見えない攻撃を見切れる可能性
ってわけでアユムと模擬戦をやる事になったんだけど、当のアユムは壁にもたれかかってるだけで反応が無い。
アユムの両隣にはホムラとフレア。
「準備出来ました」
え?
どっかから声がするけどどこにいるのか分からない。
「私がどこにいるか、分からないでしょう。この状態で私は魔法で君を攻撃します。なので君はその攻撃を避け続けて下さい」
……なるほど。
ラムジーとは勝手が違うかもしれないけど、これはこれでやる意味がありそうだ。
「フェルマー。準備が整ったらそこから始めます」
軽く運動を済ませ、構える。
「いつでも大丈夫です」
両足にサンダーを纏う。
右から飛んで来る細かいアイスを間一髪で避ける。
え、マジでどっから攻撃が来てるんだ?
動き回りながら辺りを見回す。
今度は正面からファイア。
再度右にステップして避け……。
アユムたちの姿。
やば!
ホムラとフレアの炎で相殺される。
「ナイス。ホムラ、フレア!」
模擬戦に集中。
アユムがどこにいるかよりも、どこにいてどこから攻撃されても避けられるようにした方が良さそうだ。
今度は背後から再びファイア。
炎のわずかな音のお陰で避けられた。
間髪入れず、右からアクアとファイアの霧。
距離を取る。
霧は追跡せずにすぐに離散する。
正面からサンダー。
ぱちぱちって音が若干したお陰で来た瞬間に気付いて、今度は蹴りで相殺する。
「流石ですね。フェルマー」
アユムはどこか嬉しそうな口調。
って言うか……。
「止めてもらって良いですか?」
「……? どうかしましたか?」
「いや、攻略法がもう1つ見えました」
壁に寄りかかってたアユムが起き上がる。
って言うか、アユムの魔法をこうして見るのって初めてじゃね?
「攻略法が見えたのであれば、この鍛錬は無駄にならなかったと」
「ええ。本番になれば分かるかと思います」
「楽しみにしておきましょう」
「……それは良いとして、アユムってどっから攻撃をしてたんですか? マインドネットを使ったのは分かるんですけど」
「あれです」
アユムが地面を指す。
ん?
黒い小さな生き物。
見た目はまんまアリっぽい。
「……って人間じゃなくても乗っ取れるの!?」
「勿論です。そしてこの訓練場には何匹もの微小生物がいる。マインドネットを何度も使って乗っ取りと魔法を繰り返す。 ……流石に攻撃を全て交わされるとは思いませんでしたけど」
……。
ただのチートだよね。
マインドネットって。
本当に魔法がかかるって思ってなかったなんて死んでも言えないけど。




