意外な才能開花
ってあれ?
フロイヤの居場所に変化が何も無い。
切りかかって来るフロイヤ。
後ろに回り込まないんだなぁ。
と思いながら試しにそのまま避けてみる。
あ、避けれた。
確かにフロイヤと両目を合わせてた。
だけど攻撃が避けれた……っぽい?
「てめー……」
「え?」
俺、普通にやっただけだよな?
七支刀で容赦の無い斬撃が横払いの形で来るけど、この速度なら余裕で距離で外せる。
……あれ?
フロイヤは俺に間違いなく魔法をかけて……る?
「てめー何で魂がねーんだよ(# ゜Д゜)」
「……はい?」
七支刀を投げ、俺に詰め寄って来るフロイヤ。
「てめーみたいなやつは初めてなんだよなぁ(# ゜Д゜)」
いくら目で俺を見ても何も変化が無いのに業を煮やされた。
そう言えば俺はアユムの魔法もかからない。
フロイヤは魂って言ってたけど。
もしかして本物のフェルマーがいないから、俺に魂って概念が無いのか?
……これを言っても信用なんてされないだろうから何も言わない。
とりあえず、俺に精神攻撃が効かないらしい事が分かって素直に嬉しい。
……魔法じゃないけど(´・ω・`)
だから決闘の時に片目でフロイヤと目を合わせても何も無かったのか。
ってか、対策しなくてもふつーに戦えば良かったんじゃね?
って言うのは置いておく。
……置いておく(´・ω・`)
「トーナメントまでにてめーの技、全部盗むしかねえな」
「いや、今日以外はフロイヤとやりたくないんですけど……」
「あと1回だけお願いします(# ゜Д゜)」
「だから何で切れてるの!?」
自分の強みが分かったところで、フロイヤとのトレーニングを再開した。
~次の日~
俺はアユムに、マインドネットについて聞いてみる事にした。
フロイヤの魔法が効かなかった事を踏まえて、俺が思ってる事が正しいかどうかを確かめるためだ。
「……なるほど」
「フロイヤは俺の事を魂が無いって言ってました。もしアユムの魔法も俺の魂が関わってるなら自分のこのおかしな耐性も少しは分かるかなと」
「確かにそうです。フェルマー。あなたは空っぽでした。だから私も最初はかなり驚きました」
「なら、やっぱり俺に精神を操ったりする魔法は通じないって考えて良さそうですね」
アユムの記憶だけを共有できる理由は分からないけど、そこはおいおい考えよう。
「そうじゃないです」
「ん?」
「魂が空っぽの人間なんていると思いますか?」
「……」
「君は何者なんですか?」
「って言われても……」
答えに困る。
俺が別の世界から転生して来て本物のノーザン・フェルマーの魂が無いから魔法が効かないんです。
なんて言っても信じて貰えないし。
「記憶が無いから、かもしれませんね」
「記憶……ですか?」
「俺、虐待されてた時の記憶が無いんで。体は覚えちゃってるんですけど。ははは」
「……その話を深く掘り下げて聞こうとは思いませんが」
「まあだから、アユムの記憶を引き継げるじゃないですか。俺の記憶が無いからかもしれません」
「確かにそれは可能性としてあるかもしれませんね」
思いつくまま適当に言ったけど何とかなるもんだな……。
嘘をつくのは心苦しいけど、仕方無い。
とりあえず!
俺は!
精神耐性を!
手に入れた!




