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action!~売れない役者の異世界生活~  作者: とみ
第1場 異世界生活の始まり
35/47

閑話 アイリから見える事

閑話、アイリ視点で。

この旅、めっちゃ楽しいッス!


自分の率直な印象ッスね。

最初が楽しくなかった訳じゃないんスけど、ルルの足が治って以降、さらに楽しくなったんスよね。


最初はジルの事、スケベオヤジかよ! って思ってたんス。

だってそうでしょ!? 自分の裸見てるし、旅に誘ってくれたかと思ったら、すでにめっちゃかわいい娘2人いるし。

ナンパかよ!? ハーレムかよ!? どこのラノベ主人公だよ!? って。

でも、違うかなーって最近は思ってるッス。


自分の裸見た時も冷静に思い返せば、グイグイ食いついてくる訳じゃなく、かといって不用意に取り乱す訳でもなく。

結局、転生仲間かもってなっただけだったし、自分の寂しいとか、孤独感とか、気づいてくれて、穴を埋めてくれたし。


シェスカとルルも、ジルからどーこーじゃないんスよね。

あの2人がジルにベタボレ。


ルルはまだ助けてくれたー、って憧れみたいなのが先に来てるッスけど、足治った時もなんか男気? みたいなの見せつけられて、今では完全にお芝居の師匠ッスもん。

異性としてはっきり意識するのも、時間の問題っつーか………。


シェスカはマジで乙女モード入ってるッス。

見張りしながらもチロチロとジルの事見てるし、意識しちゃってるせいか、最近ジルに直接話しかける事が少ないし。

胸おっきくさせる方法聞かれた時は面食らったッスけど、「だって、ジル、アイリの胸、見る…」なんて! もー、可愛すぎか!

ジルのあれは、スケベ心はまるでないんスけどね。

なんか、珍しい貴重な美術品かなんかを見るような目っつーか、自分がどんだけバイトしても手が届かないくらい高いギター見かけた時と同じ目っつーか。


自分はジルに対してそういう気持ちはないッスけどね。

いい人だし、めっちゃ気にかけてくれるし、度胸があって、決めるとこで決めるからカッコいいとは思うッスけど。

たぶん、あっちで30とかまで生きてて、内面おじさんなんだってわかってるから、そういう目で見れないんだと思うッス。

それに、ジルがいい人なのは、自分に対してじゃなくって、みんなに対してッスから。

流石に勘違いして恋しちゃうような乙女にはなれないッスね、自分は。

自分の胸も美術品扱いッスし、きちんと女扱いされてないのがわかるんスよね、女の子扱いっつーか、ガキ扱いっつーか。


………なんか考えててちょいムカついてきたッス。

後で1発どついとくッス。





この旅の何が楽しいって、みんなで1つの事に取り組むのが楽しいッスね。

最初は狩りとかキャンプの準備とかくらいしかなかったんスけど、最近はみんなで自分の歌聞いてくれたり、一緒に歌ったり………。

ジルの芝居講座もわりと楽しいし。


シェスカが1番自分の歌には食いつきいいッスね。

いろんな歌聞きたがるし、自分でもよく歌ってるから。

ただ、こっちの人は歌に今まで触れあってないせいか、シェスカのリクエストへの答え方が難しいんスよ。

「元気になれる歌」とか「明日頑張れる歌」とか。

まあ、自分の気分でなんとなく選曲してるッスけど。


自分もあっちでオリジナル曲とか作ってたんスけど、まだ披露はしてないッス。

ちょい恥ずかしいっつーか………。

1度オリジナルを鼻歌で歌ってて、ジルが聞いてたから、感想聞いたら、「恋に破れながらも、次に向かって頑張る女の子の………」なんて、お芝居のどんなシーンで使えるか答えてきたんス!

いや、感想でいいッスから! つか、曲作った時のイメージまんま! 歌詞付きで歌ってなかったのに! なんでわかるの!?

あれから、なんかジルに見透かされてる気になっちゃうから、オリジナルは避けてるッス。


シェスカはリクエストも自分で歌うのも、アップテンポな曲が好みッス。

最初はいろんな曲があるって知ってほしくて、色々歌ってたんスけど、それでもリクエストはアップテンポばっかり。

シェスカの声質とか考えると、バラードとかミドルテンポくらいの曲のが映えると思うんスけど、そういうと、ジルの発言を引き合いに断られるッス。

「心を込めないと、嘘にもならない虚勢になっちゃうから」って!

まあ、聞くのが身内だけだし、好きな歌を好きなように歌ってくれていいんスけど………ジルめ、余計な事を!





とはいえ、実は自分もジルの芝居講座が役にたってる部分があるんス。


なんだったっけ? 「如何に自分と向き合って、如何に自分で工夫するか」だったかな?

ルルが芝居やりたいって言って、最初に物真似させた時はびっくりしたッス。

それじゃ、物真似芸人ッスよね!? 役者じゃないッスよね!? って。

でも、どんどん目に見えてルルがうまくなっていって、そのうちルルが物真似してると目が離せなくなって。

単純にスゲーなって思ったんスよね。


自分もためしにって歌を歌う時に、自分がスゲーって思ってるアーティストさんのイメージを頭に浮かべて歌ったりして、工夫してみたんス。

そしたらジルが「歌い方変わったね」ってすぐ気づいて「でも、芝居も歌も、突き詰めれば自己表現だから、完全に物真似にはしない方がいい」って「若いうちは難しいだろうけど、自分はどんな人か、他人からはどういう風に見えるか分析して、1番魅力的な自分を引き出す工夫をした方がいい」って。

若干、何様だよ!? って思ったんスけど、でも間違いじゃないなって。

それが巷で言う「オリジナリティ」ってやつなんだろうなって。


それで、自分なりに工夫して歌うようにしてみたら、ジルは何も言わなくなって。

それがなんか、自分の「オリジナリティ」を受け入れてくれてる気がして、自分自身も受け入れられた気がして、歌うのがもっともっと楽しくなって。


後、ジルは「努力」とか「頑張る」って他人に言わないんスよね。

ルルにも「稽古しよう」とか「工夫しよう」って促すんス。

考えてみれば、その通りなんスよね。

自分が好きでやってる事なんだから、「努力しないと」とか「頑張らなければ」とか考える必要なくて。

楽しいから稽古する、もっと楽しくなりたいから工夫する、っていうジルの姿勢はすごく自然に見えて。


思えば、あっちのバンドメンバーとのやり取りも、自然とそんな感じだったッス。

一緒にいて楽しいから集まるし、みんなバンド好きだから集まったら自然と練習するし。

専門とかで、講師に「努力しないと上にはいけない」なんて言われて死ぬほどギター弾いてた時より、バンドメンバーと遊びで弾いてる時のが集中できてたし。





ジルって不思議なやつッスね。

次から第2部スタートです。

一気にザムラ到着までとびます。



それでは、

ここまで読んでいただきありがとうございました。

良かったら、次も読んでくださいね。

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