表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/12

第3話 へい、おしり、明日は検定試験だよ

第3話 へい、おしり、明日は検定試験だよ


 月曜のジェルネイルの練習を最後にして、

とうとう明日、土曜日の検定試験を迎えることになった。

 とくに姉や母、従姉妹、友人たちが練習に付き合ってくれたおかげで試験にはわずかだが自信が持てていた。しかし、尻にヒビさえ入っていなければ、もっと自信が持てたはずだ。これで合格できなかったら示しがつかない。自分の不注意だ。情け無い。


 ジェルネイルは、流動性のある粘液状の合成樹脂を爪に塗布し、紫外線や可視光線を照射して硬化する。

カラーポリッシュ(マニキュア)とは違って、光で固まるため、すぐに爪に触れても色落ちせず、約2週間は持続するのだ。

 今流行の最先端のネイル技術を学べたことに、何度も胸がときめいた。


 ネイルの検定試験は、2種類ある。

JNEC主催のネイリスト技能検定と、JNA主催のジェルネイル技能検定だ。


 今回、6月に受験する初級は、ネイリスト技能検定の2級を取得していたため第1課題のネイルケアは免除された。


 ジェルネイル検定試験は1年に2回しかない。


 だから、尻が痛くても試験を諦めたくなかった。

応援してくれたネイリストの先生や、練習に付き合ってくれた人たちのことを考えたら

尻がどうなってもいい、期待に応えたかったのだ。


  夜も更けて、欠伸をしながらトイレに行こうと廊下をよたよたと歩く。すると、姉がリビングから出てきた。


「お姉ちゃん、たとえ尻が割れても、受験するけん!」


私はモデル役をしてくれる姉に決意表明した。


「尻は割れとるよ、ファイト!」


  姉は、鼻で笑いながらも応援してくれた。


 もし合格したら、12月に中級を受けることができる。

必ず合格したい、どんどん前に進みたかった。


 25歳になった時、契約社員の事務職の仕事を退職した。

大学を卒業したというのに、正規雇用ではない自分の人生に革命を起こしたかったのだ。

これまで、ネイルが好きでセルフネイルを楽しんだりネイルサロンでジェルネイルを施術してもらえることが娯楽の一つだった。

例えば、仕事中疲労を感じた時にパソコンのキーボードの上に乗った自分のネイルをした爪が目に入る。

なんて可愛い爪だろう、と癒されていた。


 ネイルは、気分を変えてくれる。


 機嫌が良くなるのを実感した時、ネイルの素晴らしさを改めて発見した。


 そして、人の気持ちを明るくさせてくれるネイリストに憧れて仕事を辞めネイルスクールに通うことにした。


 私は、絵を描くことを仕事にしたい。オシャレとはなんなのかを考えていきたい。


 絶対に合格しなきゃ!!


 便座から立ち上がると、電流が発生したような痛みがしてパジャマのズボンもあげずに固まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ