必要躊躇
「こんな事になるとは……」
「いや、放置するのもあれじゃないですか」
最後にちょっとトレーニングと思っけど、アユムがへたり込んで全く動けなくなったからおんぶして宿泊施設に帰る事にした。
「年下に担がれるなんて屈辱でしか無いですね」
「落としますよあんた(# ゜Д゜)」
「冗談です」
「冗談で言って無いでしょ(;^ω^)」
「そんな事……な、無いです」
ドサッ。
「すみません嘘です運んで下さい( ノД`)」
全く……。
まあでも、毎日のように魔力が枯渇するまで模擬戦に付き合って貰ってた。
連日そんな事をしたらこうなるのも無理は無いだろうな。
こんな状態になるのを分かってて利用しなさいとか言うんだもんな。
本当にお人好し過ぎる。
「ありがとうございます」
「お礼を言われるような事では無いです」
「戦うのを躊躇ってられないですよね」
アユムは俺を小突く。
「何ですか(;^ω^)」
「躊躇って良いんです。マイル君は友達ですよね」
「そうですけど……」
それとこれとは話が別でしょ。
いざ決闘になって相手に情けをかければ自分がやられる。
「非情になる事が良い事とは限らないでしょう」
「でも、良くは無いじゃないですか」
「フェルマーを見ていると、仲間を躊躇なく傷つけられる人間が強くなれるとは思えません。感謝を忘れない。友達と戦う事を躊躇える。それがフェルマーを強くしているのでは無いんですか?」
……。
自分でそう思った事はある。
人からそう言われたのは生まれて初めてだ。
現実世界でこんな事言ったら叩かれる。
だから言えなかった……って言うのはあるかもしれない。
でも、俺は仲間を大切にしたかった。
いじめられてた分、友達も本当に少なかったから。
「しかし、躊躇っていたという事は今は違う。マイル君と話でもしましたか?」
「……分析しないでくれませんか(;^ω^)」
「君が普段からやっている事でしょう」
またアユムに小突かれた。
「吹っ切れたのであれば、戦いなさい。マイル君と会話して吹っ切れたと言う事は、宣戦布告みたいな事でもされましたか?」
「分析止めれって(;^ω^)」
「友達と互いに高め合える。良い事だと思いますよ」
ずり落ちそうになったからアユムをおぶり直す。
「良い所で止めなさい(# ゜Д゜)」
「殴らないでって! わざとじゃないから!」
でも、アユムの言う通りだな。
「ありがとうございます」
「では最後に、このまま宿泊施設までダッシュをしてフィジカルを鍛えましょう」
「落とすぞマジで(# ゜Д゜)」




