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action!~売れない役者の異世界生活~  作者: とみ
第2場 家族生活の始まり
37/47

新しいホームと新しい人達

モンブー車で街をゆっくりと進む。

海路を使って交易をしている街だからか、道幅がラインと同様に広い。

モンブー車を進めるのが楽だ。


「空が広いッスねー」

「そうだな、建物はこんなに高いのに………でも、海が見えないな」

「仕方ないッスよ」


建物は聞いていた通り異常に高い。

4階5階は当たり前。

中には複数の建物に柱を通し、支え合う事でちょっとしたビル並みの高さを有する建物すら見掛ける。


そして、今は左手に海を見ながら進んでいるはずなのだが、右手に見える建物に窓が見えない。


「本当に海側に窓がないんだな」

「生活の知恵ってやつッスね!」


しかし、こういう海に面した場所では、例えばオーシャンビューの部屋なんかは、元の世界では需要があった。

本当に文化が存在しないのだと思い知らされる。





「ルルちゃんお帰り! 怪我はなかった?」

「シェスカさんが帰ってきたぞ!」

「シェスカさん、ルルちゃんお帰り!」


すれ違う街の人々はほとんどの人が声をかけてくる。

相当に広い街なのに、2人の顔の広さに驚かされる。


「ルルもシェスカも人気者だな」

「ここらへんは仕事で顔を出したりするから」

「ホームも近いんスか?」

「もう少しだよ! ジル、そこ右ね!」


そして、全員ではないが、やはり元の世界の物と似た服を着た人もいる。

上半身は水着、下半身はパレオを巻きつけたようなスカートの女性。

男性は作務衣に浴衣、中にはTシャツ短パンのリゾートスタイルまでいた。

転生者が絡んでいるのは、ほぼ間違いないだろう。

天使の少女が言っていたもう1人の転生者は、服飾に関係した前歴の持ち主なのか………?





ほどなくしてホームに辿り着く。

1階はくりぬかれたように壁のないスペースがあり、そこにモンブー車を停める。


「でっけぇ………」

「でっかいッスねぇ………」


隣の建物とは少し距離が空いていて、広場のようになっている土地の真ん中に、この街では平均的だが、やはり大きいと感じる石造りの建物が建っている。

2階へ続く階段の下に立って見上げると、その大きさはまるで豪邸だった。


「ここに2人で住んでるんスか!?」

「そうだよ! 今日からは4人だね!」


ルルもシェスカも手荷物だけを持って階段を上っていく。

とりあえず俺とアイリもそれに続いた。


「この街では建物1つ1つが大きいからね、同じ建物に複数の家族が一緒に住んでるのが普通なの」

「アタシ達も2人だけで持て余してたからさ、ジル達が来てくれて嬉しいよ!」


玄関と思われる木製の扉に金属製の鍵がついていた。

シェスカが鍵を取り出し、ガチャリとロックを外す。


「それでは………2人共いらっしゃい」

「アタシ達のホームへ!」





「広っ………!」


2階は階段以外にはほぼ仕切りがなく、だだっ広いホールのようになっている。

玄関から入ると真正面に広い階段。

玄関からみて奥の右側、海側の壁のない場所はキッチンというよりは、もはやレストランの厨房のようになっていた。

そこかしこに使われていないと見られるテーブルや椅子がつまれ、厨房近くにワンセットだけ、2人が使用していたと見られる食卓があった。


「細かく見て回るのは後! 次は3階だよ!」


3階には同じシンプルなデザインの扉がいくつも等間隔に並んでいた。

階段がある海側にも窓がないので、廊下はかなり暗い。

廊下の途中にあるランプに火をいれながら、シェスカは階段から3つめの扉を開けて見せてくれた。


「広っ………!」


同じ感想ばかりになってしまうが、部屋もかなりの広さだった。

入り口の他にも2つ程扉があり、見た目以上の広さが予想される。


「窓がないから、廊下は昼間でもかなり暗いの」

「3階も4階も1番奥の部屋はかなり広いんだけど、1人じゃ持て余すと思うから、こことその隣を使うといいよ」


そういうと、シェスカは隣の扉も開けておいてくれた。


「わたしとルルは手伝ってくれる人を呼んでくるから、2人には荷降ろしを任せるね」

「とりあえず、全部2階に上げてくれればいいから!」





シェスカは手ぶらで、ルルはもーちゃんを連れて出ていった。

アイリと協力しながら先ずは階段下まで荷物を運んでいると、シェスカが5~6人の人を連れて帰ってきた。


「ジル、アイリ。こちらがすぐそこで宿屋を営んでるアリシア。よく下働きの人を貸してくれたり、色々手伝ってくれてるの」

「あら、いやだ! 手伝いはお互い様じゃない! アリシア・グルーマンだよ! これからよろしくねぇ!」


アリシアさんは恰幅のよい肝っ玉母さんみたいな人だった。

アリシアさんがすっと手を振ると、下働きの人達が細かい指示もないのに、次々に荷物を運んでくれる。


「アイリ・トオヤマッス! アリシアさん、よろしくお願いしまッス!」

「ジルクリス・ロンクーシです。アリシアさん、これからお世話になります」

「なんだい! よそよそしいねえ! アリシアと、そう呼んどくれ! 言葉も崩す事! いいね?」


アリシアは見た目通りの気持ちいい性格らしい。

付き合いやすそうな隣人で何よりだ。

アリシアはエプロンドレスのようなふんわりとした服を着ていた。

街で見かけた元の世界の雰囲気がうかがえる服ではなかった。


「わかったッス! アリシア!」

「アリシアは街で見かけた新しい服は着てないんだね?」

「あぁ、ここ最近流行りだしたあのペラペラの服かい? あれは涼しくて過ごしやすいんだけどねぇ、薄い生地を使ってるから、仕事着にゃ出来ないよ」

「どこで売ってるのか知ってますか?」

「エルロイの店だよ。やっぱり若い人達はああいうのが好きなんだねえ」

「はいッス! 落ち着いたら買い物行きたいッス!」

「エルロイさんの店なら、わたしも知ってるから、案内するね」

「シェスカ、ありがとう」


話をしていると、ルルがもーちゃんに少し小ぶりな荷車をひかせて帰ってきた。

御者台では、ルルの隣で髭の白いおじいさんが巻きタバコをふかしている。

おお、この世界にもタバコがあるのかと驚いた。

今まで見たことがなかった。


「ジル、アイリ! この人はヨシムネさん! 牧場や農園の人で、もーちゃんのお父さんだよ!」

「やめろぃ、その紹介。語弊があるわ」


モンブー車を停めると、ヨシムネさんは見た目から想像する年齢を感じさせないくらい軽い動きで、ヒラリと御者台から降りてきた。

ヨシムネ………?

思わずアイリと顔を見合せる。


「ヨシムネ・サカグチだ。牧場を営んでおる。今日は余った干し藁とモンブーを回収にきた」

「ヨシムネ・サカグチ………さん、ですか?」

「じ、自分、アイリ・トオヤマッス! サカグチさんは転生者なんスか?」

「何………?」

「俺はジルクリス・ロンクーシです。俺とアイリは転生者でして、俺達のいた世界の名前とサカグチさんは、同じ響きの名前だったので………」

「あぁ、なるほどな。違うぞ」


サカグチさんは、ついつい元の常識と照らし合わせて姓で呼んでしまった俺達を眺め、タバコを1度ふかした。


「俺の父親が転生者なんだよ」

最近どんどん暑くなってきてますね。

action! の世界もこれから夏を迎え、暑くなっていきます。

物語はそんなに熱くならず、ゆったりと進みますがww



それでは、

ここまで読んでいただきありがとうございました。

良かったら、次も読んでくださいね。

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