現実離れの練習
~翌日~
アユムの宿泊部屋。
今日は何も無い為、昼過ぎまで寝ていた。
「いたた……」
二日酔いの吐き気、頭痛と共にアユムは目を覚ます。
水を飲み、一息つく。
「アユムー! いやがるわよね(# ゜Д゜)」
現実世界で言う借金取りのノリでエイリスが扉をガンガン叩く。
「罪人に詰め寄るテンションで朝っぱらから止めて貰えませんか(# ゜Д゜)」
「入ってやるわ!」
人の話を聞かず、エイリスはアユムの部屋に上がり込む。
「ノーザン・フェルマーの調査はどんな感じでやがるかしら?」
「……魔法も習得出来た。祭典の2戦において何も特別な現象は起こっていません」
「と言う事は、上級魔法によるものでは無いと断言しやがって良いと言う事ね」
「ええ……」
「引き続き調査をしやがりなさい」
嵐が過ぎ去っていった。
……。
事実は事実だったが、調査を全くしていなかったとは言えなかった。
いつの間にか頭の片隅に追いやられていた。
とりあえず上級魔法による無効化ではない。
フェルマーは自分の持ってる力と知識、知恵だけで祭典を勝ち進んでいるのだ。
普通だったら格闘技術とただの基礎魔法だけで勝つなんて事は不可能。
いとも簡単……とは行かないまでも、確かな勝ちを手にしている。
……二日酔いが戻ったら考えよう。
アユムは再び水を飲んだ。
ふぁーーーーあ。
ねっむ……。
テンションがおかしくなり、朝まで飲んでた。
勿論酒は飲んでないけど。
大きく伸びをし、カーテンを開ける。
外はあいにくの雨だった。
だけど人だかりが無いって事は無く。
色んな色の傘をさして町を歩いてる姿が見える。
この世界にも傘ってあるんだな。
傘の歴史なんて知らんけど意外だ。
飯食ったらトレーニングするか。
こう言う時に地下にトレーニング施設があるのは凄いな。
雨漏りするかな?
なんて心配は無用だった。
昨日のマイルとの試合を振り返る。
昨日の試合、マイルは俺の視界を終始遮る形で主導権を俺に握らせないように戦ってた。
視界が良好な状態で試合が出来ないケースは想定した方が良いだろうな。
俺は持って来たタオルで視界を塞ぐ。
その状態でシャドーから。
最初は何も無い状態で。
その間に反省をする。
一番の反省材料は。
分析が役に立ってない事だ。
勿論役に立った部分はある。
マイルの霧の対策とか。
想像力がまだ現実離れできてないんだろうなぁこれは。
決闘中、足とか手を怪我するのは良くあるけど。
視界が無い状態で戦うって流血して目に入るって状態くらいじゃないとあり得ないし。
俺はそんな状態に陥った事が無かった。
ただそんな中でも決闘中の対応力は悪くない。
最低限の事前準備が出来てるからだろう。
今度は魔法で動く人形を持ってくる。
魔力を入れると動くらしい。
おお、本当に動いた。
魔法の力ってすげーな。
俺はタオルを巻き直し、人形の攻撃を避けるのに専念する。
この状況で攻撃を避けるにはどうしたら良いか考える。
足音のリズム。
目が使えないなら耳だな。
タイミングを見て上半身を逸らす。
頬の辺りを掠める感触。
お、ちょっと避けれたっぽい。
後、触覚も割と使えそう。
武器とかが触れた瞬間に避け……るのはきついかも。
あ、でもこれならどうだ?
俺は足にサンダーを纏う。
肩に感触が来た瞬間。
俺は距離を取る。
おーこれは使えなくは無さそうかもしれないな。
通常状態なら避けれない事もあるけど、この状態ならスピードが目茶目茶上がってるから避けるのも出来るかもしれない。
腕に触れる感触。
横に避ける。
おお、何とかこの速度なら避けれるな。
こんな感じのトレーニングを重点的にやって行く。
反省点を練習するのは良い事のはず!




