第20幕:衝突!?
長くなってしまいました。
そろそろ次の展開に行きたいですね。
前から思っているんですが、少し会話がくどくて長いですよね。
目的まで長くなってしまうので、すこし会話文減らした方が良いのかな?
今回の話の為に前回の話を少し修正しています。
以前から読んでくれている方で興味があったら探してみてください。
屋敷からでて十分程経った頃から背後に気配を感じるようになった。やっぱり、マリアさんの手の者、レベッカさんだよなぁ……。俺、なんかしたのかな? さっきも明らかに引き留めようとしてたし。これ以上付け回されるのも面倒だし直接聞いてみるか。
「あの、多分レベッカさんですよね? 俺に何の用があって付け回してるんですか? 言いたいことがあるならこんな回りくどい事をしないで直接来て欲しいんですが……」
正面を向いたまま大きな声で後ろに隠れているレベッカへと声を掛け、振り向いた。彼女はすうっっと姿を現すと一礼してから口を開いた。
「バレていましたか……。不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。お嬢様にもう一度お会いしていただけないでしょうか?」
「はぁ……。それは構わないんですけど、そもそも付け回されたりして、普通は素直に応じると思いますか?」
「それも含めて謝罪させていただきたく……」
「そっちが赴いてくるってんなら聞く耳は持つけど謝罪するから来いってんなら筋が通らないでしょう? これでも結構優しく言ってるつもりなんだけど……」
「確かにその通りです。ですが、私達は貴方の宿泊予定の拠点も知りません。赴こうにもできない状況なのをご承知下さい。あなたがこの場で指定いただければこちらから赴くことは出来ますが……」
「成程ね……。確かにその通りですね。分かりました。では改めて明日、王都の冒険者ギルドでお話を伺います。もし、大事な話であるならば、ギルドの方に応接室等をお借り頂けるようにそちらが準備してください。私からは以上です」
「ありがとうございます。それから大変申し訳ございませんでした」
「いえ、何となく予想はついていましたから」
「そうですか。とは言え、よく私の尾行に気づかれましたね……」
「まぁ、尾行する方は経験があったので、その逆を意識したら自然とって感じですね」
「そうでしたか……。尾行には自信があったので少し驚きました」
正直、普通だったら尾行に気が付かなかったと思う。全く気配すら感じなかった。俺はマリアさんとの別れ際のやり取りで怪しさを感じ取った為、スマホを起動させてわざと落とした。それをレベッカさんが拾ってくれたのだが、その際にチェイスエネミーの条件を満たしたのだ。後はそれを起動させたまま移動してたという訳だ。そのおかげで俺を付けているレベッカさんに気が付くことが出来た。マリアさん達が俺の敵になる可能性がある以上、情報を迂闊に出すわけにはいかない。スマホの事は伏せて話したのだった。
「それでは、明日中にギルドへご連絡させていただきますので、ご対応の程、よろしくお願いいたします。それではこれにて失礼させていただきます」
そう言って一瞬で俺の視界からレベッカさんは消えた。スマホの反応は少し離れたところにあった。ものすごいスピードで移動している様だった。スゲーな。俺は王都の冒険者ギルドへ挨拶をすませ、街を少しぶらついた後、適当な宿に部屋を借り受け、しばらくそこに滞在することにしたのだった。
翌朝、ギルドへ顔を出すと早速、王都のギルドマスターから声を掛けられた。
「おう、新入り! おめえ目当てでとんでもねえ人がうちのギルドに来てるぜ。今、応接室で待ってる。さっさと行って挨拶してこい」
もう来たのか、早いな……俺はノックして部屋に入る。すると
「おはようございます。シュート様。昨日は大変申し訳ございませんでした。私はやめた方が良いとおっしゃったのですが、レベッカさんが先走ってしまいまして……もう!あんまり勝ってしちゃダメですよレベッカさん。めっ!」
ひでえな。部下のせいにしやがった。レベッカさんも目をひん剥いて驚いてるぞ。
「ふふっ冗談です。私が尾行させました。昨日、シュート様が私の屋敷に宿泊してくださいましたらこんな事をして不快にさせることも無かったのですが……」
「その辺の事情を聞かせてくださいよ。ぶっちゃけた話、こっちはその宿泊話から胡散臭さを感じ始めたんですよ」
「やはり、そうでしたか。少し強引でしたものね。それに一介の護衛を貴族の屋敷に止めるというのも確かに前代未聞でしょうし……。私としてはシュート様には是非とも協力して頂きたい仕事があるのであなたを押さえておきたかったというのが本音です。ミスルでの面接もこちらの本命の仕事を受けるに値するかを見てたのです」
「つまり、護衛の仕事はどうでもよかったってことですか……。面接までして人を選ぶ仕事って何なんですかね……?」
「それは仕事を受けるのを前向きに検討していただけると?」
「そうは言ってません。ただ、そこまでして人を選別する仕事に少しだけ興味が沸いただけです。俺も俺の目的があるのであまり身を危険にさらすのは避けたいんですよ。まぁ、そんなこと言うやつがなんで冒険者なんて危ない仕事してるんだよと言うのは置いておいて」
「分かりました。ここは仕事の内容をお話しましょう。その方が貴方から失った信用を少しは取り戻せそうですし……。仕事の内容は魔剣の回収です。まぁ、これだけならそこまで危険な仕事ではないんですけどね……」
魔剣!? すげえ単語が出てきたな。やっぱそう言うのあるんだ。ちょっとワクワクするが、拾ってくるだけなら危険がないってどういうことだ?
「どういう事でしょうか? 回収だけなら危険ではないというならそこまでして冒険者を選別する必要もないのでは?」
「確かにその通りです。ただ、魔剣の影響で魔物が活性化していて周囲の魔物がどう出てくるのか分からないのです。それと、この魔剣は人間の感情を色々と刺激するタイプのものなのです。その為、欲深い人間だと影響を強く受けておかしくなる可能性が高いのです。面接で見ていたのは理性的に行動できるかを見ていました。それと、この魔剣回収の仕事に関しては私が一番信頼するAランク冒険者チームにも声を掛けてあります」
なら、俺はいらないんじゃないかな? なんなんだろ?
「そのAランクチームがいるなら俺はいらないんじゃないですか?」
「そうですね。その疑問はその通りだと思います。まずは保険を掛けたいというのが一点です。二点目は貴方がどれ程優秀なのか見ておきたいという事。三点目は魔剣の所有者となりえるのでは? と期待しています」
えー? これ俺の事逃がす気ないよね? ただのBランク冒険者を引っ張る理由が分からん。というかなんで俺が魔剣の所有者になる可能性があるんだ? 疑問がいっぱい浮かぶんだが……。
「ただのBランク冒険者をここまで引っ張りこもうとする理由が分かりません。なにより、魔剣の所有者ってのも腑に落ちない。あなた方がなればよいのでは? それかそのAランク冒険者のチームの人とか……」
「ただのBランクだったら確かにそこまでの魅力を感じる人材ではありませんね。ただ、アーマーマンティスを魔法を使わずに物理攻撃のみで倒したというのであれば話は変わってきます。そんな人間がいつまでもBランクで止まるわけがありませんから……。それと、魔剣ですが私達は所有者にはなれません。あの剣は男性以外は使い手になれません。それに、Aランク冒険者のチームには剣を扱う方は女性一人ですし男性の方も可能性は低いかと……」
どういう事だ? すでにAランクチームの男はダメみたいな雰囲気で話してくる。既に試してるって事か? とりあえず話を続けるか。
「そういう事でしたか。でもこれ、話の流れ的に俺の事を抱き込む気満々ですよね? 仮に魔剣の所有者になれたとしてそんな奴を逃がす訳がないと思うんですが? この話をしたって事は俺が魔剣の所有者になれなくても自分の手駒を増やす為に俺を雇い入れるつもりという事ですよね?」
「ふふふ、そんなに怖い顔なさらないでください。魔剣の所有者を作っておきたいのも、強力な戦士を抱えておきたいのも、理由があるからです。有事の際にお力添えいただけるのであれば普段は自由にして頂いても結構ですよ」
「つまり、有事の際はこちらの事情を無視してそっちのいう事を聞けってことでしょう? さっきもいったように俺には目的があるんで、そっちを常に最優先できるようにしたい。この話は無かったことでいいですかね?」
「それは困りますね、とても。力づくでと言う形もやむを得ません」
恐らくはブラフだとは思うが、ここまで言われたら少しムスッとする。売り言葉に買い言葉でもしてやろうか。
「ふざけてるんですか? そもそも、今日はそっちが誠意を見せる場っていう事で話を聞いた訳ですけどここまで一方的に事情を聞かされるとは思わなかったですね。力づくでってんならそれでも構わないですよ。俺は……」
「あなたの方こそ、状況を考えた方が良いのでは? 仮に私達がここで実力行使に出たとして、応戦した貴方と仕掛けた私達どちらが有利なのか……。この状況で暴れれば必ずギルドの人間が大勢ここへ押し寄せてきます。そうなった場合、貴方と私の証言どちらを信用するのか? そして、ギルドを敵に回してあなたが今後どうやって生きていくのか……。大変見物ですね」
脅しを掛けてきた。どうやらかなり本気みたいだ。一戦交えるのか? マジで
「確かにギルドの後ろ盾を得られないのは厳しいもんがあるが、別にルールを守る必要があるかと聞かれればNOだ。そもそも、無理やり部下にして言う事聞くと思ってんのか?」
「ありえないですね。だから言うことを聞かせる方法があるという事ですよ。大人しく私の部下になってくれませんか? あなたの事はとても気に入っているんです。ここまで拗れてしまったけれどできることならやり直したいと思っています」
相当、俺を部下にしたいみたいだ。しかし、しれっと恐ろしい事を言ってくるな。そういう固有魔法があるって事か……。ますますヤバいなこれ。
「それは無理な話だろ。アンタが脅しを掛けてきた時点でもう修正は効かないだろ。俺としてはこのまま黙って通してくれれば良し。ダメなら戦うしかない」
「私を倒せるとでも? 舐められたものですね」
レベッカが不愉快そうに俺を見る。
「確かにアンタらは強いんだろう。なんとなくそれは分かる。だけど負けるつもりはない。それが俺の答えだ」
超越者との戦闘の可能性もあるんだ。他のやつに負けてたらしょうがない。それに、レベッカよりも危険なのはマリアだと俺の直感は告げている。すると
「あら? 私も数に入っているのでしょうか? 驚きです」
どうやら今の発言で俺は完全に彼女のお眼鏡にかなってしまったらしい。俺は立ち上がると戦闘態勢に入った。
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