第15幕:反撃
文章で戦闘の展開を書くのって難し過ぎますね。立ち位置や状況などの説明を入れすぎると混乱するし……。
更には、キャラの心理描写もあるので場が滅茶苦茶に。どうにかせんとなぁ。
頑張ります。
昨日はマジで焦ったな……。そういえば考えてもみなかったが、この世界で死んだらどうなるんだろうか? 前に話してもらったように転生待機状態とやらにでもなるんだろうか? 気になるな。後でヒルダに聞いてみるか……。そんなことを考えながら朝食をとった後、カインと合流した。
「魔法の解明が出来ないとなぁ……。一撃必殺になりかねないだろ」
俺は、固有魔法というものが如何に恐ろしいかを実感していた。これを相手が使えるのと使えないのでは、戦闘の難易度が段違いだ。本当に場合によっては一撃死なんて魔法もあるんじゃないだろうか? そんな風に考えているとカインが口を開く。
「そこまで強力な物じゃないと思う。ぶっちゃけお前が言ったように食らったら即アウトみたいな魔法もないわけじゃない。即死魔法みたいな。ただ、そんな魔法は発動する条件や代償がべらぼうに高いよ。代償だったら多分、自分も死ぬと思うぜ。条件にしても、何重にも条件をこなさないと発動できないだろう。そう考えると現実的じゃなかったりするんだ。それでも使ってくる物好きな奴がいるんだけどな」
カインは戦えない程厄介な相手とは考えていない様だった。そうは言っても、動けない能力ってのは厄介だと付け加えてはいたが……。やはり、昨日話しあった通り、二人で挟むように戦う、若しくは一人が相手をしている際は、相手の死角で待機するしかないか? そう結論付けようとしていた時に、カインから動けなくなった時の状況をもう一度聞かれた。
「まあ、昨日も話したが、暗殺者が俺に振り返った瞬間に動けなくなった。そしてお前が背後から攻撃して、奴の意識と視点がそっちに向いたとたんに動けるようになったんだよ」
そんな俺の説明にカインはニヤリと笑った。
「もし昨日のソレが奴の固有魔法だとしたら、条件はそれかもしれないな。相手を視界に捉えている間だけ、敵を動けなくする魔法……。そうなるとやはり挟んで戦うのがベストだな」
俺達は幾つかの対策を用意して相手との戦いに備えた。恐らく、今日は商人ではなく俺達を直接襲撃してくるとみていた。念のため、商人を陰から護衛はするが、暗殺者はこっちを襲撃して来るという予感があった。そして、案の定、奴は俺に狙いを定めてきた。
「今度は、俺が狙われる番のようだな。昨日殺しきれなかったのがそんなに悔しかったか?」
後ろから迫っていた暗殺者に振り向いてそう問いかける。
「昨日、あれだけ無様な姿をさらしておいてよくそんな強気に出れるな。次は必ず殺れるぞ?」
「お前こそ、俺に仲間がいたのを忘れたのか? まぁ、警戒してるからすぐに攻撃してこないんだろうけどな」
俺は大剣を構えようとしたが、やはり動けない。奴の固有魔法だろう。
「焦ってるのを隠しているのか? 妙に冷静じゃないか?」
そう言いながら短剣を投げつけてくる。そこにカインが後ろから一撃を加えようと槍で突く。
「同じ事が二度通用するかよ」
そう言って槍を防いだ。しかし、これも想定内だ。
「んじゃ、こういうのはどうだ?」
そう言ってカインは煙幕玉を地面にたたきつけた。あたりが煙に包まれて、視界がふさがれた。俺は、動けるようになり、急いで短剣を回避した。やはり、奴は固有魔法で俺の動きを止めていたようだ。煙が晴れていく中、敵を探して近づいていく。すると、また短剣が飛んできた。
「かなり焦ってるじゃないか。種が割れればつまらんマジックと変わりないな」
そう言って俺が奴を煽ると悔しそうに答えてきた。
「黙れ! 魔法を破ったくらいでいい気になるなよ」
そう言ってこちらに突っ込んでくる。すかさずカインが横から攻撃するも、曲芸のような身のこなしで回避してきた。すると、
「お前から始末をつけてやる」
そう言って俺からカインに標的を変えて睨みつけていた。案の定、カインは動けなくなっているようだったが、コイツと戦う事を想定してから、幾つか対策を練ってきていたので俺に不安はなかった。カインは魔法を唱えると、水で相手の顔面を狙った。奴もそれに気が付いたが、視線を外すわけにはいかない様で、防御の体制を取った。俺は背後に回ってから近づいて攻撃を行う。敵もそれに気づいてはいるが、大剣を短剣で防御する事が出来ず、背中に浅く一太刀浴びた。しかし、視線を外すことはせず、そのままカインを攻撃する。俺は奴の背後に位置取りをしたまま鎌で顔面を狙った。流石に、それは視線をそらして避けるしかなかったようだ。それに伴い、カインは動きが自由になり、攻撃を躱す。イメージしていた連携が上手くはまったようだった。
「クソッ! 忌々しい」
そうつぶやくと撤退行動を開始した。俺は逃がさない様に道を塞ぐが、奴は魔法で俺を動けなくしてそのまま頭上を素通りする。幸い、相手が真上に来た時点で奴の視点から外れて行動できるようなった。正直に言うと、相手の魔法の性質上、逃げの成功率が圧倒的に高かった。カインも遠距離から魔法で攻撃したりと色々と手を打っていたが、見事に回避されてしまっていた。俺はギリギリのところで奴の背にスマホをくっつけた。悔しいが逃がしてしまった。しかし、
"チェイスエネミーを起動しました"
その一文を確認できたので良しとする。次はこちらから攻めてやる。カインと合流し、相手を追跡できるアイテムを取り付けたと説明した。すると、とんでもないことを言い出した。
「なぁ? 俺に一人でやらせてくれないか?」
「はぁ? 何言ってんだよ。さっきも二人で連携したからこそ、一方的な展開にできたんだぞ。一人でいったら相手の魔法になすすべもなくやられちまうだろ」
「まぁ、大丈夫だ。俺を信じて任せてほしい。最悪失敗しても俺が死ぬだけだし成功したら報酬は全部お前でいいよ。まぁ、死ぬつもりはねーが……」
報酬を全部俺でいいとか太っ腹だな。他にも謎の自信など、気になる点が幾つもあったが、カインが物凄く真剣な目で俺に訴えかけてきたので、どうするか非常に悩んだ。正直、報酬なんかどうでもいいが、ここ数日間コイツと過ごしたのは結構楽しかったので、友人として死んでほしくなかった。
「報酬なんかどうでもいいよ。お前が死ぬことの方が心配だ。だけど、なんか秘策があるのか?」
すると静かに頷いた。俺に見られたくないのか、それとも他に理由があるのかも知れないが、一人で捉える自信があるんだろう。俺はカインが一人で行くことを了承した。
「すまんな。ワガママ聞いてもらって」
申し訳なさそうにそう言うとカインは通信用の魔法道具を俺に渡してきた。これで敵の居場所を教えて欲しいとの事だろう。
「死ぬなよ。絶対に」
そう言うとハハッと笑って行ってしまった。カインが移動を開始してからしばらくして、敵の場所を教えると数分後に敵の反応が消えていた……。
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次回はカイン視点を挟みつつ結末です。




