おかしなルールには裏がある?
~その夜~
正式な決闘が終わり、アグリスが祝勝会をやろうと言って聞かなかったから、酒も飲めないのに酒場に10人ほどで来てる。
笑いながらビールみたいなものをガンガン飲んでる傭兵仲間達。
試合で勝った後なんて浴びるほど飲んでたから拷問に等しい(# ゜Д゜)
「マジでやりやがるとはな」
そう言ってアグリスは俺のグラスに飲み物を注いでくれる。
勿論ノンアルコールだ。
こっちなら俺みたいな子供でも飲めるかと淡い期待を抱いたけど、ダメらしい(´・ω・`)
「でも実際寝技が決まらなかったらどうなってたかは分からないです」
「それでもだ! 作戦だったんだろ? その言いっぷりからよ」
「流石私を倒しただけの事はありますね」
べた褒めするアグリスに乗っかる形でダイラーも会話に参加してくる。
「それは勝つためにやれる事をやっただけですから」
「何故気付けた? 無限回復の弱点に」
「それは私も興味がありますねぇ」
「ええ……」
「自分より強いと認めたやつから情報を聞くのは悪い事か?」
……。
アグリスは興奮を抑えきれない様子だった。
俺とサナルの決闘を見て変わってくれたのかな?
だとしたら嬉しい。
格闘技を通じて勇気とか変わるきっかけとかを持って貰えるなら。
その気持ちはこっちに来たって変わらない。
「無限回復は攻略が無理だって俺も最初は思いました。でもまず、それって無理な理由を作ってるって気付いたんです。だからもし攻略が出来るならって。可能な方法を探そうと。最初はそう思い込む事からスタートしました」
「無理な理由では無く……可能な方法」
ダイラーはなるほどなるほどと頷き、アグリスはただ真剣な表情。
「回復を封じるなんて俺には出来ないから、回復できない部分は無いかなと。そう考えた時、人間って呼吸しないと生きていけないじゃないですか」
「呼吸困難を回復できるかを考えた……何て普通考えませんね……」
アグリスは酒を一気にあおる。
「だからサナルの首を狙う前提でどう動くかとか、薙刀の構えをスイッチなんてやらなそうとか、そんな感じで」
「戦う前から戦ってたって事か」
肩を組まれる。
アグリス力強いって(;^ω^)
「大したもんだぜおめーはよ!」
がははと盛大に笑うアグリス。
「俺達にも教えてくれよフェルマー」
わらわらと他の傭兵達も俺の元に来る。
ええーそんな特別な事はしてないんだけど。
あたふたしながら、夜は更けて行った。
~次の日の朝~
若干寝不足な中、朝食を食べてた俺はアユムとエイリスに呼び出された。
「何でしょうか……(大あくび)」
「夜遅くまで飲む傭兵がどこにいやがるの(# ゜Д゜)」
「いや、酒は飲めませんから俺」
「そう言う問題でもない気がしますが……」
「まあ昨日の今日だから許してやるわ」
許すのかよ……。
「本題ですが、デュエロス・パートルの選手登録手続きを済ませます」
「ああ、なるほど」
「まず、簡単なルールを読みやがりなさい」
そう言って紙を俺に渡してくるエイリス。
なになに……。
・試合は1VS1
・相手を殺してはならない
・10カウント制
・時間無制限
・支援魔法が付加された武器防具の使用禁止
・試合開始前に他人からの支援魔法を受けてはならない
・6回のランダムマッチングにより、内5勝したもの同士でトーナメントを行い、残った者を優勝者とする
何か気になるルールなのは気のせいかな?
魔法が付加された防具の使用が禁止なのは分かる気はするんだけど。
あれ!?
てか待て。
「このバンテージもダメって事ですか!?」
「自分の拳の保護とすぐ巻けるような魔法が施されている、でやがったわね? それくらいなら申請すれば大丈夫でやがるわよ」
ほ……。
これに慣れたらいちいち巻くのが面倒だもんなぁ……。
マイルにホント感謝。
でも、それを差し引いても違和感しかないな……。




