈を持ってる。
やっぱりリーチの長いものを選んで来たか……。
こっちも対策して来た。
念のため、目線も合わせないようにし、口元だけを見るように。
やっぱり何か言ってる。
その声は聞こえない。
でも油断は禁物。
「さあ疑似決勝トーナメントと言っても過言ではない世紀の戦い!」
「デューーーーーーエロス!」
「「エローーーーーーース!!」」




