第11幕:秘密
今日も2話です。
話が進まんなぁ……
締めがおかしかった気がしたので一文足しました。
俺はデュエルボアの討伐に赴いていた。デュエルボアは20頭以上の群れだとBランク扱いだが、それ以下の場合はCランク扱いだった。今回は状況的にみても10頭程度との予測がされていたのでCランク帯に仕事が回ってきたのだ。しかし、ギルドの予測が大外れしてしまっていた。目の前にいる群れは明らかに20頭以上はいる。
「くっそ、20頭以上いやがる。割に合わねぇな!」
今回、俺と組むことになったチームのリーダーが悪態をついた。しかし、俺は彼とは別の気持ちが渦巻いていた。先日、出来たばかりの武器の性能を試すチャンスであると。俺はリーダーに声をかけた。
「もしよければ俺にやらしてくれないか?」
「何言ってやがんだ。一人で相手してたら大けがするぞ」
「まぁ、策があるというか、なんというかだ……」
「はぁ、わかったよ。しかし、何がっても助けないって条件が飲めるなら……だ」
「OK! それでいい。あぶねぇから離れててくれ」
そう言うと彼らは俺から距離を取る。俺は背負ったアーマーカッティングと名付けた大鎌を構えて展開させた。武器の名前が中二病をくすぐって気持ちいい。なにより良いのがこの世界じゃ、それを指摘されないし馬鹿にもされない。楽しすぎる!RPG大好き少年だった俺には最高の環境だった。
「いくぞ! おるぅぅぅらぁぁぁあああ!」
スパッと10体以上のボアが真っ二つになった。素晴らしい範囲火力だ。のこった奴が散り散りになってに逃げていった。10体以上討伐できたので、追いかけなくてもギルドから達成のみなされるだろう。真っ二つになった死体の血を急いで抜いて荷車に乗せていく。一体だけは焼いてみんなで食べた。数週間前には食欲が湧かなかった状況も今や普通になってしまった。慣れっていうのは怖いね。ギルドにもどって達成報告をすると、今日のメンバーから声を掛けられた。
「なぁ、もしよければ俺達と今後も組まないか?」
非常にうれしい誘いだったが、俺の目的はあくまでも超越者。最近ちょっと忘れていたけど超越者同士の衝突を抑える事なのだ。その為にも早く、Aランク冒険者にならなければならない。というのも、Aランク冒険者は国家移動の制限がほぼないのだ。やはり超越者に会う為にも、世界中を不自由なく巡れるようにしておきたい。
「誘ってくれてありがとう。非常にうれしい誘いなんだが、俺には目的があって、冒険者はその目的を達成するために必要だったから就いたんだ。申し訳ないが、チームの勧誘はお断りさせてもらうよ。もし、何かあったらまた声をかけてくれ。スポットでクエストを一緒にこなすのはこちらとしても助かるからな」
そう言って断った。向こうは残念そうにしていたが、俺の目的と言う部分に何か事情を感じ取ってくれて引き下がってくれた。今後とも良い関係を続けようと最後に一言もらって別れた。連泊している宿屋に帰ると女将さんが飯を準備してくれていた。ありがたい。飯を堪能した後、俺は寝ようとベッドに入ったところでヒルダからコールが入った。
「やっほー! ひっさしぶり。私としゃべれなくて寂しかったでしょ。声かけてあげたわ」
超ウルせぇ。寝ようと思ってたのに……。まぁ向こうから声かけてくるという事は何か大事な話があるのだろう。
「なんだよ? 寝ようと思ってたのに。用事があるなら手短に頼むぞ」
「なによ!つれないわねぇ。まぁ、いいわ大分こっちの世界をエンジョイしてるわね。やっぱり転生してよかったでしょ? フフフ」
「こっちに転生したことが良い事かどうかは置いておいて楽しませてはもらってる。楽しんでいいのか分からんけどな。で、要件は?」
「いやいや、何事も楽しみなさい! 悪い事じゃないわ。ただ、人殺しとか犯罪とか、悪い事を楽しんでほしくはないけれどね神様としてはさ……。というより要件要件うるっさいわね。用事なんか特にないわ。あんたが頑張ってるから激励してあげようと思ったって訳。私いい上司の鑑でしょ?」
「マジでそんだけ? それならもうちょい昼とかのタイミングで言って欲しいんだけど。俺は今、ただただ眠いよ。お前に寝るのを邪魔されて若干不機嫌だよ」
「しっつれいな! せっかくカマキリ倒したりしたの褒めてあげようと思ったのに。かっちょいい武器も手に入れてたみたいだし……」
「え? 見てたの?」
「当たり前でしょ。全部見てるわよ! 一応送り出した身だしね」
「え? それってどこまで見てるんだよ? 大まかな流れ? それとも戦闘だけとか? もしかして常に見てるとかじゃないよな……」
「常には見てないわ。だって夜中とかアンタ自己啓発に勤しんでる時があるじゃない。私だってそこまでデリカシー無いわけじゃないわ。まぁ、なにか言えることがあるとすれば、その、い、意外と立派ね!」
「えっ? マジでみてんの? ちょ!」
俺の自己啓発をみられていたようだ恥ずかしすぎる。というか意外と立派ね! じゃねーよ。もう自己啓発はやめよう! ちゃんと夜のお店に行こう。自己啓発は恥ずかしすぎる。
「まぁそれは置いておいて、少しお前に聞いておきたいことがあったんだった」
俺はそう言って無理やり話しを変えた。
「話変えたわね。で、何が聞きたいの?」
「この身体についてだ。どうにも腑に落ちないことが多い。まず、技術が身につくのが早すぎる気がする。俺はすこし剣術を稽古してもらっていたが、数回実践しただけでほぼ完ぺきにこなせるようになっていた。あとは体力も減らないし、身体能力もかなり上がってるとみてる。いったいどうなってるんだ?」
「そりゃ、死なない様にすこし弄ってるわよ。経験値っていうの? アンタが学んだ技術とか知識とかは物凄い速度で理解吸収できるようになってるわ。あとは普通の人間にはある限界値は取っ払ってあるわ。だから強くなる努力をすればするだけ強くなっていくわ。」
「そんな事できるなら最初から最強にしてもよかったんじゃないか? お前が超越者を作らない様にって配慮していたのは前に聞いたが、これは大丈夫ってことは超越者ってのはそういう次元のレベルじゃないんだろう?」
「まぁ、超越者ってのは肉体の強さや技術レベルの話じゃないからね。とは言え最初から強くしなかったのは理由があるわ。だって最初から強くしたら、調子乗るでしょ? そうすると何やってもいいんだって傲慢になって殺しや略奪を平気でやるようになる。まぁそれが悪いと言うつもりはないんだけど、色々考えてそれを選択するならね。でも、最も簡単だからとか一番早いからとか言って何にも考えないのは困るし、率先して人間のルールを乱されてもあんまりよくないでしょ? しかも努力も工夫もしなくなるし。そんで肝心なところでやらかして死んじゃう。結局、目的達成の確率が極端に下がるわ」
「つまりは俺の為にもお前の為にも良くないって事か?」
「そういう事! あのね今までも神様のお使いでこっちに転生させてきた人もいたのよ。だけどさっき話した通りになったりすることが多くて結局周りの人間に討伐されたりってことも実際にあったわ。とは言え、今まで、神が呼んできた人達よりもあんたは特別なチューニングになってるわ。超越者と戦闘になる可能性もあるからね。だから何とか生きて帰れるように限界値を設けなかったりしてるわけ」
「今の話を聞いて、超越者がますますヤバい感じするようになったんだが」
「うん。ちょーやばい!」
「はぁ、やる気でなくなる話だな。まぁ、いいや。色々聞けて良かったもう寝てもいいか?」
「あい。おやすみー」
そんなやり取りの後、俺は眠りについたのだった。
頑張りますので応援よろしくお願いします。




