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action!~売れない役者の異世界生活~  作者: とみ
第1場 異世界生活の始まり
11/47

朝の風景とデートの始まり

窓から射し込む朝陽で目が覚める。

ぎゅっと強く目を瞑って光に慣らし、ゆっくりと上体を起こす。

もうほとんど背中の痛みはなく、熱もなさそうだ。

少しだけ身体中の筋肉がギシギシと軋む感じがするが、ほぼ出歩かず、運動もしていない日々を過ごしているのだから、仕方ないといえる。

結論、シェスカとのデート初日の体調はすこぶる良好である。


身体に布を巻き付け、ズボンを履く。

ブーツの紐を絞めて、ベッドから起き上がる。

手桶で桶に水をくみ、顔を洗った後でシャツを着る。

まだ残っている癖で顎を擦ると、ツルツルとした感触が帰ってくる。

どこまで若返ったのか…髭は生えてこない。

まあ、この部屋にはおろか、トイレ等にも鏡はないので、髭を剃るとなると苦労しそうだな、とは思うが…。


朝の用意が終わったという合図に2人の寝室をノックしに行く。

3人が過ごす宿の部屋は、2部屋で構成されており、最初の部屋…リビングのような場所に俺の使うベッドが置いてある。

本来の寝室である奥の部屋は、ルルとシェスカが2人で使っているという形だ。

食卓に使っているテーブルを見ると、既に朝食の準備がされていた。


ココン、とノックすると「はいはーい」というルルの間延びした声が帰ってくる。

シェスカの声が聞こえなかった事に疑問を抱きつつ、朝食の準備をする。

グラスに飲み物…今日はミルクを注ぎ、3つ用意する。

皿も同じく3枚用意したところで椅子に座り、お祈りをする。

この何日かで、お祈りの言葉はしっかり覚えることができていた。

お祈りの途中でカチャリと音がしたので、言い終えてから振りかえると、ルルが、まるで小さな子供がぬいぐるみを手放さないかのようにしっぽを抱き抱えながら近づいてきた。


「おあよー…お兄さん。よく寝れた?」

「おはよう、ルル。よく寝れたよ。ルルもよく寝られたみたいだね」


ルルはにんまりと笑いながらちょこんと椅子に座る。

可愛らしい仕草を眺めながらミルクに浸したパンをかじっていると、ルルは目をしぱしぱとさせながら用意された食器を見つめ、コテリと首を傾げた。


「3枚…?シェスカはいないよ?」

「え?なんで?」

「なんで?って…今日はお兄さんと、デ…デートだから、仕事終わらせに行ってるよ」


未だ眠そうにしながら頬を染めて返され、俺は3つ用意されたグラスを見た。

ひとつくすんだグラスがあったので自分が使っていたが、シェスカ使用済みの物だったとは。


「そうだったのか…失敗したな。ミルクは俺が飲むよ」

「んーん。アタシが飲むから、お兄さんは早く用意して。そろそろ戻ってくると思うし」

「わかった」


そこまで言うとルルは両手を合わせ「いただきます」と呟いた。

テーブル中央に置かれたバスケットからベーコンの挟んだパンをとり、あむっとかぶりついた。


「ごちそうさま」


こちらの世界には食後のお祈りがないので、慣れ親しんだ言葉で食事を終える。

再び桶に水をくみ、歯磨きの用意をする。


「お兄さん、シェスカは戻ってきたら…あむっ、ほふほーへまっへうはは」

「えっと…食堂で待ってるから?」


パンにかぶりつきながら喋るので何を言ってるかわからなかったが、当たっていたようで、ニンマリと目を細めて返してきた。

待たせてもいけないと思って、急いで口をゆすいだ。


「あとねー、外ではあんまり『この世界』とか『元の世界』とか言わないようにね」

「わかった。行ってくるね」


振り返りながら声をかけると、口と両手がパンでふさがっていたルルは、しっぽを左右に振って返してきた。






「おはようございます。体調は大丈夫ですか?」


1階の食堂へ入ると、とびきりの美人が声をかけてきた。

薄い桃色の髪をハーフアップでまとめ、クリーム色をしたワンピースに茶色いベスト、腰にはベルトを斜めにかけて、優美な造りの剣を右腰に下げている。

ワンピースは背中や腰できゅっと絞められているようで、シェスカのスレンダーなスタイルがいつもより強調されていた。

腰から下のスカート部分はふんわりと広がって、脛の辺りからは茶色のブーツが覗いていた。


「おはようシェスカ。体調は良好だよ。朝から仕事、大変だったね。お疲れ様」

「うふふ、いえいえ、良かったです。それでは行きましょう」


歩き出したシェスカの後ろについて歩くと、いつもは単色のバレッタでハーフアップにしているのに、今日は流麗な蝶の細工がなされたバレッタを使っているのに気づいた。


「へえ、このバレッタは初めて見たな。よく似合ってる」


思わず声をかけると、シェスカは片手でバレッタをそっと触れながら小さな声で「…ありがとうございます」と呟いた。

こちらを振り返らなかったので定かではないが、耳は陽の光を受けて赤く染まっているように見えた。


「それでは行きましょう」


シェスカはそう言って部屋の扉より一回り以上大きな扉に手をかけ、外へ向かって押し開いた。

デート始まるとこまでしか行きませんでした…

次回はシェスカ姉さんとのデートを最後まで…書けたらいいな。


今日中にもう1本投稿予定です。


8月4日(日)

一部改稿しました。


それでは、

ここまで読んでいただきありがとうございました。

良かったら、次も読んでくださいね。

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