目覚め
「かかってこいよ。クソガキがキレたところで大した事ねぇ」
ゆらり、ゆらりと進むリオ。
ある一定の所まで近づくと一気に踏み込む。
パンッと乾いた音が響く。
「大した速さだ、だが軽い」
大剣を盾にして防ぐ。
そのまま薙ぎ払い吹き飛ばされるリオ。
足から着地とはならず、地面を転がり衝撃を逃す。
「フウッ、オオオオ」
完全に敵と見做したリオ。体制を低くして踏み込み股の下をくぐり抜け、膝裏を蹴る。
たまらず体制を崩し頭が下がる。
「アアアアッ」
回し蹴り一閃。側頭部にキレイに決まる。
「ガァッ」
たまらずのたうち回る。
「さぁ、死ね」
普段からは想像できないような感情の無い冷たい声。
「それ以上はいけない、殺したら退学させられる」
シャルルが気付き声を上げる。
「放水開始っ」
消火栓からの一斉放水。
「やっと動いたか、いつもいつも遅いんだよなぁ」
「でもまぁ、怪我人だけで死人は無しだ」
「この連携の取れなささえ無ければ良いんだけど」
「あまり文句言わないでもらえます?」
「あ、会長」
「これでもいくつか手順飛ばしたのですよ。教師陣も一応とは言え協力してくれたのですから」
「リオ? 大丈夫?」
シャルルも放水で全身びしょ濡れながら、リオを見つけて声をかける。
くしゅん。
「寒い」
「あ、無事みたいね」
リオが小さなくしゃみをし、シャルルが無事を確認する。
「本当に風邪を引く前にお風呂行くよ」
「うん」




