チート魔法その3 友の合成魔法ⅠⅠⅠ
アルテマっぽい。
これがマイルの全力か。
くらったらひとたまりも無いな……。
でも。
俺は立ち上がる。
両足にサンダーをかけ直す。
あれは多分俺が使える魔法じゃ防げなさそうだ。
打撃で……何とかなる訳が無い。
マイルが魔法を俺に向かって放つ。
速度は遅い。
だけど大きさがそもそも半端じゃない大きさ。
打撃でも魔法でも防げないし回避も出来なそう。
なら。
でも一か八かだ。
俺は逆にマイルへの距離を詰める。
球体が光に包まれ、大きな爆発があがった。
観客席は騒然としていた。
「あなたとマギア以外に使える人物がいたとは……。 しかもあの年齢で」
頭が追い付かな過ぎて、安っぽい言葉しか出て来ない。
しかし、ステラの目の前で起こってるのは紛れもない現実。
「じじいの名前を出すのは止めやがりなさい(# ゜Д゜)」
「そんな事を言ってる場合ではありません。こ、これは流石に……」
「今年の祭典はとんでもない才能を持った奴らの集まりでやがるわね」
マイルが圧倒して倒した傭兵ぐらいがせいぜいトーナメントに上がって来るレベルだった。
今年の祭典のレベルの高さにアユムはわずかな疑問を持ったが、現状に全てかき消される。
フェルマーは無事なのか。
爆発前の閃光は助かった。
マイルの位置を影で再度補足できた。
で、あの閃光の中、動く俺に銃で照準は定められない。
尚且つ魔力もあと1回って言うのがホントなら、タックルは仕掛けられそう。
タックルの条件は整ってた。
疲れ切ってる相手にタックルは効果的。
それにもう1つ。
魔法を避けられなさそうだから、バックチョークでマイルの動きを止めつつ、合成魔法の盾にしようと考えた。
打撃も魔法もダメならタックル。
視界が完全じゃない中、こんなタックル取りに行くなんてやった事無いけど一か八かだこんなもん!
って感じで爆発と同時に両脇がマイルに刺さり、タックルに成功。
爆風が来る前にマイルを倒し、後ろのポジションを取ってバックチョークを極める。
「そ、そんな!」
マイルは俺が逆に向かって来た事を今把握したみたいだけど、腕が首に完全に入った状態だともう遅い。
逃れようとするけど、魔法がもう使えないなら無理だ。
両足を腰に巻き付けるついでに、マイルの左手も巻き込んだ。
銃を使わせない為に。
視界が良好になるのと同時に、マイルが俺の腕をタップした。
「そこまでー!」
審判が手をあげ、俺は両手を離す。
「決闘終了! 魔法と打撃の繰り返される打ち合い! 呼応する拳と魔法! 近接と遠距離の攻防! その中で攻撃を受け流し勝利したのはノーザン・フェルマー!」
でかい歓声が上がる。
はぁ……はぁ……。
「やりやがってくれたわねフェルマー(゜∀゜)」
起き上がり、マイルを見る。
「ありがとう。マイル」
マイルは笑顔で泣いていた。
貰い泣きしそうになるのを何とか堪える。
「勝てなかったね。フェルマーに」
「いや、目茶目茶強かったよ。マイル」
「ありがとう!」
マイルを起こし、がっちりと抱き合う。
「僕も諦めないで頑張るから、また宜しくね!」
「うん! 俺も必ずトーナメントに出るよ!」
「両雄、互いを称え合うかの如く抱擁を交わす! 勝手知ったる同門同士の何と熱い最後でしょうか! しかも忘れてましたがこれは本日の初戦だ! 今後の戦いも見逃せないぞこれは!」
俺達は立ち上がり、見てくれた観客全てに礼をした。




