魔法習得
~その日の夕方~
通行石と引き換えにクエスト報酬を貰い、ジネカ、ウィルの依頼を果たす。
悪用を防ぐため、クエストをたとえクリアしても通行石を失くした場合、報酬が貰えない。
うまい具合に安全を考慮されてるなぁと思った。
別れる際にジネカたちから謝礼を結構貰ったから、悪くなかったのかな?
最後まで俺の名前は覚えてなかったっぽいけど(#^ω^)
オーガロードにリベンジして、得るものがまた出来た。
けど後1月しか無い。
普段のトレーニングは欠かさずやるとして。
俺はいつもの部屋を訪れる。
コンコン。
(# ゜Д゜)
扉を開けたアユムの表情。
「茶番は良いので、教えて貰いたい事があるんです。お願いします」
「茶番じゃねーよクソガキ(# ゜Д゜)」
「言葉遣い!」
ドアをバンっと開け放つアユム。
中にちゃっかり入り、静かに閉める。
「いつもすみません」
「なら来ないで貰いたいんですが(# ゜Д゜)」
「魔法を使えるようになる方法を知りたいんです。他の人で魔法を使う人を紹介して貰うだけでも!」
アユムはキレキレにキレてて埒が明かないから、手っ取り早く土下座する。
「お願いしますアユム! アユムしか頼れる人がいないんです!」
「……まあ良いでしょう。恥を覚悟で頭を下げる事は良い事です」
ちょっろ……。
「何か言いましたか(# ゜Д゜)」
「何も言ってないです!」
日に日に面倒になって来るなこのやり取り!
「魔法ってどうやって使えるようになるんですか?」
「基本は教わりましたか?」
「魔力は、精神力そのものである。詠唱を、魔法陣の形で省略する事が出来る。魔法は、複数の魔法を合成する事が出来る。上位魔法が存在し、上位魔法は詠唱でしか具現化する事は出来ない。こんな感じだって言うのは」
「なるほど。想像は教わっていないのですね」
「想像?」
「魔法は、簡単に言ってしまえば自分の魔力を糧として、想像したものを詠唱する事によって具現化する事です」
……そう言えば言ってたような言ってなかったような。
「聞き漏らしたんですね」
「すみません(´・ω・`)」
「ここは危ないですから、訓練場でやりましょう」
「良いんですか?」
「帰らないでしょどうせ(# ゜Д゜)」
ばれてた。
訓練場に移動し、アユムが俺に対峙する形で立つ。
「フェルマー。詠唱は分かりますか?」
「んー……。 聞いた事があるってくらいですね」
「なるほど。まずは想像をしてみてください。雷。氷。水。火。土。風。何でも良いです。フェルマーが思う魔法が何かを想像するところから始まります」
想像か……。
想像しやすいので考えてみる。
オーガロードを倒した時の魔法を想像する。
両足に雷を纏った姿。
目を閉じて頭の中でビジョン化する。
「出来ました。雷を想像しました」
「であれば、天の力よ集結せよ。全てを焼き尽くし給え。サンダー。と言ってみてください。それが詠唱です」
「天の力よ集結せよ。全てを焼き尽くし給え」
目を開き、手を合わせて詠唱する。
目を閉じたままだと実践で使えない。
最初にアユムと孤児院で模擬戦をやった時のアユムみたいになる。
手元がわずかに光る。
「サンダー」
両足がバチバチと鳴り、両足が黄色の閃光を纏う。
おお……。
「これが魔法……」
「イメージ出来たようですね。イメージが鮮明であればあるほど、そして使う魔力が大きければ大きいほど威力が上がります。しかし自分の」
試しにいつもの感じで動いてみる。
「な!?」
アユムの後ろを軽々取れたな。
スピードが飛躍的に上がるのと、スタンガンみたいな麻痺も与えられるのかな?
「自分の体に支援魔法以外を付与するなんて……と言おうとしたのですが……」
「武器に魔法をかける魔法剣ですかね? をステラがやってましたから。それに今日の冒険で実際にかけてもらったらスピードも目茶目茶速かったので。今度は自分で」
「ステラはかつて瞬神と呼ばれてましたから……。 そんな事する奴はフェルマー以外にいません」
あ、そうなの。
って事はステラの素の速さがあれなのか……。
やばいやん。
ってあれ?
「魔法剣の要領で自分に付加って誰もやってないんですか?」
「普通やらないでしょう……。 支援魔法で良いのでは?」
アユムが『何言ってんだこいつ?』って表情をしてるからこれ以上は自分で分析しよう……。
多分、自分の体に纏わせる事で、ダメージ以外に自分自身の能力を上げる役割もあるんだろう。
「ファイアとアイス、アクアも使えるようになりますか?」
「教えてください!」
「この4つは魔法の中でも基本中の基本ですから、覚えておいて損は無いかと」
「4つ?」
「? そうですが?」
ウィル、思いっきり勘違いしてるやん。
「さぁ。やりますよフェルマー」
「はい。デュエロス・パートル、優勝できるように頑張ります!」
すっかり日が落ち、良く見える星空を見て俺は言った。
関わってくれた人全員に恩返しするなら優勝するしか無いでしょ!
アユムも空を見上げる。
「そのために私を遠慮なく利用するのは根性が据わっていますね」
「やれる事があったのにやらないで後悔してたら恩返しできないじゃないですか。そうなるくらいなら生意気を取ります」
「ふふ」
珍しくアユムが笑う。
「何かおかしかったですか?」
「利用しなさい。私を」
「良いんですか?」
「素手しか使えなかった子がここまで来て、ここの傭兵ギルドで2番目に強いサナルを倒した。そのポテンシャルがどこから来てるのか見てみたい」
「ありがとうございます」
俺はアユムに礼をした。
「礼を言うのは早いです。早く残りの魔法を教えますよ。時間も時間です」
「微妙に協力拒んでませんか(;^ω^)」




