チート魔法その7 インビジブルⅠⅠⅠ
ラムジーの左ハイキックを右手で受けながら距離を取り、両手にアクアを、両足にサンダー纏う。
距離を詰め、右ジャブからの左肩でフェイントを入れ、右ストレート。
ラムジーの顎に入るけど、カウンターの左ボディフックが来る。
「グッ!」
メリケンサックがボディ食い込む。
膝をつきそうになるのを死ぬ気で堪える。
効くわ……。
ラムジーもかなりぐらついてる。
効いてるのは事実だけど、倒れない。
タフだな……。
ただ、長期戦はヤバい。
純粋な武器持ちなら、武器持ちの方が強いからだ。
ラムジーはメリケンサックの短剣部分だけを両方抜き、捨てた。
ヤバい……。
短剣でダメージを与えれてない事に気付かれた。
一撃もくらえない。
距離を詰められ、放たれる左アッパーからの左ハイキックを両手のアクアで相殺し、距離を取りながらヒールを使うか考える。
この状況で一番俺が気をつけなきゃダメなのは何か。
打撃もそうだけど、そうじゃない。
俺は気付いた。
打撃の勝負に持ち込んでるのは俺を倒すためじゃない。
俺がダウンを奪われた状態で。
もう一度上位魔法を使ってあの状況に持ってかれたら。
ヒール無しだと多分勝てない。
だから使われた後の事を考えて取っておく。
まあだから。
ここで仕留めないと確実に負けるよなぁ(# ゜Д゜)
距離を瞬時に詰め、右ストレートのフェイント。
合わせて来た左フックをアクアを纏った右手で受け、左の前蹴りを顎に当てる。
仰け反り、ぐらつきながらも構えを崩さないラムジー。
何度もサンダーを纏った蹴りを当ててるのに倒れない。
何て根性だと驚き、敬意を払う。
俺は素早く両手のアクアを解除してサンダーを纏いながら距離を詰める。
そして今度は右手のストレートのフェイントから。
奇襲的に弱いファイアをラムジーに。
「……っ!!」
ひるんだのを逃さない。
左アッパーからの右ストレート。
ぐらついたところに右ハイキック。
ファイアの奇襲に反応できなかったラムジーは、全ての攻撃をもろに貰い。
両足から崩れ落ちた。
「き、決まったーこの決闘初めてのダウンはラムジー選手だー!」
「カウーント! 1! 2! 3! 4!」
はぁ……はぁ……。
膝をつき、荒い呼吸を整える。
起き上がってくるかもしれないって考えると、今は短い時間での自然回復しか無い。
両手をつき、起き上がろうとするラムジー。
「5! 6! 7! 8!」
まだ起き上がって来る体力があるのか……。
俺は深呼吸し、構える。
「9!」
立ち上がるラムジー。
「おーっとすんでのところでラムジー選手起き上がった! まだこの決闘は終わらない!」
ラムジーが構えたその時。
俺は悟る。
目が虚ろだった。
……。
そのまま前に崩れ落ちるラムジー。
「ストーップ!」
気持ちだけで立って来た。
気絶してもなお、戦おうとしたその姿勢に。
俺は礼をする。
「何と言う展開だ! 倒れたと同時にストップがかかったー! 死闘の末アサシンを地に沈めた勝者キングオブレーン! ノーザン・フェーーーーールマーーーーーー!」
膝から崩れる俺。
よ、良かった……。
「キーーーーングオブレーーーーン!」
観客の大声援に力無く手を振る。
「おめでとう! フェルマー!」
俺の肩を担いでくれたのはマイルだった。
「はは……。 ギリギリだったよ。ホント」
「それでも勝ったんだよ!」
「ありがとう」
マイルの力を借りて立ち上がると、マイルが俺の手を代わりにあげてくれる。
「先日惜しくも敗れた友に助けられ、フェルマー選手が観客の声援に応える! さあこれで準決勝進出が3名決まりました! 明日はいよいよ準々決勝最後の戦い! 水巫女と多彩な武器使い! ルサルカ・ヴァダーとモイメ・レーグル選手の決闘だ! お楽しみに!」
「デューーーーー……エローーーース!」
「「エローーーーース!」」




