束の間の傭兵業務
「他に質問はありますか?」
文面がやっぱり気になる。
「この、他人からの支援魔法禁止って何でわざわざ書いてあるんですか? その上に支援魔法が付加された武器防具が使用できないって書いてあるのに」
「君は何でだと思いやがる?」
ん?
どう言う事……あ。
「試合前に自分で自分に魔法をかけるのはありって事……ですか?」
「流石でやがるわ。そう言う事でやがるわね」
「でも、他人がかける魔法と自分でかける魔法って区別できるんですか?」
「決闘前にアンチマジックが施された特殊なゲートをくぐるんです」
あーそう言えば。
オリフィスのモノマキアを見た時に違和感を感じたけど、もしかしてあれがそうなのかな?
「こちらから例外としてその包帯を申請して許可が下りれば、ゲートをくぐっても問題無く通過できます」
「でも、武器防具に支援魔法をするのは禁止……って事は、決闘前に自分に対する支援魔法を自分でかけるのはOK」
「勿論決闘が始まってしまえば武器防具に支援魔法を使って大丈夫です」
支援魔法がどの程度の力なのかは分からないけど、ある程度の事前準備も要素として見といた方が良いって事か。
格闘技っぽいなホント。
「他に質問はありやがる?」
「後は……セコンドってつくんですか?」
「? 何ですかそれは」
「あ。何でも無いです(´・ω・`)」
「たまに頭おかしい事言いやがるわね」
「エイリスにだけは言われたくないですから(# ゜Д゜)」
「最高の誉め言葉でやがるわね!」
「何を競ってるんですかね(# ^ω^)」
「開催は1月後でやがるわ。その間に訓練とか依頼をガンガンこなしやがる事ね!」
「分かりました」
トレーニングに気合が入る!
と思ってたのに、まず俺に課せられたのは傭兵としての仕事だった。
前にオーガが出没したとされる洞窟を冒険したいと言う何とも頭のおかしいパーティの付き添い。
もといパーティへの参加だ。
町を出たところで、2人の男女がこっちを見てる。
「お前が傭兵か?」
「はい、一応……」
男の方が話しかけて来る。
「まあいないよりはマシだわ。よろしく」
女の子の方と握手をする。
それにしても……。
「何でオーガが出たところを冒険したがるんですか……」
「何? あんた傭兵なのに知らないの? 封印された洞窟とか廃墟とかって冒険者のクエストのために解放されてんのよ」
「あ、そうなんですか……。新米なもので」
話しかけてきたのはジネカって人だ。
ジネカ・レバットって名前からは想像できないけど、女の子だ。
腰の短剣と軽装を見るとシーフみたいだけど、一応冒険者らしい。
「ま、あんた弱そうだし、いてもいなくても変わんないと思うけど、念のためよ念のため」
アユムからの裏情報で、クエストの失敗が重なって傭兵に泣きついてきたとかなんとか。
「そうだ! もともと俺はいらねーってのにおめーが泣きついたんじゃねーかよジネカ(# ゜Д゜)」
「あんだと! ウィルてめーも半ベソかいてたじゃねーかよぶち殺すぞ(# ゜Д゜)」
「じゃあ俺帰って良いですか?」
「「止めて下さいお願いします( ノД`)」」
踵を返し、歩き始めたところで2人に両足を掴まれ、盛大にこける俺。
お笑い芸人かよこいつら……。




