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第13幕:捜査します

ここらへんでやっとまともなバトルになっていくようないかなような気もします。

頑張ろう!

 カインは槍を構えて距離を取っており、他二名も距離を武器を構えて距離を取っている。このチームには盾戦士タンクがいないので、俺がやろう。そう決めて、あえて前に出た。


「おいおい! そんな装備で大丈夫かよ」


「大丈夫だ問題ない! 囮になるからフォロー頼む」

 そう言って積極的に敵の攻撃を受けていく。敵の攻撃は爪で引っ掻くのと牙で噛みついてくる位だ。爪は大剣を横にして腹で受ける。噛み付きには口元に大剣を振るって使わせない様にした。因みにこの大剣にも名前がある。クラッシュマンティスだ。かっくいいね! ふぅ!


「見事に防いでんな」

 そう言いながらカインが俺の後ろからランドタイガーの隙をついて槍で突き刺す。他の仲間も同様に剣で攻撃する。そうこうしているとタイガーは力尽きて倒れた。


「あっけないな」

 こんなもんなのか。正直、調子に乗るわけじゃないが、余裕だった。武器は通るし、仲間もいるしで苦戦する要素がなかった。


「まぁ、腐ってもBになりますってやつらがそろってるからな。これくらいはやれるだろ」

 まぁ、そうだよな。さっさと帰還してBランクの仕事でも受けてみるか。そう考え、急ぎ帰還した。すると、ギルドに憲兵が数人訪れていた。何事だと思い聞き耳をたててみる。


「事件後すぐに街の封鎖をしている為、ギルドのクエスト以外で外に出たものはいない。クエストを受けたの者も、人数や身元の確認を行って、必ず街へ帰還してもらっている為、暗殺者はまだ中にいると考えられる。ギルドにも協力を依頼したい」

 暗殺者? 物騒だな。しかし、俺には関係ないか……。そう思ってBランクへの更新を行って新しいクエストを受けようとした。すると


「丁度いい。お前受けてみろよ」

 そう言って受付にいたおっさんが俺に暗殺者の捜査をクエストとして進言してきた。このおっさんたまたま酒場で仲良くなったのだが、実はこのギルド支部のマスターだったのだ。それ以来、割かし目を掛けてもらっていて、クエストも多めに回してもらえていたのだ。世話になったから断りづらいな。とは言え、めんどくさい仕事を押し付けられた気もする。


「このクエストのランクは? ぶっちゃけCなら受ける気ないんだが……」


「心配すんなBだよ。おめぇの事情は聞いてる。さっさとAに上がりたいんだろ。これをこなせば今後憲兵から出るクエストも優遇してやれるぞ」

 そこまで言われてしまうと断れないな。


「分かったやるよ。詳細説明を頼む」

 話を聞くと、街中に潜伏していると思われる暗殺者を生きたまま捕縛するというものらしい。銀貨は10枚で成功した場合のみ支払うとの事。例え暗殺者を捕縛できても、死んでいたら報酬は無しだそうだ。結構難しい気がするんだが……。そもそも情報が漏れないように暗殺者とかって自害用の道具を持ってたりするんじゃないだろうか? そんなことを考えていると、一緒に聞いていたカインが口を開く。


「面白そうだな。俺も混ぜてもらっていいか?」

 何てことを言い出した。この仕事、リスクが高い気がする。一応、街の外に暗殺者は出ていないという予測だが、すでに街に暗殺者が居なかった場合、数日間も徒労で終わるかもしれない。それに死亡してしまった際も賃金0だ。なにより生きて逃走を許した場合は暗殺者に今後、命を狙われる可能性もあった。それなのに面白そうという理由で参加するコイツは結構変わり者かもしれない。


「俺は別に構わないがリスクも多いぞ? いいのか?」

 さっき俺が考えたリスクを話すも想定内だと言ってのけた。まぁ、頭が回らないと冒険者はやってけないからな……。結局二人でチームを組んで仕事をすることになった。街の外での野営などはないので、大人数でチームを組む必要もなかった。人海戦術の方が良い気もするが、下手に弱い奴を連れてって死なれると寝ざめも悪いとギルドマスターが言うので俺達だけになってしまった。というかマスター曰く、このカインという男もかなりのやり手らしい。槍捌きは確かに見事だったが、フュリーのがスペック高そうだけどな。まぁ、比べるのはダメか、彼女はAランクだしな……。


「まぁ、ゆっくり酒でも飲もうぜ。のんびり行こうや」

 余裕だなぁ。そう言って酒を飲んで宿屋にて休んだ。翌日カインと朝食を取りながらどうするか考える。すると


「と言うか、殺された奴は誰なんだ? そいつを調べないと暗殺者の行動が読めない」

 まぁ、確かにそうだ。俺達は憲兵の駐在所に向かい、被害者を聞くと驚いたことにあの商人を狙ったやつだった。つまりは商人を始末するのに失敗した為に、背後関係が割れるのを防ぐ為の口封じだろう。


「俺にめっちゃ関係あるやつだった」


「ん? どういう事だ?」

 俺はカインにこの街へ来る前の経緯を伝える。すると、まだ商人がこの街にいるかどうか確認してきてくれた。どうやら商業ギルドにも顔が利くらしい。幸い、まだ商人は滞在しているようで話を聞きに行くことになった。


「本人は、覚えはないって言ってたけど、多分なんかあるだろう」

 俺がそう言うとカインも同意し、さらに付け加えた。


「恐らく逆恨みかなんかだろうな。その商人には気にかけるような話じゃなかったのかもしれない。お、そろそろ来るようだぞ」

 商人ギルドの待合室で会話をしながら待っていると例の商人が現れた。俺は先日の件で、また問題が発生したことを伝える。


「あの、私を狙っていた男が亡くなったのか? それでここへ来たと……。前にも話しをした通り、思い当たる節は無い。何か危ない橋を渡った記憶もないしの……。あ!」

 なんか心当たりがあったのか? そう思っていると商人が何かを思い出すように話し始めた。


「恨まれているかどうかは分からんが、さる貴族のお方に物資の運搬をお願いされたが、お断りしたことがある。少々、条件が悪かったのと、運ぶ荷物が少しキナ臭かったんでお断りしたんだが……」


「その貴族の名前とかはお教え頂けますか? 念のため」

 カインが商人から貴族の名前を確認する。するとジール候という貴族がその話を持ち掛けてきたそうだ。


「ジール候が暗殺者を差し向けたってのが一番可能性がありそうだな」


「まぁ背後関係はいいだろ。ジール候が差し向けたってのは恐らく確実だ」


「なんで、そんなこと分かるんだ? 黒幕として一番可能性があるってのは理解できるんだが……」


「ジール候ってのは悪い意味で有名なんだよ。自身の政敵や歯向かったものを容赦なく叩き潰すってんで有名な人なのさ。恐らく商人が断ったことで目を付けたんだ。」


「しかし、そんな悪い意味で有名な奴の話を良く断ったな。」


「失敗した際も平気で切り捨ててくるような奴だからヤバい物を運んだときのリスクがデカすぎたんだろう。それに噂だったとしても命まで狙ってくるとは思わなかったんだろ」


「恐らく、この街から出られない以上、もう一度商人に仕掛けてくる可能性もあるな。リスクが高すぎるとは思うが……張っておいて損はないだろう」

 俺もカインと同じ結論に至り、交代で承認を見張ることにした。そして張り込みを開始して数日後の夜、動きがあったのだった。








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