魔法無効化 VS 停止ⅠⅠ
~マイルの視点~
はぁ……はぁ……。
まさか合成魔法を一撃で切り伏せられるなんて思ってなかった。
間一髪のところで、当初の作戦通りに霧に閉じ込める事に成功。
すかさずサンダーを展開。
霧に閉じ込めるのは、何もスピードの速いサンダーを見えないところから当てるだけじゃない。
サンダーを乱射する。
くらってるかは分からないけど、詠唱する余裕は無いはずだ。
そこにファイアを当てる。
霧は離散するけど、分解された物質によって……。
ドオオオオオン。
とんでもない爆発がピンポイントで起こる。
無事では済まない。
「貴殿よ最高の瞬間なれ」
な……!
完全に捉えたはずなのに!
魔陣札を持ったアレッティの姿が煙の中にわずかに見える。
回復されたのか?
いずれにしてもまずい!
「全てのものよ。栄光、存続は我の元」
「その瞬間を我は永劫見届けん」
「故にわが命令と共に無に来さん」
「ヴァーミリオン・ドゥーラー」
「アンチマジック」
2人の同時詠唱。
マイルのアンチマジックはルサルカの上位魔法さえ全て無効にした。
だとするなら……。
マイルの発砲に呼応するようにアレッティが避けながら距離を詰め、逆風でマイルをひっかくような攻撃をマイルは距離で避ける。
アレッティは回転しながら、今度は反対側のフォークで切り払い。
そこにマイルは拳銃での発砲をカウンター気味に放つ。
アレッティの頬を掠め、アレッティは距離を取る。
「互いの最強の魔法が相殺された今……」
「この通常決闘で決まりそうですね」
しかも全くの互角。
頑張れ……マイル!
自然に拳に力が入る。
マイルはヒールを使い、回復。
アレッティは頬の血を拭った。
マイルは銃を、アレッティはフォークを構え、再び膠着状態に。
マイルは片手で構えた拳銃を、両手に構える。
一体何のつもりだろう?
あれじゃあ動きながら発砲できない。
マイルが発砲。
でも今までの発砲とは比べ物にならない速さでアレッティの肩に当たり、観客席へ跳弾。
「……っ!」
審判の張った結界に防がれる。
肩を押さえ、膝をつくアレッティ。
「おーっと何だ今の攻撃は! 今までの発砲とは訳が違う速度! アレッティ選手が反応すらできなかったぞー!」
何だ?
マイルの攻撃の正体が分からない。
「まさか、銃に合成魔法を……?」
「え?」
構えるマイルの銃を見る。
キラキラとしたあの輝き。
……そうか。
「そう考えれば納得がいきますね。スピードもパワーも飛躍的に上がります」
「魔法の使い方が的確ですね」
……強い。
俺が感嘆する間にも、マイルは再びアルテマ銃による発砲。
今度は辛うじてアレッティに避けられるも、弾をすかさず装填。
アレッティはあれだけの威力の攻撃を受け、回復する様子が無い。
霧からの爆発の時に使い切ったんだろう。
どう見てもマイルが優勢。
それにもかかわらず、アレッティは笑ってた。




