最終調整
~その日の夜~
決闘が終わってすぐにマイルの控室に行ったら、今は誰とも会いたくないからって付き添いの魔法使いに言われた。
凄い攻防だった。
でも、悔しいだろうな……。
「ボーっとしてて良いんですか?」
左側から来る魔法を間一髪で避ける。
「マイルが負けてしまっては、あなたは負けるわけにはいきませんよね。フェルマー」
ステラのレイピアの突きを紙一重で避け、三日月をカウンター気味に放つも、ステラは左手でボディをガード。
お互いに距離を取ったところに背後からのアイス。
かするように貰う。
……明日、決闘なんだ。
勝ちたい。
頭を振り、切り替える。
地下の闘技場に来て、ラムジーとの決闘をある程度想定した模擬戦。
実質1体多数の決闘。
実際にやってみると見えてる位置からの攻撃に、見えない何かがいる。
実際に仮説が正しければ、ラムジーの魔法をもろにくらった事になる。
本番は見えてる方は動けなくなるけど、見えない方は動いて攻撃して来るようになる。
ステラの袈裟切りを右に避けると同時に右側からサンダーが来る。
とっさに避けれなかったからハイキックでサンダーを蹴散らしたところにステラの突き。
かするように左肩に貰いながらも左回転で受け流し、胴回し回転蹴りをステラの顎目掛けて放つ。
「くっ!」
ステラは距離で外すも、かする形で貰う。
そこにアイスの攻撃を背後からくらいながらも逃げる。
アイスは細かい粒子だけど、当たったら割と痛い。
はぁ……はぁ……。
「今日はこれくらいにしましょう」
ステラはレイピアを仕舞い、壁にもたれかかってたアユムは意識を取り戻して立ち上がる。
今のは確実にとどめを貰う流れだった。
もしこれが本番なら。
ヒールで回復した矢先に攻撃が来る。
もう、明日が本番。
不安要素が尽きない。
でも今戦ったイメージを忘れないように。
今の動きの悪かったところを反芻し、明日に備える。
それしかやれる事は無い。
今日の決闘は本当に凄かった。
だからこそ。
マイルが負けたから……じゃない。
絶対に勝ちたい。




