魔法無効化 VS 停止ⅠⅠⅠ
~マイルの視点~
「君みたいな奴に勝ったフェルマー君は、さぞ強いんだろうな」
フォークを構え直すアレッティは、笑いながらもそんな事を口にする。
僕を倒してから言ってほしい。
停止の魔法を止めれた今、通常の決闘で全てが決まる。
一瞬たりとも油断できない。
ファイアとアクアを再び展開。
アレッティを追尾させる。
その状況で、今度は合成魔法をかけた銃で仕留める。
霧で巻き込めさえすれば。
「貴殿よ最高の瞬間なれ」
来た。
停止の上位魔法。
「全てのものよ。栄光、存続は我の元」
「その瞬間を我は永劫見届けん」
「故にわが命令と共に無に来さん」
「ヴァーミリオン・ドゥーラー」
「アンチマジック」
それはさせない。
構わずアレッティが距離を詰めて来る。
霧は無くなったけど、発砲。
アレッティはフォークで弾く。
しまった!
アンチマジックで全ての魔法が無効になった今、銃に込めた魔法も消えた。
フォークの真向を距離で外し、銃を向けた時。
アレッティがフォークを捨てる姿が見えた。
タックル!?
アレッティがマイルを倒し、寝技の攻防に。
ただ、マイルは過去に1回俺にくらってるだけあって体を即反転させ、立ち上がろうとする。
まだこの攻防は分からない。
マイルの首に、アレッティの腕が絡む。
それをマイルが手で防ぐ。
「貴殿よ最高の瞬間なれ」
なっ!?
「ここで上位魔法なんて使われたら……」
「両手が塞がってる上に、あの状況でマイルが詠唱なんてしてる余裕は……」
「その瞬間を我は永劫見届けん」
自分の武器を捨てる事が、攻略の糸口と?
即気付くものなのか……?
「ヴァーミリオン・ドゥーラー」
不自然な体勢で動かなくなったマイルに対し、ゆっくりと歩き、フォークを拾うアレッティ。
目を閉じてしまう。
見てられなかった。
「見届けましょう。フェルマー」
ステラが俺の肩に手を置く。
そんなステラも辛そうな表情をしてる。
フォークを構え、マイルに一閃。
マイルの時が動き出し、崩れ落ちる。
審判が決闘のストップを告げる。
……。
アンチマジックのデメリット。
自分の魔法も全てを無効化、消滅させてしまう。
それをルサルカとの決闘で見て、知ってたんだろう。
そして突破口を開く為に、自分の武器を手放した。
「決まったー! 何と言う攻防だ! とんでも無い状況での停止が見事に決まったぁ! 死闘を制したのはテンプス・アレッティいいいいいいいい!」
歓声の中、運ばれて行くマイルを見る。
両方とも強かった。
でも、どっちかは負ける。
トーナメントに引き分けは無い。
自分のことのように悔しい思いがあった。




