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チート魔法の攻略法~俺は異世界でも事前準備で無双する~  作者: 広田香保里
1章~デュエロス・パートル編~
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祝勝会は、俺にとっては拷問だ

 試合直後、お互いに立てなかった俺達は運ばれ、魔法によって回復される。


って言うか回復されたらって懸念を全くしてなかった……。


ヒールで回復なんてされたら確定で負けてた。



「お疲れでやがるわ!」



 エイリスとアユム、ステラが控室に入って来る。



「はは……。 あんまりかっこいい勝ちじゃなかったですけど」


「いいえ。相手は優勝候補です。間違い無く強かった。そんな相手に真っ向から勝負を挑み、勝てたのは非常に大きいですよ」


「それに、今回の戦いは想定と全く違う展開になっていました。エイリスは気が気ではなかったようですが」


「余計な事を言いやがるのは止めやがりなさい(# ゜Д゜)」


「意識飛びかけたんですから許して下さいね(# ゜Д゜)」



 はは。


ホント、勝てて良かった……。




~その夜~


 と言う訳でエイリスのテンションがおかしくなり、祝勝会を開くって言って聞かなかったから俺達は宿泊施設の酒場に来てる。


酒が飲めない俺を酒場に連れて来んな(# ゜Д゜)


そもそも酒場に行った事にブチギレてたのはエイリスじゃないか!


って言う俺の反論は全部シカトされた(´・ω・`)


ステラは用事があるからと来なかった。


また孤児院の事を聞きそびれちゃったなぁ。



「よーブレーン! 今日のエロスは痺れたぜ!」


「ここに泊まってたんですねぇ。応援しますようふふ」



 エロスって……。


デュエロス・パートルのエロスって何か悪意ありませんか?


こんな感じで酒場に来た他の観客に一通りもみくちゃにされる。


いや、すげーな。


盛り上がり方が尋常じゃないなぁと驚愕する。



「流石私が見込んでやっただけあるわね!」


「背中をバンバン叩かないで! 痛いですって!」


「ふふふ。私のサポートのお陰ですね( ^ω^)」



 俺がもみくちゃにされてる間にすっかり出来上がってるエイリスとアユム。


エイリスは口に加えて手がバイオレンスになる、想像通りの最悪に質の悪い酔っ払いに仕上がってる。


アユムは何故か自画自賛してる。


こっちがおとなしくなってくれてるのはある意味プラマイゼロだ。



「っていてーって(# ゜Д゜)」



 笑いながらバンバン叩かれる。


エンジン開き過ぎやん(;^ω^)



「フェルマー私を崇めなさい(*^-^*)」



 アユムは意味も分からず上目遣いの目を俺に向けて来る。


アユムは酒を飲んでるから明らかに年上(現実世界での年齢は多分俺の方が上だと思うけど)。


年上が上目遣いで見るの止めなさい!



「ちゃんとサポートしやがりなさいアユム!」


「してますがな(# ゜Д゜)」



 エイリスがアユムに絡んだ隙を見て抜け出す。


2人がべた褒めしてくれてるけど、素直に喜べる試合内容じゃなかった。


回復されてたら間違い無く負けてた。


1種の変身だろうか。


自分の強い部分で勝負し、同時に俺の長所を消して来る。


戦術的にも攻防一体だった。


それに普通にやったら観客にも被害が及ぶけど、審判の結界によって守られるのをルールとして把握してたっぽい。


俺には必要無いと無視してたけど……。


これだけでもルサルカの覚悟が伝わってる。



「シクシク……」



 ん?


夜も賑やかになってる町。


その道の隅っこでしくしく泣いてる女の子。


どうしたんだろうか。



「あの……大丈夫ですか?」



 振り返った女の子の顔を見て気まずくなる。


暗くて遠くからは良く見えなかったけど、近くで見ると青髪。


ルサルカだった。



「あ……」


「……どうも」



 どうしよう。


戦った後、お互いに動けない状態だったから決闘後に会うのは初めてだ。



「今日はありがとうございました」



 お礼を言う。


個人的には納得いく内容じゃなかったけど、だからこそ得るものが多かったのは事実だ。


それに気付かせてくれたルサルカにお礼を言わないといけないと思った。



「こちらこそ……ありがとうございました」



 慌てて涙を拭いて立ち上がり、俺と握手を交わしてくれるルサルカの器量に強さを感じる。



「あなたの覚悟が勝っていました。生意気な事を言ってしまってすみませんでした」


「い、いえ。目茶目茶強かったです。最後、回復されてたら確実に負けてました」


「あの姿になると、アクア以外の魔法が使えなくなるんです」



 あ、道理で……。


だから覚悟って表現してたのか。



「あの魔法で決め切るのがルサルカの覚悟だったんですね……」


「そんな事より! 何で超純水の中でサンダーが私に効いたんですか!」


「……へ?」


「……何ですか( ノД`)」


「あ、いや……。 血のせいですよ。ほら、海水は電気を通すじゃないですか。そんな感じです。後は多分汗とかも……」


「……(´・ω・`)」



 ただの可愛い生き物になってるやん。



「シクシク……完敗です」


「泣かんでください……負けても5勝すればとりあえずは良いんですから」


「今日は悔しいので泣きます。悔しさを切り替えたら強くなれない気がするので。明日から気持ちを切り替えます」



 そしてシクシクと静かに泣くルサルカ。


これ以上声をかけるのも躊躇われたのでルサルカと別れる。


確かに。


内容は良くないけど、勝った。


俺も今日くらいは喜んでも良いのかな?


明日から反省すれば良いやって。


負ける悔しさがあるから勝った時に嬉しい。


そう思うと、少しずつ顔が綻んでいくのが分かった。


声は出さず、空に向かって拳を上げた。

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