チート魔法その3 友の合成魔法Ⅰ
~試合当日~
睡眠十分。
1試合目の出番だから朝早い。
疲れは昨日1日で完全に取った。
控室でのアップを、エイリスとアユムが静かに見守る。
初戦だから今日はアユムも付き添ってる。
「ふぅ。 ……よし」
両拳を合わせる。
「さあ、間もなく2戦目となる本日! 最初の試合は何と何と最年少同士の傭兵と魔法使いによるバトル! 両者とも1戦目は勝利を! 優勝候補撃破か! 或いは圧倒的勝利か! どちらも目が離せない!」
実況がすげー湧いてんなぁ。
良い感じに盛り上がってる。
「行って来やがりなさい!」
背中をぶっ叩くエイリス。
「しゃー行くぞコラー(# ゜Д゜)」
ゲートをくぐり、フィールドを歩いて行く。
観客が沸き上がる中、マイルは目線を俺から一切逸らさず、来る。
決闘カードが発表された時と同じ、フード付きのマントを羽織っていた。
俺は迷う事無くマイルの近くまで行き、拳を突き出す。
マイルもそれに応え、拳を合わせ、5mほどの距離に向き直る。
観客が拍手を送る。
「両雄、拳を合わせいざ戦闘態勢へ! 実はこの2人、同じ孤児院出身と言う事で同門対決でもあります! さあこれはますます目が離せません!」
「デュー・エロス!」
「「エロース!」」
試合開始の合図と同時に、マイルはアクアとファイアを同時に放つ。
足にサンダーを纏い、距離を取ると同時に霧が発生する。
霧は凄いスピードで俺を追尾してくるけど、俺のスピードには追い付けてない。
そのままマイルに突っ込んで行き、左ストレートからの右ハイキックを放つ。
手応えがあるかと思いきやハイキックはマントを巻き込むだけだった。
なるほど。
1回限りの防御の役割だったって事か。
距離を取りながら、マイルの腰回りを確認する。
うわ……。
あれって銃か?
マジか。
すかさずマイルは左手に銃を構え、発砲。
弾は幸いにも避けれるスピードだったから良かったものの、間髪入れずにサンダーによる追撃が来る。
更に追尾してくる霧。
動きがかなり制限されるな。
「これは意外な展開だ! マイル選手が押し込む展開になっている!」
「いやらしい攻め方でやがるわね」
「霧はかわせても銃での遠距離攻撃がありますね……」
「ですがマイルの攻撃を足へ付加した魔法による信じられないスピードでかわしていますね」
ステラは笑顔だった。
孤児院から出た2人の成長を見れて。
例えどちらかが負けてしまう事になったとしても。
1回戦目でどれだけ全力を出してなかったかが分かる。
しかも、霧に誘い込むように位置取り、攻撃を仕掛けて来てるのが相手ながらうまい。
でも、それなら。
俺は敢えて霧の中に入り込む。
~マイルの視点~
「……?」
わざと入ったように見えたのは気のせいだろうか。
マイルはそう考えたが、狙い通りの誘導だ。
ここから最も速度の速いサンダーを連続で打ち込む。
そう思った矢先。
フェルマーは霧を抜け、正面から突っ込んで来た。
銃を撃つのが間に合わず、マイルはフェルマーの右ストレートを銃で受け止めるも、銃ごと吹き飛ばされる形になる。
霧を自分の攻撃に利用されるのは予想外だった。
しかも、銃で受け止めたはずなのに、受け止めた左手が痺れてる。
何て重さの攻撃だ。
マイルは思った。
やっぱりフェルマーは強い。
尊敬してるからこそ全力で倒したいと。




